「はっは〜ん。貴様が世間を騒がせてるって快盗か。このザルダン様に渡り合えると思ったら大間違いだぁ!!」
「誰だ貴様? 俺が会いたいのは警察じゃねぇって言ってんだろぉ!!」
データ
身長/192cm(巨大金庫身長/48.0m)
体重/211kg(巨大金庫体重/527.5t)
犯罪歴/営利誘拐
犯罪技/ザルダン流・凶棒術
ルパンコレクション/「元気になる装置~La machine d’endorphin~」、「煙が目にしみる~La fumée t’embrouille les yeux~」
概要
サルに似た姿で、頭骨に似た顔に、目と耳と口にあたる部位には歯を剥き出しにしたサルの口、胸と背中には金庫を支えているように見えるサルの手が飛び出たおぞましい風貌を持つ。胴体や膝上、鬣にサルの歯の意匠があり、肩と二の腕にかけてはマンドリルの顔になっている。歩き方が独特。
先端部がネジとボルトの意匠になった制天如意棒『ザルダンボー』を使っての犯罪技「ザルダン流・凶棒術」を会得(※最初から他者を傷付ける目的で研鑽した物の為、断じて武術では無い)しており、それを使って激しく相手を攻め立てる武闘派。ザルダンボーの先端からは電撃やエネルギー弾も放てる(ボルトからボルト(電撃)を放つと言うシャレ)。
好戦的な分短気な性格で、サルらしく「ウッキ~!」が口癖。人間界では少女等の無力な人間を攫い、親等の保護者へ身代金を要求する営利誘拐を重ねており、身代金を手に入れた後は、口封じとばかりに利用した人間を残らず抹殺していた模様。
そして、彼はこれまでのギャングラー怪人と違い、デストラやザミーゴと同じく身体に2つの金庫を備えた『ステイタス・ダブル』と呼称されるギャングラー怪人の一体である。
ルパンエックスに胴体側の金庫のコレクションをあっさりと盗られてしまった際、ドグラニオから「お前ほどの奴がやられるとは。よほど腕の立つ野郎なんだな」と呟いていたことからギャングラー怪人の中でも相当の実力者であったことが窺える。金庫の位置は胴体と背中にあり、暗証番号は胴体の方は「721」、背中の方は「591」。
胴体側の金庫へ納めたパワーブレスのルパンコレクション「元気になる装置~La machine d’endorphin~」の力で生命エネルギーを高め、攻撃力を増強する事が可能。更に、背中側の金庫へ納めた香炉のルパンコレクション「煙が目にしみる~La fumée t’embrouille les yeux~」の力で乗り込む事が出来る雲を生成、それに乗る事で空中を自在に移動する能力も得ている。
活躍
深夜の望原市の無人駅で、営利誘拐した女子高生の松島亜希子の父親の茂が持って来た身代金を受け取る。それで目的を達するや配下のポーダマンと共に松島親子を始末しようとするが、突如駅ホーム内に現れたエックストレインにポーダマンを撥ね飛ばされてしまう。
そこでエックストレインから降りて来たルパンエックス相手に交戦するが、攻撃を与えてもルパンエックスの頑丈なボディと身のこなしで全くダメージを加えられない。そこで胴体側のルパンコレクションの力を使ってエネルギーを高めてパワーアップし起死回生を狙うも、自慢げにコレクションの力を語っている隙にルパンエックスは接近。金庫にバックルを当てられ解錠、ルパンコレクションを盗られてしまう。
この事態へ「キィー!?しまった!戦う前に盗られただと……」と消沈しつつも、自身の不利を悟ったザルダンはすぐに背中側のルパンコレクションを使用。体を雲で包んで上空に飛び撤退する。
その後、新たな快盗が現れた事を報告する為、異世界犯罪者集団ギャングラーの本拠である洋館に赴き幹部達と面会。そこでルパンコレクションを一つ盗られた事も知られ、ゴーシュから「ウフフ…残りのお宝まで盗られないといいわねぇ」と嫌味を言われるも「当たり前だ!」と切り返す。
そしてその言葉通り、ルパンエックスを誘い出すべくポーダマンを引き連れ街中へ出現。程無くパトレンジャーが現れるも、それへ付いて来ていた高尾ノエルはパトレンジャーを制止しパトレンエックスへ警察チェンジ。
目的のルパンエックスではなく立て続けに警察が来た事に怒り、ザルダンボーから電撃を放射するも軽々とかわされて、そのままパトレンエックスと交戦、そしてパトレンジャーも警察チェンジし、パトレン1号はパトメガボーを構えて名乗りを拡声して存在をアピールしつつ、パトレンエックスに加勢し戦いに参加。
更に高所から様子を窺っていたルパンレンジャーまでも参入してレッドの放ったワイヤーでザルダンは足を取られて転倒、そこを押さえ込まれ金庫をダイヤルファイターで解錠される。
ところが解錠した金庫は胴体側だったので中身は既に空。その事と相手がもう一つ金庫を持っているのにルパンレンジャーが驚いている間に、ザルダンは背中側のルパンコレクションを発動、生み出した雲に乗って空中を飛び回りつつザルダンボーから電撃を放ち両戦隊を追い立てる。
しかしパトレンエックスは電撃を弾き飛ばして怯まず、更にそこからルパンエックスへ快盗チェンジ。ようやく本命のルパンエックスになったことに喜び、「たっぷりといたぶらせてもらうぜ!」と果敢に向かって行くも難無くいなされて圧倒された上で近くの建物へ叩き付けられる。そして直後、相手へ背中を見せて落下した事で金庫に解除装置を当てられ解錠、もう一つのルパンコレクションも盗られてしまう。
