「醜かったんだろうな」
「オークの亜種として狩られかけた」
概要
異世界おじさんの主人公。物語の語り手であり、もう一人の主人公でもある「たかふみ」のおじさん。ただし、作中で苗字、名前ともに不明(作中、宅配業者から「シバサキさん」と呼ばれてはいるものの、これがたかふみの苗字なのか、おじさんの苗字なのか、それとも二人とも同じ苗字なのかは不明。ただ、たかふみの本名は18話にて「高丘敬文」である事が判明したため、「シバサキ」はおじさんの姓である可能性が高い)。
異世界では主にその容貌から「オーク顔」と呼ばれていた。異世界においては、自分が名乗るときには偽名を使っていた。
2000年のお正月。17歳の時にお年玉でゲームを買いに行く途中、トラックにはねられて入院。その後、17年間昏睡状態に陥る。
実はこの間、異世界「グランバハマル」に召喚されており、そこで剣や魔法など、超人的な力を得て冒険をしていた。
しかし元の世界においても「昏睡状態」であった為に少なくとも「肉体」は元の世界に存在しており、戻って来たのも「元の肉体で目覚める」という形式である為、転移でも転生でも説明がつかない。
どうやったのか具体的な方法は語られていないが、17年もの間、異世界に漂流した後、34歳になってようやく日本に戻ってくることができた。
現実世界に戻ってきて病院を退院してからは、姉の子供であるたかふみの家で同居生活を行い、たかふみの提案で、YouTuberとして生計を立てている。
魔法を駆使した動画はファンも多く、企業とも契約しているなど、YouTuberとしては順風に活躍している。
ただ、動画で披露している魔法は、視聴者からは、高度なCGと思われており、その事におじさんは不満がある模様。
人物
外見は長髪に眼鏡をかけて顎に無精ひげを生やしており、頬のこけた怪しげな風貌をしている。
その一方で、性格は温厚で基本的には困っている人を放っておけず、自分を魔物と勘違いして襲ってきた見ず知らずの他人でさえも助ける心を持った、正義感や義侠心に溢れた好人物。
異世界では高校までに習った科学知識を使って『水の湧き出る壺』を作るなど、頭も悪くなく、創意工夫にも優れている。
ただし、口はうまい方ではなく、誤解を受けたり論戦になった時にはうまい言い返しができずにやり込められることが多々ある。
それはYouTuberとしてデビュー後の煽り耐性の低さにも表れており、煽りコメントにも一個一個返答してしまうなど、コミュニケーション能力に難がある。
その風貌の悪さとコミュニケーション能力の低さ、何よりも後述するチート能力の副作用から、異世界のみならず現実世界でも気持ちの悪い不審人物として怪しまれることが多々あり、たかふみの友達である藤宮さんをはじめ、初対面の人間からは間違いなく誤解を受ける。
また、異世界で酷い目に遭い続けた反動のためか、妙な所で警戒心や猜疑心が強く、異世界では他人に対して常に偽名を使っている。また、単純な好意を深読みして恐喝だと勘違いして逃げるなど、運が悪い以上に間が悪い。
そんなおじさんの誤解に拍車をかけるのが、彼が重度のゲームオタクであること。
特にSEGAの熱狂的信者であり、たびたび垂れる人生訓なども、SEGAのゲームからの受け売りがほとんど。
特にエイリアンソルジャーは青春をかけて打ち込んだゲームである為か、偽名を名乗る際には、殆どが同ゲームのキャラクターの名前を名乗る。また、他人を説得する際にも、「エイリアンソルジャー」のキャラクターである七瀬楓を引き合いに出す事が多い。
そのため、SEGAがハード戦争に負けたことを知った時には、思わず記憶を消去してしまうほど、多大なショックを受けている。
ただ、排他的な信者ではなく、他のメーカーのゲーム機も遊んでいる。なお、ゲームオタクではあるが、一方でアニメなどはあまり見ないようで、ゲーム関係以外のオタク知識には、割と疎い。
だが、そういうある程度の人間性を理解した上で付き合ってみれば、短期間でも彼の誠実さや優しさは必ず他人に伝わるようで、甥のたかふみからは親以上に慕われていると言っても過言ではなく、YouTubeのチャンネルには一定数のファンが付き、異世界でも彼とパーティを組んだ人間はおじさんを深く信用するようになる。当初はたかふみに悪影響があるからと嫌悪していた藤宮も、今ではたかふみ以上におじさんの人柄を信用している。
本当に、本当にただただ誤解を受けやすいだけの人。
そしてその人格から、実はおじさん自身は気づかない間に幾人かの女性からは好意を寄せられており、特に最初に魔毒龍と呼ばれる伝説の竜から命を助けたエルフの美少女からは、ほぼおじさんのストーカーと化し、傍から見ても一目瞭然なほど明確に好意を寄せられている。
