化け狸とは、日本の妖怪の一種である。
概要
猫又や妖孤と同じく、歳を経て妖力を身につけて人を化かす力を得た狸のこと。
妖狸(ようり)などともいう。
日本では古くから狸は狐と共に別のものに変身できる「変化」や人間に幻覚を見せる、人に憑依するなど、不思議な特殊能力(幻術や魔法や狸火等)を使えると信じられてきた。
昔話では当たり前のように人間や他の動物を化かしたり、化け比べで勝負し、各地に様々な化け狸にまつわる伝承が多く残されている。
文福茶釜や狸囃子などは有名で、佐渡の団三郎狸や四国の隠神刑部など名の知れた化け狸も多い。
特に四国では、起きる怪異のほとんどを狸に関連付ける思想があり、名のある化け狸を祀って守り神として崇める風習があった。現在でも、四国ではそうした伝承を残す寺社仏閣が存在する。
しかし、狐と比べてこっけいなイメージが強いせいか、どこか間抜けなオチがあったり、それほど凶悪な悪さをしない事が多い。また「狐の七変化、狸の八変化、貂の九化け、やれ恐ろしや」といわれ、狸の方が変化は一枚上手とされる一方、狐は演技力も用いて巧みに抜くのに対し、狸は単に化けておどかすのが好きだともされる。
信楽焼きの狸のように陰嚢が大きく描かれる場合があり、さらにはその皮を広げて床などの大きなものに化けさせることがあると言う(狸の金玉八畳敷)。
明治期に各地の鉄道に出没した「偽汽車」も狐や狸の仕業と噂されていた。
著名な化け狸
関連タグ
化け狸に関連のある作品/キャラクター
- 平成狸合戦ぽんぽこ(スタジオジブリのアニメ映画作品)
- 刑部狸や団三郎狸を含む八百八狸、竹切り狸、たんたん坊など(たんたん坊は、『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに登場する妖怪城の主。厳密な化け狸というよりは、狸変化がモデルとなった妖怪。)
- 二ッ岩マミゾウ(『東方Project』のキャラクター、佐渡の団三郎狸と関連あり)
- 渡狸卍里(藤原ここあの漫画『妖狐×僕SS』の登場キャラクター、豆狸の先祖返り)
- 我愛羅(『NARUTO』の登場人物。尾獣のひとつである一尾の化け狸・守鶴の人柱力)
- 有頂天家族(森見登美彦原作、P.A.worksアニメ化の作品)
- 信楽(遠藤ミドリの漫画『繰繰れ!コックリさん』の登場キャラクター)
- ぶんぶく茶ヶ丸(『妖怪ウォッチ』のボスキャラ)
- 狸ヶ原ぽん子(『イナズマイレブンアレスの天秤』の登場キャラクター)
- 信楽こゆず(『ゆらぎ荘の幽奈さん』に登場する化け狸の少女)
- 魔奴化(奇々怪界シリーズ)
- ポコ(うどんの国の金色毛鞠)
- 大黒亭まめだ(うちの師匠はしっぽがない)
- 青狸 (こう呼ばれることも…。)