概要
『魔神英雄伝ワタル2』以来6年半ぶりのTVシリーズ。1997年10月から1998年9月まで午後6:00~6:30のテレビ東京系列にて放映された。全51話。
ワタルシリーズは『2』終了後もノベライス、コミカライズ、ラジメーション(連続ラジオドラマ)で物語の続きや外伝を延々と作り続けていたが、それらとは無関係に作られたリブート作品である。
本来なら過去シリーズに携わったスタッフが再集結する予定だったが、当時他番組に掛かりっきりで、世間からは既に高名に成り過ぎた為に実現しなかった。
放送局は日本テレビ系列からテレビ東京と系列に変更。スポンサーも玩具関係がタカラからバンダイへ、映像関係がバップからビクターエンタテイメントへと変更された。
物語は元祖『魔神英雄伝ワタル』(以後『無印』と表記)の後日談という形で始まり、『2』には繋がらない形で終わる。
『超』の主人公であるワタルは『無印』での冒険の記憶を失っているという設定であるため、『無印』を知らなくても入りやすいようになっている。これは過去シリーズ未視聴の子供達への配慮だけではなく、ワタルの実力がこれ以上強くならない様にリセットするためだと総監督は語っている(月刊アニメディア97年付録 参照)。なお、ワタルの過去の冒険の記憶は最終回になっても取り戻されることはなかった。
当時すでに古くささがあったキャラや魔神のデザインは一新されたことで、新規のファン層の獲得には成功した。
制作側は「『2』以降に発表されたノベライス、コミカライズ、ラジメーションなどは、アニメの直接的な続編ではなくパラレルワールドのようなものであり、メディアによって意図的に設定を変えている。だからすべての外伝が矛盾なく繋がることはない」ということを常々語っていた(ノベライズ『魔界王子-虎王伝-』2巻巻末など)。
なので『超魔神英雄伝ワタル』は、過去に発売されたOAV『真魔神英雄伝ワタル』、ノベライズ『アナザーステップ』、コミカライズ『魔界突入物語』などと立ち位置は同じであり、『超』だけが特殊なわけではないというのが当時の公式の見解である。
このことは、『無印』の直接の続編でさえないことを意味しており、実際、『超』のワタルが過去に戦ってきた冒険は『無印』とは異なる展開であったことが示唆されている。
そもそも、『超』の冒険の舞台となる創界山は、『無印』の創界山とは基本設定に矛盾がある。
つまり『超』のワタルは『無印』のワタルは同一人物ではなく、『超』の創界山と『無印』の創界山も別物であると考えた方がすっきりくる内容となっている。
これは上述のように『無印』を知らなくても視聴できるようにしたためであるが、旧来のファン層からすると混乱を呼ぶもとになってしまい、賛否両論である。
また、アニメ制作側はパラレルだと言い続けているものの、販売側はこの作品を続編として売り出しており、製作と販売で意思が統一できていない傾向が見られた。
企画の完成までも紆余曲折の変遷があったようだ。
1995年7月上旬、現実の殺伐な状況にある子供たちを救えるのは『ワタル』しか無いと考え、シリーズ復活を提出するも、元々は連続ラジオドラマ(ラジメーション)によるサイドストーリーとしての企画だったという。また、当初の予定は主役魔神が龍神丸では無く、創界山以外の別聖域で冒険する筈だったが、タイトル以外は没案となった(当時スタッフのTwitter参照)。
その後、『無印』をリブートした新アニメを作る方向性に決まりかけたが、『無印』の後日談だが続編ではなくパラレルという体裁に変わり、製作が開始された。
(ワタルシリーズは『2』から6年間TVで放映されてないが、6年というのはリブートするには早すぎる一方で、かといって続編とするとシリーズを知らない子供たちも多くなるという微妙な時期であり、「続編に見えるパラレル」というのは苦肉の策だったのだろう)
『超』の放映中はコロコロコミックとふぁんデラからコミカライズが連載されたが、どちらも中途半端な打ち切り同然に終了した。後者は新規描き下ろし完結させても、内容はメカ無し心理描写中心であった。