ゲームの得意ジャンルはアクションものが中心。反対にRPGは「前回まで何してたか忘れてしまって、どこ行けばいいのかわかんなくなる」「アイテムの名前や入手方法をちっとも覚えられない」といった理由から全くプレイしていない。
尚、ゲームへの執着ぶりがSEGAの目に止まり、なんと公式でコラボが実現する。
コラボ漫画の内容は、SEGAの家庭用ゲーム「メガドライブ」を小型化、更にソフトを内蔵した「メガドライブミニ」をおじさんがプレイするというものである。
家族構成
正確な家族構成は不明。
概要の項にもある通り、17歳のお正月にトラックに轢かれたことで昏睡状態に陥るが、家族は昏睡状態だったおじさんの処遇をめぐってボロクソに揉めた挙句一家離散している(単にきわめて不仲な家庭だったのか、おじさんが家庭内で鼻つまみ者だったからなのかは今のところ不明。ただ、ゲームを買えるだけのお年玉やお小遣いは貰えていた模様)。
少なくとも姉(たかふみの母)は健在のようであるが、昏睡状態から回復後もたかふみいわく「会いたくない」と言われるなど、家庭事情はあまり良くないことが伺える。
ただ、当初こそ甥であるたかふみから疎まれたことがあるものの、魔法が使えることが発覚して以降はたかふみとの仲は改善し、共同生活だけでなく、動画投稿の協力者も務めている。
おじさんの方も、たかふみに関してはやや過保護ともいえるほどに構うようになっており、たかふみからは親代わりの様に慕われるほどになっている。
所有するチート
やはり異世界物の主人公らしく、おじさんにもチート能力は存在する。
今のところ確認されるものは、下記の通りである。
『万能話手(ワイルドトーカー)』
おじさんが異世界で神様から与えられたチート能力。
能力の内容としては『どんな存在とでも会話することができる』という、よく言えば王道な、悪く言えばひねりの無いありふれた能力。
また、この能力には発動条件があり、『必死に直接対話したい』と思うことで発動する。逆に言えば、必死に対話したいと思わなければ、発動しない。
しかし、この力によって現地人との会話を可能としただけでなく、魔物や精霊と言った人外の存在とも意思疎通ができるようになった。
ちなみに、万能話手(ワイルドトーカー)とは、おじさんがそう名付けた能力ではなく、地球への帰還後にたかふみによって名付けられた。
おじさん自身は、スーパーしゃべりと名付けようとしていたが、くじ引きによりこう名付けられた。
なお、神様との対応は回想を見る限り、日本語以外で行われていたらしく、おじさんは神の言葉を全く分かっていなかった。そのため、おじさんはこの能力を貰ったものだと知らなかった。
『精霊との会話』
万能話手(ワイルドトーカー)によって獲得した副次効果。おじさんの持つチートの中でも最大のものであると同時に、ある意味で最大の副作用。
おじさん曰く、「精霊とは、事象や概念の集合意思のようなもので、そういったものの声がそこかしこから聞こえる」という。
この、精霊との対話ができるようになったことはおじさんが異世界を生きる上では非常に大きな力となっており、おじさんの場合、現地の人間とは魔法の発動方法が違い、精霊と直接対話し、精霊からの協力を得ることで魔法を発動している。
地球でもこの能力は発動できるため、おじさんは日常的に使用しており、特にYouTubeの動画制作では非常に大きな力になっている。異世界・地球を問わず、おじさんを助ける最大の能力。
ただし、精霊との会話には多大なリスクが付きまわるものであり、初めて精霊に物を頼んだ際に呪文の詠唱を短くするなどの無礼を働いた場合、魔法を使った精霊から何らかの反動がある。
酷い時には、氷の精霊に部屋の温度を下げるように頼んだだけでも人類を滅ぼそうとする。
おじさん曰く、「精霊にとって人類は何か生き物ぐらいの緩い認識なので、絶滅しても痛くもかゆくもない」とのことで、精霊からの協力によって魔法を使う場合は、常日頃からの円滑なコミュニケーションが必要となる。
つまり、人には見えない精霊を相手に褒めたりお礼を言ったり、もしくは精霊が求める供物を捧げたりするなどして、精霊のご機嫌を取らなければならない。
無論、そんな姿を目撃されれば、第三者からは不審人物にみられることになる。
『剣と魔法』
異世界では凄まじい超人的な能力を獲得しており、特に剣と魔法の技量はずば抜けており、チートと言って差し支えないレベル。
彼が理不尽きわまる異世界でなんとか生き延びてこられたのもこれらの力によるところが大きい。
