概要
(不意の)落下事故などを防ぐことを目的に設けられている。
地方では新幹線を除き珍しいので修学旅行で驚かれることもしばしば。
メイン画像は天井まで仕切られたタイプ。海外の路線では天井までか、首の高さ程度まであることが多い。
しかし日本での主流は約半分の高さのみをカバーするホームゲートタイプ。不意の落下事故を防ぐという目的ではこれでも十分であるためである。車体ラッピング広告の効果が薄れる、バブル崩壊後に普及したため予算が無いという裏事情も。まさか撮り鉄が電車を撮れるようにという温情ではない、多分。2021年の京王線放火事件では脱出がしやすいという意外な利点が見つかった。
ただやはり中途半端な感じは否めず、頭を出している場合即死してしまうため、ホームドアがあるのに警報音を鳴らすという本末転倒な状況になっている路線もある。
仕切りがあることでホームの端だということをつい忘れがちだが、くれぐれも手や顔を出したりしないように。
▼以下が天井まで仕切られていないタイプ。
東日本と西日本で閉め方が違う。東日本は電車ドアと同時で閉め、西日本は別々で閉める事が多い。
撮り鉄の悩み
天井まで仕切られるタイプは世界的に新しい路線で採用されており、日本では新交通システムを中心に数例がある。
ただ鉄オタ的には撮影が難しくなるという問題がある。例えばこのために京都市交通局の50系車両は写真撮影が日本一困難という弊害を起こしている。
逆に言えば罵声大会対策として使えるかもしれない。
他のデメリットとしては、
- 設置に多大なコストがかかる(最大の問題)。
- 停車位置がずれると遅れが発生しやすい。
- ホームドアの規格に合った車両しか使えない(ローブ式で多少は解決可能)。
- 半分タイプの場合、かえってプラットホームが狭くなる。
- 転落事故は防げても、ドアに挟まれる事故が発生しえる。
- 乗降時間の増大につながる(特に駆け込み乗車による再開閉)。
保安装置
停車位置がずれないようにするために、線路側や車両側に保安装置が取り入れられている。
- 自動列車運転装置(automatic train operation:ATO)
- 地上の線路に設置されている地上子から地点情報を受信し、列車速度情報と照らし合わせ、車両側の車上装置にあらかじめ記録されている駅間距離情報や運転パターンに基づいた運転を行う。無人運転のタイプと運転士が乗務するタイプがある。運転士が乗務する場合ドアの開閉は運転台の横で行う。
- 新交通システムのほとんど、札幌市営地下鉄、仙台市営地下鉄、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・有楽町線・副都心線・南北線、都営三田線、都営大江戸線、Osaka Metro長堀鶴見緑地線・千日前線、福岡市地下鉄、ドバイメトロ、パリメトロ14号線、サンフランシスコのBARTなどで採用。
- 停車駅に近づくと、ブレーキパターン制御を開始する地上子から停車位置にある定位置停止地上子までの距離を受信し、列車はブレーキパターン制御を開始。その後2つある地上子から残りの距離情報を受信し、列車側が記録している残り距離との食い違いを補正、速度と正確な距離に基づいてブレーキをかける。停車位置の地上子に列車が停車すると、目標の許容範囲を超えてずれている場合は位置修正、目標位置であれば車両側で転動防止ブレーキをかけ、列車の運行番号、行き先などの情報を地上に送信する。その後車両側の指令でホームドアが開き、車両のドアも開く。運行管理システムから出発指示が出て、ホームドアと車両のドアのどちらもすべて閉まったことをなど条件がそろうと、列車は出発できる。出発後は自動的に目標速度まで加速、そのままの速度で運転を行い、次の停車駅に近づけば自動で止まる。
- 定位置停止装置(train automatic stop-position controller:TASC)
- 運転士の技量に依存
- 車両のドアに貼られたバーコードを、駅に設置された読取り機で停止位置のズレの大小を判別して、ホームドアを「開」にする方法。(車両側は、ホームドアの動作を確認した車掌が「開」操作する)
- 都営浅草線