TVシリーズのサイドストーリーを記した外伝もノーラコミックスPocke(コミックPocke)より1巻だけが発売され、未掲載分は同人誌で出回ったとされる。
本放送と連動してラジオでも本作と同名の30分間の深夜トーク番組が、文化放送、ラジオ大阪他にて一年間放送された。
上述したように『超』は『無印』の後日談として始まるのだが、現在の公式HPでは『2』の続編的な作品として位置づけられている。
『超』作中でワタルの過去の冒険が直接語られることはないので、『2』の後日談としても問題はないといえばないのだが、作品の位置付けを変えた理由は一切説明されていない。
あらすじ
創界山でのドアクダーとの戦いからしばらくたったある日、魔界の手の者によってワタルは「良き心」を奪われ、悪童たちと町を蹂躙、学校制覇を始めるが、異変を察知したシバラク達の手で正気に戻るも、心と記憶は失われたままだった。山は新たな魔王アンコクダーに支配され、第七界層の聖龍妃達も行方知れずになる。麓に放置してあった敵魔神の襲撃から以前の記憶は蘇るも、心は取り戻せなかった。
今一度山の平和を導くべく救世主ワタルの旅が始まった。
登場人物
※▽はASUKA版
ドナルカミ女王(CV:伊倉一恵)
炎部ワタル(CV:田中真弓)
戦部アキコ(CV:伊倉一恵)
番長(CV:松本大)
ジンババ(CV:坂東尚樹)
アタール(CV:神谷浩史)
ブルペン(CV:岸野幸正)
ガク・ラン(CV:岩永哲哉)
ナビ(CV:野田順子)
シーマッハ(CV:津久井教生)
ピカス(CV:岡和男)
パイナ▽
フィメリア▽
ルクス(CV:三石琴乃)
カレン(CV:進藤勝代)
チルド(CV:白鳥由里)
ユカタ村村長(CV:坂口哲夫)
カイトナ(CV:松本保典)
ライチ(CV:鈴木真仁)
ヒート(CV:日高奈留美)
ジジ(CV:坂東尚樹)
バグロー(CV:菊池正美)
フィン(CV:長沢美樹)
フィンの父(CV:麻生智久)
パール(CV:笹本優子)
アラジンガー(CV:中田譲治)
フーミン(CV:津村まこと)
アンゴラ(CV:金子恭子)
ナイロン(CV:沢海陽子)
リリー(CV:後藤真寿美)
サンディ(CV:松倉羽鶴)
ケン(CV:柏倉つとむ)
メリー(CV:岡村明美)
コール(CV:石田彰)
トラック配送員(CV:並木佳道)
スリーピー(CV:半場友恵)
スリーピーの父(CV:坂東尚樹)
モノクロ(CV:塩谷浩三)
セピア(CV:雪乃五月)
トイノドン(CV:柴本浩行)
フンゾー(CV:平尾仁)
ドリーム(CV:一条和矢)
ステラ(CV:竹田えり)
リップル(CV:岩坪理江)
ポセ(CV:大本真基子)
ミケル(CV:浅川悠)
バンバンジー
サンカンオー
ウラメシヤン(CV:塩屋翼)
エーコ
ビーコ
シーコ
カメニック
トップスピン
キアド▽
トビデルン
ルーメン(CV:塩沢兼人)
メチャクッサー
カンプーン(CV:くじら)
タクロース
ドリアン(CV:塩屋浩三)
チワッキー
▽泉の番人
マグマダイチ
カナヅッチー
ポーラボーラー
スナノウミ
ハチマッキー
オカサーフ
リミッター
ワット
サンダール(CV:龍田直樹)
トレイダー
ビリビリマン
テルマッツ
テレマッツ
テン・チョー(CV:長島雄一)
フトント(CV:松尾銀三)
パッパラチッチ
カーメーン(CV:稲葉実)
トーイ
マリ夫
フリザベート
エコノミザウルス
ヒショチョウ
カモネギー
イッパツヤーン
タツ
ヒロ
オヤッサーン
ゼロワン(CV:安達忍)
ツボヤッキー
ドンタコス
ロッドマン
キーパー
アンコクダー
主題歌
OP
「ひとつのハートで」
「POWER OF DREAM」
作詞・作曲 谷脇仁美 / 編曲 萩谷光雄
ED
「BOYS BE AMBITIOUS」
作詞 康珍化 / 作曲 立花瞳 / 編曲 萩田光雄
「がんばって」
作詞 康珍化 / 作曲 立花瞳 / 編曲 萩田光雄
歌 三重野瞳