概要
徳島県海陽町の海部駅と高知県東洋町間8.5kmの阿佐東線を営業している第三セクター鉄道会社。元々国鉄の計画線であった阿佐線の未開業区間の一部を利用しており、全線が高架となっている。終点の甲浦駅は、その先室戸市を通り土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)と繋がる予定だったが、鉄路としての延伸は断念している。
また徳島県唯一のJR以外の鉄道会社でもある。
路線が短い上に、牟岐線の末端区間であることや沿線人口の減少が影響して、2011年度の営業係数(100円を稼ぐのに必要な運行経費)は「916」と、全国の鉄道路線で最も高い数値となっている。
2017年、徳島県が線路と道路両方走行可能なバス「DMV」を2020年度をめどに国内初の営業運転を開始することを発表した。甲浦駅から室戸岬方面へ、鉄路では成し得なかった乗り入れを行う予定である。「DMV」導入は観光資源としての意味合いも込められている。
2021年春を目処に「DMV」を導入。導入に合わせて牟岐線の阿波海南駅〜海部駅間の1区間が阿佐海岸鉄道へ移管・編入され、阿波海南駅〜甲浦駅間は鉄道路線として、阿波海南文化村〜阿波海南駅間と甲浦駅〜宍喰温泉・室戸岬方面(室戸岬方面は土・休日のみ設定)間はバス路線として、阿佐海岸鉄道による一体的な運行が行われる。牟岐線列車との接続は阿波海南駅で行う。
運行形態
線内運転の普通列車が中心。
2019年3月時点で平日、土曜・休日共に全線16往復体制が確保されている。大多数の列車が海部駅にて牟岐線列車と接続する。
このうちの一部は宍喰駅に車両基地があるために甲浦~宍喰、宍喰~海部間の区間列車に分かれており、車両入れ替えで乗り換えが必要な列車となっている。2019年3月改正まで朝の2往復はJR四国牟岐駅まで相互乗り入れを行っていたが、この運転は同改正で中止となった。かつては特急「うずしお」が乗入れていた時期もあり、その時期は特急料金も設定されていた。
歴代車両
通常タイプの気動車
- ASA101「しおかぜ」:オリジナル車両。土佐くろしお鉄道TKT8000形をベースに製造された。車内は転換クロスシートを備えたセミクロスシート。
- ASA201「あさしお」:阿佐鉄開業時にASA101号車と同時に導入。「宝くじ号」。車内はソファーを備えていた。2008年に衝突・脱線事故を起こし廃車となった。
- ASA301「たかちほ」:もと高千穂鉄道のTR201号車。ASA201号車の代替用として高千穂鉄道廃線後の2009年に無償譲渡を受け導入した。車内はボックスシート。
DMV車両
※ナンバープレートに記載されている番号。
- 徳島200 さ862:車体色は青(水色)。「未来への波乗り」をコンセプトにした。
- 徳島200 さ866:車体色は緑(黄緑)。「すだちの風」をコンセプトにした。
- 徳島200 さ867:車体色は赤(橙)。「阿佐海岸維新」をコンセプトにした。
駅一覧
※阿佐東線には「阿波室戸シーサイドライン」という愛称がある。
駅番号 | 駅名 | 備考 |
---|---|---|
M27 | 阿波海南 | (移管後のJR四国牟岐線乗り換え駅) |
AK28 | 海部 | JR四国牟岐線乗り換え(M28) |
AK29 | 宍喰 | 本社所在地で有人駅。駅長は2匹の伊勢海老。 |
AK30 | 甲浦 | 高知東部交通室戸岬・奈半利駅方面乗り換え |
関連動画
- 前面展望
関連項目
- 任侠ヘルパー:同社が撮影に協力。