「人生最期の打ち上げ花火…フィ~ニィ~ッシュ!」
CV:勝杏里
データ
生息地:空中
特技:空中を自在に飛び回る
作戦:体温の上がった人共のエアコンのかけ過ぎによる地球温暖化作戦
趣味:気紛れに人の映像に映ってやる事
概要
映像に写り込んだ謎の高速移動物体で有名な未確認生物「スカイフィッシュ」の正体とされる幽魔獣。スカイフィッシュだけに「フィーッシュ!」が口癖で口調もチャラく、相当馴れ馴れしい性格をしている。外見も如何にもそれらしく全身にヒラヒラした透明な羽根を持ったそれだが、頭部にはナナフシの意匠が見受けられるのも特徴。
また、長である膜インも知らない等、本編で登場した幽魔獣の中ではかなり若い部類に入り、ギエム郎やウオボ渦同様に封印されていなかった事が窺える。膜インと対面した際には筋グゴンが連れて来ての紹介だったが、何時どうやって接触して知り合ったかは不明。
その能力もスカイフィッシュらしく、上述の羽根によって肉眼では視認出来ない程のスピードで空中を飛び回る。また、この羽根には光学迷彩の機能があり、波状に動かす事による光の屈折で姿を消す事が出来、こうした光を屈折させる役目を持つ身体のヒレが高速飛行の最中、偶然人間のカメラに捉えられたのがスカイフィッシュと言うUMAの元になったと考えられる。
飛行能力以外にも人間の体温を異常なまでに上昇させる特殊な火の粉を撃ち出す能力を有しており、これを浴びた者は体温が急激に上昇して著しく体調を損なう為、戦闘もままならなくなる。劇中ではこの力でエリとモネ、ハイドを戦闘不能に追い遣ってみせた……のだが団扇で体を仰げば何とかなる為、余り役に立たない能力である。更に火花を使う為なのか、彼自身も水が大の苦手であり、浴びると全身が一瞬溶ける様に崩れてしまう等、前回のウオボ渦と比べても若輩者である事も手伝って然程強力な幽魔獣には見えない。
劇中では地球温暖化の促進の為に自身の能力で大勢の人間の体温を上げ、エアコンをガンガン浪費させようと言うかなり遠回りで地味な作戦を展開した。
劇中での活躍
筋グゴンの紹介によって膜インに引き合わせられると、自信満々に次の作戦を自分に任せる様に進言。だがチャラい態度も手伝って膜インからの印象は芳しくなく、「何だかチャラチャラした奴だけど、本当にあの護星天使共を出し抜けるのかい?」と筋グゴンに尋ねる。すると筋グゴンは「ハッ!筋骨隆々!細工も隆々だ!」とフォローし、ザイ粉に作戦の説明を命じる。
するとザイ粉は「俺の出すこの火種って、すんごい熱出すじゃないっすかぁ~!」と前置き(膜インからは「知らないよそんな事」と返されたが)、「で、こいつを花火みたいに空でぶちまければ、一気に 火種が人共の体に降り注がれますよね?すると人共は熱くてたまらなくなって、エアコンとかギンギンにかけちゃって、発電所フル稼働でガンガン地球温暖化しちゃって、もう地球アッチッチッチっすよ!」と何とも回りくどくて地味な作戦概要を説明。だが筋グゴンには好感触らしく、「今度こそ ゴセイジャー共に目に物見せてやる!」と息巻き、ザイ粉も「フィッシュ!フィッシュ!」と相槌を打つ。そしてその実験場である江古呂町に狙いを定め、「ご期待フィーッシュ!フィッフィッフィーッ!ザイ粉、行っきまーす!」と出撃した。
早速町の浜辺に花火と偽って自身の火の粉をばら撒くと、それによってその場に居合わせたモネ、エリ、望、天知博士の4人も含む人々の体温を上昇させる。そこへ「ハーッハッハーッ!狙い通り暑がってるっスすねぇ!」と作戦が上手く行った事に気を良くして現れると、「フィーッシュ!とっととうちに帰ってエアコンをガンガンかけて地球を温暖化させろっすよ!」と煽った為にゴセイチェンジしたゴセイジャー達と交戦。遅れて来た為に火の粉を浴びなかったレッド達3人に対し、「俺、スカイフィッシュのザイ粉なんでスローじゃないと見えないっしゅ! 」と持ち前のスピードを武器に翻弄するが、ブラックのロックラッシュに怯んだ所へ続け様にブルーのプレッシャワーを受ける。水を浴びた為に全身が溶けそうになり「って言うか俺、マジで水苦手なんすけど…!」と弱気になるも、追い打ちを掛けるブルーの腹部に至近距離から「君、ちょっとウザいっすねぇ~…ザイ粉スターダスト!」と火の粉を浴びせ、高笑いと共に撤退する。