剣技の腕前は伝説級の竜を初見の一撃で倒すことが出来、魔法も前述の能力もあって、相手の心を読んだり、空を飛んだり、美少女エルフに変身したりと相当な使い手であり、その気になれば数百年間破られなかった街の結界を一瞬で破壊したり再起動することができる。
この能力を生かして、現実世界への帰還のすべを見つけるべく異世界では冒険者として暮らしていた。
ただし、この戦闘能力は自身の知恵と工夫(大半はゲーム知識の応用)によるところも大きく、超人的な能力は得ているものの、竜の持つ毒や寄生型の魔物によって死にかけることや、回復魔法は使えないが戦闘で負傷することもあるなど、絶対無敵のチート能力の持ち主というわけではない。
また、戦闘技術に関しても、凍神剣の使い手であるメイベルからの奇襲攻撃を避けられなかったり、ゲーム脳が災いして、敵の軍勢を前に意味もない行動を取ったりと、恐ろしく強いのは確かだが、付け入る隙が無いわけではない。
また、寝ている間に何度も命を狙われ、殺されるかけるなど、能力や技術とは別のところで不覚を取ることも多々ある。
この他にも、魔法の中には記憶を消去するものもあり、異世界では辛いことがあるとこの魔法を自分自身に使って強制的に忘れることで精神の均衡を保っていた模様。
現実世界に帰還後もこれらの能力は健在であり、魔法を使ったり、精霊と会話するなどは容易にできる(おじさん以外に見えないだけで、現実世界にも精霊は存在しているようだ)。
異世界での経歴
17歳でトラックに轢かれて異世界に召喚され、チート能力である万能話手(ワイルドトーカー)を手に入れる。
しかし、おじさんの異世界召喚の場合、一度意識だけが現実世界の肉体から離れたのちに、異世界で構成された肉体に意識が宿っているため、転生とは言い難い。
その為、長い間、この誰とでも、どんな存在とでも対話することが可能となったこのチート能力の存在には気づかず、『いきなり言葉の通じない存在と対話できる』という謎現象として受け取っていた。
元々から老け顔で、容姿に恵まれていなかったが、異世界では美男美女しかいなかった為に、ことさらに醜い人間として扱われており、「オークの亜種」として何度も狩られかけ、初対面の異世界人に受け入れられることはほとんど無く、加えて、自身の内向的かつ不器用な性格や、やる事なす事が悉く裏目に出る運の悪さも手伝って、17年もの間孤独で悲惨な生活を送っていた。
(むしろ大半の異世界人たちからは忌避および迫害されていたと言って良いレベル)
基本的にロクな目に遭っていないが、それでは、異世界では何も良いことはなかったかというと、そんなことはない。
実はモテ男
人物の項目に書かれている通り、外見こそ醜いと言われるものの、基本的には善良なお人よしである。
その人徳のお陰か、近年稀にみる読者すらも納得する一級フラグ建築士。最初こそ最大限に警戒or嫌悪されるものの、基本的には紳士な上、溢れ出る善性と口下手が怪我の功名となって寡黙でクールな印象を与えるのか、行く先々で美少女に惚れられる。しかもうらやまけしからんイベントも頻発する。
ただしおじさんも女性との付き合い方が下手くそなため、ひたすら「相手を刺激しないよう無難に収める」ことに必死になるせいで、見ている側が女性を気の毒に思うほどの朴念仁ぶりを発揮する一級フラグクラッシャーでもある。
ここでも先述の「間の悪さ」が絶妙に仕事をしてしまい、女性がどれだけ懸命なラブサインを発信していても、別のことに意識を傾けて見事にスルーしてしまう。酷いときには、諸事情があるとはいえ(良かれと思って)躊躇なく記憶を抹消し、有耶無耶にすることも辞さない冷徹な判断を善意で即断する。しかも常習化しており、コミュ障&人間不信の拗らせ過ぎで保身から乱発した前科アリ。
当然だが、おじさんは女性からの想いに(旅のリプレイ映像を振り返っても)微塵も気が付いていない。
- おじさんが建てたフラグ
ツンデレエルフ
最初におじさんが助けた美少女。
しかし、当の美少女エルフはおじさんへの好意を素直に出せずに、わがままや罵倒という形でしか彼と意思疎通ができず、恋愛そのものに疎く、ツンデレという概念を知らないおじさんからは、付きまとってまで自分を罵倒する嫌な奴としか見られていない。
そんなツンデレエルフに対して、おじさんは(売れば大金になるからと)指輪を送る、(命の危機を心配して怪我を見るために)服を脱がせるなど誤解を招くような行動をしている。おじさん自身は単なる純粋な善意でしか行動していないが(だからこそ、というべきか)、セクハラ寸前の行為を街中で、それも平然と行っている。
