概要
元ネタは1989年に公開された怪獣映画『ゴジラvsビオランテ』における黒木翔三等特佐の台詞。
自衛隊はゴジラの本土上陸阻止に失敗し、切り札として用意していた抗核エネルギーバクテリアをサラジア共和国の工作員に奪取されてしまう。更に箱根の芦ノ湖には未知の怪獣ビオランテが出現し、ゴジラと対決を始めてしまった。
この予測不能の状況下、山地統幕議長は思わず「一体どうなるんだ?」と呟きを漏らしたが、それに対して黒木特佐はただ一言、「勝った方が我々の敵になるだけです」と返答した。
いや、まったくごもっともです。
なお、黒木特佐自身は、怪獣が2体現れたことに絶望していたわけではなく、「どちらが勝とうが倒すだけ」といったニュアンスで発言している(実際、別のシーンで「私の仕事は敵に勝つか、負けるかです」とも発言している)。
また、この映画のキャッチコピーの1つに、「勝った方が人類最大の敵になる」というものがあったりする。
そして時を経た2018年(平成30年)、『GODZILLA』の前日譚として執筆された小説「プロジェクト・メカゴジラ」においても、劇中の登場人物がゴジラとメカゴジラが戦っていれば、勝った方が我々の敵になってたんじゃないのかとの危惧を漏らしている(実際にはメカゴジラは起動しなかったが、彼の危惧は概ね正しかったことが明らかになっている)。
あと、2014年の新ハリウッド版『GODZILLA』では芹沢猪四郎がゴジラおよびMUTOの二種を指して「戦わせましょう」と発言しており、これは端的に言えば「人類にはもうどうしようもできないので自然の摂理に任せよう」というニュアンスの言葉であるが、その語感と意味合いから一部でネタにされることもあった。
用法
pixivにおいては、夢の対決タグの一種として用いられることが多い。ただ、有名ヒーロー同士若しくは有名ヒーローと有名敵キャラクターの対峙する様子を描いた「夢の対決」とは異なり、人類に仇為す者同士の対決が描かれているというのがポイント。つまり、どちらが勝ったとしても人類に対する脅威は完全に消え去らず、人類にとっては絶望的な結末しか待ち受けていない…ということである。
元ネタが怪獣映画における台詞だったためなのか、このタグの設定されているイラストは怪獣同士の対決を描いたもの(特にコイツとアイツ)が多い。
……まぁ、後者は基本的に人類の味方なので、よほど人類が何かやらかさない限り勝ってくれれば一安心、となることが多いのだが…(とは言え、戦いの巻き添え食って大量に死者が出たこともあったので、その場合は素直にそう言えるかは……)
シミュレーションゲーム『ゴジラ列島震撼』(セガサターン)では、MAP上で暴れる複数体の怪獣を倒すために「戦車や戦闘ヘリなどの貧弱なユニットで怪獣を誘導して対決を誘発し、生き残った方にトドメを刺す」戦術が基本なので、このゲームをプレイすれば黒木特佐の心境が理解できるかもしれない。
同人動画
このように動画という形でこのシチュエーションを表現する者もいる。
ただ、有名キャラクター同士の勝ち負けを決める以上、どちらが勝っても不満を持つ者がおり、作品を成り立たせるために本来の設定を無視している部分もあるので、あくまで一ファンが作った二次創作として楽しんだほうが良い。
他の動画集
関連イラスト
関連タグ
怪獣 怪獣映画 ゴジラvsビオランテ ゴジラVSガメラ 黒木特佐
エイリアンvsプレデター - 1作目のキャッチコピーが「どちらが勝っても、人類に未来は無い」
貞子VS伽椰子 - 「バケモノにはバケモノをぶつけんだよ!」
巨影都市 - 例え正義の存在でも迷惑がられる場面がある。
勝手に戦え! - 似て非なる何か。君らよそでやってくれ。