作戦の成功を確信し、人間達がエアコンを付けまくる事を夢想するザイ粉だったが、街には期待していた陽炎など微塵も出ていない。それもその筈、江古呂町は温暖化対策が進んでおり、住人がクーラーに頼らずとも涼を取る方法を実践している地域だった為に成果はまるで上がらず仕舞い。計画が真逆の結果に終わってしまった事を受け、「俺の作戦って無駄だったっスかぁ~ッ!?俺…負け犬っスかぁ~!?」。とザイ粉は悔しがるばかりであった。
その後、ゴセイジャーの抹殺に作戦を変更したザイ粉はエリとモネを誘拐。2人を人質に、残る3人を絶望岬へと誘き寄せる。道中彼の火の粉を浴びたハイドの涼を移動式ハッカ風呂等の方法で取りながら何とか現場へ3人が赴くと、ザイ粉は既にエリとモネの2人を花火の大筒へ収納し、人間花火の準備を進めていた。「折角だから、滅茶苦茶ゴージャスな最期にしてやるっスよ!花火の様に打ち上がれッシュ!」と言って2人の筒の導火線に着火すると、ザイ粉は打ち上げまで3分と踏んだ上でアラタ達3人に魔虫兵ビービを嗾けて迎撃。
熱さでハイドが変身を解除されて戦闘不能になった為にレッドが彼を庇って上手く戦えず、唯一まともに戦えるブラックも自身のスピードで翻弄する事で3人を苦戦させるザイ粉だったが、ブラックが天装したロープラントで拘束され、次いでレッドのツイストルネードで暑さを吹き飛ばしたハイドはブルーに変身。そのままアイストップで氷漬けにされたザイ粉は、止めのブラックアタックとレッドブレイクを同時に受け敗北。花火にされそうになっていたエリとモネも駆け付けたデータスによって救出されるのだった。
直後、何時の間にかビービ虫に噛み付かれて巨大化。「ヤッバッ!何か俺、半端無くデカいんすけど~!これなら地球全体に火の粉、振り撒いちゃえるっス!」と地球全体に自身の火の粉をばら撒こうと目論むザイ粉だったが、そこへグランドゴセイグレートが現れた為に応戦。花火にされかけた怒りから繰り出されるピンクとイエローのキックに「おおっアウチッ!痛ぇッシュ!」と怯むも、「これもうマジで行くしか無いっしょ!スペイシーシャワー!フィーッシュ!」と再度火の粉をばら撒いてゴセイジャー達を再び熱で苦しめるが、5人が召喚したミスティックデータスハイパーの頭のプロペラの突風で火の粉を押し返され、最期はグランドグレートストライクを受けた事で花火になり、上記の台詞を断末魔に爆散した。
敗北後、膜インは「全く、最近の若い幽魔獣は使えないねぇ…」とザイ粉をこき下ろし、筋グゴンも「済まん、俺の人選ミスだ。ヌウッ!ミスだ!ミスだ!」と膜インに謝罪。まさに散々な言われ様であった……。
次回、アバレヘッダーを入手したチュパカブラの武レドランの力を受けたブロッケン妖怪のセマッタ霊によって実体を持った幻影として再登場するザイ粉だが、同じ様にスーパーゴセイブルーに火花を吹き付けるも、ミラクルゴセイヘッダーの力でパワーアップした彼には通用せず、「あんな暑さは2度と御免だ!」の一言で圧倒され、スーパースカイランドシーダイナミックを他の幻影幽魔獣と共に受けて消滅した。
余談
モチーフはスカイフィッシュとナナフシで、名前は映画『パラサイト』に火の粉を掛け合わせている。
特に後者の映画では寄生生物の宿主とされた人間が豹変してしまう事やそうした犠牲者には大量の水が必要と言う設定があり、これが火の粉を浴びた人間が高温で苦しみ、大量の水を求める作戦の元ネタになったと思われる。
ちなみに幽魔獣のモチーフは飛べない虫こと無脊椎動物となっているが、モチーフであるナナフシは羽をもっており飛ぶことのできる種類も存在するため空を飛べるスカイフィツシュに選ばれたと思われる。ちなみに妖精のサラワレテ居もモチーフであるコノハムシもナナフシの仲間であり、オスは羽があり空を飛べる。
声を演じる勝氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となった。
関連タグ
残暑忍者ベロ・タン:『忍風戦隊ハリケンジャー』の怪人で、同じく夏の暑さに因んだ作戦を展開した。
ボーリングバンキ、ヒーターバンキ、ノボリゾン:スーパー戦隊シリーズにおいて、同じく非常に手間のかかる方法で環境破壊を行おうとした戦隊怪人たち。
キルバス:中の人が同じ特撮悪役繋がり。
ブニョ:こちらも『ウルトラマンレオ』において敵側のボスもその存在を知らなかった繋がりのウルトラ怪獣。
スピード・キング:漫画『ジョジョリオン』に登場するスタンドで、こちらは能力の特徴と地味さがよく似ている。ただ、使い手の頭の良さ故か、立ち回りは侮れない。