その所為でますますツンデレエルフとの仲は深まっていくが、そんな状況にたいして、おじさんは一切気づいておらず、おじさんの異世界での様子を知ったたかふみと藤宮さんは、心中でツンデレエルフに対する同情心を日々募らせている。
一方、その善性から無自覚に女性を誑し込むおじさんに嫉妬心をたぎらせることも多く、回を追うごとにおじさんへの思いから感情を爆発させることも多々ある。
その愛は若干ヤンデレの領域に片足を突っ込みかけており、旅館で年端もいかない童女がおじさんとツンデレさんとを別室にしようとすると無言で威圧し、おじさんが混浴に入ると遠くから狙撃を繰り返すなど、行動だけで言うと理不尽暴力ヒロインともいえる行いを繰り返している。
それでも、ツンデレさんのおじさんへの愛情は本物で、おじさんの為には身売りを行い、莫大な借金をしてでもおじさんを助けるなどもしており、そんな彼女におじさんも何やかんや心を開いている。
メイベル
フルネームは「メイベル=レイベール」。
伝説の竜の一体「魔炎竜」を倒せる唯一の武器である「凍神剣」を守護する氷の一族の美少女だったが、試行錯誤と創意工夫の末に凍神剣なしでおじさんがボスを倒してしまったことで、メイベルは自分の存在意義を失い、元々凍神剣の守護者の肩書を盾にした引きこもりだったが、「今のままを貫け」というおじさんのアドバイスにより、より強固な引きこもりになる(おじさんのアドバイスでそれを是だと思い込んでしまった)など、人生がバグりだす羽目になった。
その後、引きこもりと化したメイベルに対し、村人は「犬になって飼われるか、働くか」の中々に強烈な二択を突きつけたことでメイベルは村を出奔し、おじさんのもとを訪れる。
そこでおじさんから、売れば金になるからと指輪を送られ、異性として意識しだすようになる。
また、実はおじさんの時代から遡ること400年ほど昔、日本(ニホンバハマル)から転移してきた武士の子孫であり、そのためなのかは不明だが、おじさんの顔が「オーク顔」ではなく、普通の人間の顔に見えているらしく、他の異世界人のような露骨な嫌悪感は持っていない。
それゆえに、オーク顔と言うことに嫌悪感を持ってしまうツンデレエルフからは羨望の様なものを抱かれている。
アリシア
元々は、おじさんに対してオークと勘違いして襲ってきた神聖魔道士の美少女で、幼馴染の少年であるエドガーとライガとパーティを組む駆け出しの冒険者。
後におじさんの手柄を不本意ながらも横取りしてしまった形で「神聖勇者(シャイニング・クルセイダー)」の称号を得ておじさんと再会する。
その際に、おじさんと一緒に攻略した「深闇の迷宮」で古代魔導具「救世のワンド(杖)」を入手し、その古代魔道具の精神同期魔法の副産物によりエドガーとライガの能力と技が使えるようになった他、神の加護で身体能力が底上げされた。
その後、おじさんと偶々一緒に泊まることになった温泉旅館で、明確におじさんに対して好意を抱くようになった。
ちなみに、童顔な割には巨乳な為、ツンデレエルフからはかなり強い嫉妬と羨望と敵意を持たれており、彼女とおじさんが混浴することになった際には、強力な魔法の結界を破っておじさんを狙撃した。
おじさんもらえる
おじさん「ん…?」
藤宮澄夏「あ…うん…」
おじさん「……………………」
たかふみ「……………正気?」
(ニコニコ静画 『異世界おじさん チェンクロコラボ特別編』より抜粋)
スマートフォンアプリ『チェインクロニクル』へのまさかの外部出演が決定。
しかもおじさん自身がプレイアブルキャラクターとなり、かつての様に冒険に出ることになった。
だがファンが何より驚いたのは――
cv:石田彰
まさかのイケメン青年キャラに定評のある石田氏をおじさん役に抜擢するという、チェンクロ運営の采配にファン一同が度肝を抜かれる事態に……。
なお、おじさんはユニットとしても優秀で、イベント以外の通常プレイでも卒のない性能で活躍してくれるうえ、キャンペーン終了までにイベントを達成すればそのまま使い続けることも可能になる。(いわゆる配布枠)
キャンペーン期間は2023年12月31日まで。
そしてもう一つ困惑を誘ったのが、「おじさんもらえる」という、『異世界おじさん』を知らないプレイヤーからすると何を言っているのか不明な広告のアオリ文だろう。
てか、パワーワード過ぎ(汗)。
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諸葛岳人…重度のオタクで、外見が似ている。また、彼も他人のために自分を犠牲にできる精神力を持っている。