それを何とか取り返そうとするもあえなく突き飛ばされてしまい、そのままスペリオルエックスを喰らって「ウッ、ウギャ~ッ!」と叫び敗北。
その光景を洋館内で見物していた幹部達だが、L/Pエックスの実力にデストラは「この男、やる…!」と脅威を感じたのに対し、ドグラニオは「また面白い奴が現れたもんだ」と鷹揚ながらも敵意を滲ませる言葉を放ちすぐさまゴーシュへ命令。彼女が施した巨大金庫でザルダンは「ウゥ、ウッキ〜!!」と叫んで復活、同時に「ボスがもっと見たいんですって。頑張って」とゴーシュに(ハッタリを)言われ奮起。
「銀色の快盗、俺のコレクションを返しやがれぇ‼︎」と奪われた腹いせにルパンエックスに向けてザルダンボーから電撃を放つ。
これに対しルパンエックスはエックストレインを召喚して対抗。ルパンレンジャーもダイヤルファイターを召喚、程無くふらっと現れたグッドストライカーの力も借りルパンカイザーを繰り出す。
だが近距離戦を得意とするザルダンは怯まず、逆に犯罪技でルパンカイザーを圧倒。だが対抗してエックスはエックストレインシルバー・ゴールドの攻撃で援護、それを受けて怯んでしまう。
そしてその隙にエックスから新たなVSビークルを貸し出されたルパンレンジャーはエックストレインファイヤー・サンダーを召喚、換装させてルパンカイザートレインズを完成。それが放つ猛火と電撃の波状攻撃に押し込まれてしまう。
最後はルパンカイザートレインズの『グッドストライカー燃え尽きちまえファイヤー』とエックストレインの『エックスガトリングストライク』を同時に喰らい、「遂にこの世から去る(サル)!ウッキ~ッ!!」とボスの期待を裏切った事を悔やむ言葉を残し爆散した。
余談
名前はフランス語で『庭』を意味するザルダン(ジャルダン・jardin)と、中国の幻獣・鵬から。
前者は、故郷のフランスにある国際警察本部と言う『庭』から出て来たノエル=L/Pエックスの初対戦相手である事に因んだと考えられる。一方、ザルダンは明らかに西遊記の主人公・孫悟空をモチーフとしているが、この西遊記の敵役の一人として鵬が登場している。
また、腕や頭が沢山あるようなデザインをしているのは、恐らくは孫悟空が使う妖術の一つ・三面六臂の術(多腕・多頭の巨人に変化する術)がモチーフだからだと思われる。
ギャングラー共通の骨の意匠は顔。サルの顔が飛び出た頭蓋骨と言う良くも悪くも目立つデザインな為にどうにも印象に残るが、日光東照宮の物が有名である『三猿』をモチーフに取り入れており、ちゃんと目、鼻、口部分に猿の顔がある。
デザイン自体は初期に描かれたが、あまりにもカッコいいデザインのため出し惜しみされ、ノエル初登場回にて主演と相成った。また、デザイン画の時点ではステイタス・ダブルではないため、背中の金庫はデザイン画の時点では描かれていない。
ルパンコレクションのモチーフは「元気になる装置~La machine d’endorphin~」の方は超電子バイオマンのテクノブレス、名前の由来はプリンスの『エンドルフィン・マシン』からと思われる。
「煙が目にしみる~La fumée t’embrouille les yeux~」の方は五星戦隊ダイレンジャーの星獅子。ザルダンのモチーフや能力、コレクションの力を合わせて考えると天空気殿のオマージュと思われる。名前の由来はガートルード・ニーセンの同名の楽曲から。
声を演じた千葉氏は『天装戦隊ゴセイジャー』のマッハのズテルS以来、8年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となった。
スーツアクターの矢部氏は、前年の宇宙戦隊キュウレンジャーでヘビツカイシルバーを演じた。奇遇にも相手を務めたルパンエックスのパーソナルカラーは同じシルバーな上、もう一つの姿であるパトレンエックスのパーソナルカラーはヘビツカイシルバーの相棒と同じゴールドである(因みに相棒の中身の人はパトレン2号を演じている)。
暗証番号の1つである「721」については、かつて千葉氏が演じたウルトラセブン21から取られているのではないかという説がある。もう1つの暗証番号の「591」はモチーフの1つの孫悟空の語呂合わせ(ご(5)く(9)う(1))と思われる。
関連項目
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 異世界犯罪者集団ギャングラー ギャングラー怪人
鳳ツルギ/ホウオウソルジャー:昨年の同時期に搭乗した追加戦士。ザルダンの下の名の由来である鵬は『おおとり』と訳される場合があり、姓のネーミングが被っている。
ボー・ガルダン:『超新星フラッシュマン』に登場した、名前の似た準幹部。
サルガミ、上級妖怪ヌエ:撃破時の台詞が似ている猿モチーフの戦隊怪人。
幻獣ハヌマーン拳シュエン:『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に登場した、同じく棒術を武器に戦う猿モチーフの戦隊怪人。能力も孫悟空を思わせる点も共通。
クロウイマジン:頭部パーツのデザイン路線が一緒。こちらも一度見たら忘れられない。