幻獣ハヌマーン拳シュエン
げんじゅうはぬまーんけんしゅえん
「野郎共、町中で悪戯だ! 人間共に、悲鳴と絶望のクリスマスプレゼントをくれてやれ!」
CV:柴本浩行
概要
幻獣ハヌマーン拳の使い手で、コウと共に四幻将のスウグに仕える双幻士。
東南アジアの民族が纏う鎧に身を包んだ猿の獣人のような姿をしており、頭部と両肩、両大腿部に炎の意匠が見られる他、胸部にも同じくハヌマーンの顔がある。ちなみに口元はマスクのような覆いをしているが、よくみると牙が4本。
如意棒を思わせる棍棒で武装している事からも分かる通り棒術の達人で、後述の能力も相まってまるで孫悟空を思わせる。
幻獣ハヌマーン拳は猿のような幻獣「ハヌマーン」を手本とし、無数の分身を統率して戦うとされる。さらに攻め手や回避技もある分攻守のバランスが良くなかなか多芸。
分身には皆微妙に異なる性格や個性を持たせる事が可能で、これによって相手は普通の分身以上に本物を識別しにくくなりより翻弄できる。
が、実は戦闘中に自身が分身なのか本体なのかこんがらがってしまう癖があり、意外にマヌケな一面もあるようだ。
そんな奴なのでやはりというか性格は非常に不真面目で終始ふざけた態度を取る上、ノリが軽く悪戯好き。
同じくスウグの双幻士であるコウとは文字通り犬猿の仲を地で行く間柄で、顔を見合わせる度に取っ組み合いの喧嘩をしているが、実質ロンの操り人形で自我を持たないスウグに対する忠誠心は全く無く、露骨に見下している点は一緒である。
使用ゲンギ
- 毛猛分身変(もうもうぶんしんへん)
頭髪を抜き、息吹を吹きかけることで沢山の実体を持った分身を作り出す。所謂分身の術。
分身は本体と遜色ない能力を発揮し、少しずつ性格も異なるため識別は困難。
- 天軸転(てんじくてん)
背中に背負った伸縮自在の棍棒を湾曲させながら振り回し、複数の標的に打ち付ける。
元ネタは言うまでもなくインドの古称天竺。
- 大猿回(だいえんかい)
身体の柔軟性と俊敏性を最大限に発揮し、舞いながら相手の攻撃をことごとくかわす。
名前の由来は大宴会+猿回しだろう。
- 爆炎彩遊鬼(ばくえんさいゆうき)
背中に背負った棍棒から、強力な火炎を放つ。
由来はそのまんま西遊記。
活躍
クリスマスに浮かれる街に出現し、ゲキレンジャーと交戦。毛猛分身変で性格の異なる分身を大量に産み出して翻弄する。
だが気合で過激気を習得したゲキチョッパーの鋭鋭過激気斬・クリスマススペシャルを受け敗北。
直後に幻身豪天変で巨大化し、巨大戦ではゲキレンジャー側の3体のロボを素早い動きで圧倒するも、サイダイオーのゲキワザ・大氷塊山で凍らされ、そのままサイダイゲキファイヤーのファイヤー砕大突撃を喰らって爆散した。
余談
モチーフはインド神話に登場する猿神ハヌマーン。そして山海経に登場する朱厭(しゅえん)。
原典の山海経(西山経)の記述では、「獣がいる。そのかたちは猿のようで白い首と赤い足を持ち、名は朱厭という。これが現れると大戦がおこる」とあり、相当恐れられた存在である事が窺える。
また、他の幻獣拳の幻獣がギリシャ神話等に見られる西洋の出典なのに対し、ハヌマーンはインド神話で東アジアとそれ以外のモチーフとなった。なおハヌマーンは西遊記の孫悟空のモデルとされており、劇中での彼の棒術や毛で分身する能力はそれを彷彿とさせる。
ちなみに日本では赤い通り魔のパチモン兼劣化版として有名である。
干支のモチーフは言うまでもなく「申」。
声を演じた柴本氏は『特捜戦隊デカレンジャー』のスマスリーナ星人ニカレーダ以来、3年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。
彼の好きな言葉である「猿は人間に毛が三本足らぬ」とは、猿は利口そうに見えるが、人間より毛が三本少ないから知恵もそれだけ足りないという意味。「三本」は「三筋」とも言う。
幻獣拳の使い手であるという事は、彼もまたロンによって「血盟の儀式」を受けて自身の臨気と幻気を融合させる手続きを行った元臨獣拳士である事は間違いなく、鞍替えする以前は臨獣モンキー拳の使い手だったのだろう。
同じくサル類の動物モチーフである臨獣バブーン拳ヒヒとの接点は不明。