「へっ、お前等を採点するならテクニックゼロ!パワーゼロ!!みっともなさ"だけ"MAXだぜ!!!」(修行その44)
データ
身長 | 212cm(幻身豪天変時:57.2m) |
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体重 | 91kg(幻身豪天変時:24.5t) |
好きな場所 | 地獄 |
好きな食べ物 | 骨 |
好きな言葉 | 「犬になるなら大家の犬になれ」 |
CV | 安井邦彦(臨獣スネーク拳ブラコも担当) |
登場話 | 修行その43「ハピハピ!メリークリスマス、押忍」、修行その44「ワフワフ!父ちゃんのメロディ」 |
概要
スウグに仕える双幻士で、ケルベロスを手本とする「幻獣ケルベロス拳」の使い手。
胸部にある犬の顔はケルベロスを模して3つあるが、包帯でぐるぐる巻きの全身にジャッカルのような顔を持出で立ちはエジプト神話のアヌビスを連想させる。
ちなみに臨獣スネーク拳ブラコの実弟だが、かつてメレが彼を殺したことに対しては「どうでもいい」と答える等、兄弟仲は相当悪かったらしい。
ただ初対面時にメレに蹴りを入れたり、「兄の仇」と称して彼女を不意打ちしようとしたりしたあたり彼なりの強がりとも取れるが真意は不明。
また野心家であるところも兄とそっくりであり、ブラコが理央を暗殺して臨獣殿のトップに成り代わろうとしたのに対し、こちらはスウグを蹴落として新たな四幻将に取って代わろうと目論んでいた。
スウグが自我を持たないのを良い事に普段から「木偶の坊」呼ばわりしてあからさまに見下す等、忠誠心は皆無。同じくスウグ配下の双幻士であるシュエンとは仲が悪く、文字通り「犬猿の仲」。
なお双幻士は言動に何かしらの共通点を持つのだが、コウとシュエンの場合は共に「スウグを完全に見下していて忠誠心が皆無」という点が該当する(なお、スウグを見下していた理由は後に明らかになる)。
戦闘能力
ケルベロス拳は幻気によって作り出した首輪を飛び道具として使う獣拳で、投擲した首輪は自在に軌道を変えられる。加えて首輪にはリンリンシーに匹敵するチカラが宿っており、激気を吸い取る事もできる凶器。
挙げ句そんな代物を無数に生成する事すら可能なため、これを食らった相手は大勢の臨獣拳士に袋叩きにされるのに等しい。
- ゲンギ
迅愚流(じんぐる)
首輪を人々の首に嵌めて激痛を与え、悲鳴と絶望を搾り取る。
多芸なシュエンに対してコウの使ったゲンギはこれだけだが、単に披露する機会がなかったのか、ケルベロス拳のゲンギがこれ単品なのかは不明。
そもそもこの技自体にケルベロスの要素はないような気もする……
活躍
修行その44で四幻将への昇格を目論むコウは、自分の兄を殺したメレから悲鳴を集めてはどうかと言われ、その気になって街へと繰り出した。
そうして人々に首輪をはめて悲鳴と絶望を集めていたところに、例によってゲキレンジャーが駆けつける。だが、駆けつけたのがラン、レツ、ケンのたった3人だけであることに「ん? 3人? 少なくねェか!?」と指摘して首を傾げる。実はこの時、残りのゴウは天地転変打を修得する修行、ジャンはスウグを救うべく別行動していたために3人しかいなかったのである。
しかしケンは「フン!てめぇみてぇな奴、3人でも多過ぎるぜ!」とケンが啖呵を切って変身、交戦となった。
最初は3人に迅愚流を嵌め、激気を吸い尽くして弱体化させたことで圧倒。調子に乗って上記の台詞まで吐く始末だったが、ケンは堂々と「ふざけるんじゃねぇぞ!俺のカッコ良さは無限大だぜ!!」と返し、その言葉と共に気合で激気を高ぶらせた3人の三算斬を受けあっさり敗北する。
直後に巨大化してサイダイオー相手に迅愚流を投げて応戦するも、結局は大大砕大斬りを受けてあっけなく敗北。上記の台詞は自身に対するブーメラン発言となってしまった。
余談
幻獣のモチーフはその名の通りケルベロス、そして名前の由来は古代中国の地理書「山海経」に登場する犬のような妖怪「狡(コウ)」。幻獣拳士はいずれもこの本に記された妖怪の名前が由来で、十二支がモチーフという点が共通するが、コイツはもちろん「戌(いぬ)」。迅愚流(ジングル)はその名の通りジングルベルが元ネタ。登場回がちょうどクリスマスの時期だったことからのチョイスだろう。
狡という妖怪は「獣がいる。そのかたちは犬のようで豹の文(模様)、その角は牛のよう、その名は狡。その声は犬がほえるようで、これが現れるとその国は大いにみのる。(西山経三の巻)」とあり、ここから五穀豊穣を司る瑞獣である事が窺える。スウグはまだしも他の連中は人食いや災禍の前兆というろくでもないバケモノばかりの中で結構珍しいパターンである。
また、ケルベロスだけでなく冥府つながりでアヌビスもモチーフに取り入れられている。というかビジュアルだけなら「幻獣アヌビス拳」とでもいった方がしっくり来る。
なおギリシャ神話では「トリカブトという花はケルベロスの唾液が垂れ落ちた地面から生えた」という伝説がある他、「ケルベロスの尾は大蛇で、首筋にもたてがみのように毒蛇がうごめいている」とされることからブラコの弟という設定は毒と先述の蛇つながりから来ていると思われる。またケルベロスの頭が3つあるのは古代ギリシャ人の死生観(死と再生)を反映したものとされ、兄のブラコは「死者に"死"を与えて蘇らせる」秘伝リンギを持ち、上役のスウグも「本来は死んでいるが、仮初の命を与えられ甦った」とそれぞれに「死と再生」に関する設定がある。
幻獣拳士共通で十二支も「戌(いぬ)」。迅愚流(ジングル)はその名の通りジングルベルが元ネタ。登場回がちょうどクリスマスの時期だったことからのチョイスだろう。
好きな言葉「犬になるなら大家の犬になれ」とは、どうせ下につくなら有力者や仕えるに相応しい相手選べ、という意味の慣用句。大家の読みは「おおや」ではなく「たいか」。
現に臨獣拳に属していた兄に対してこちらは幻獣拳所属である。
また、幻獣拳士は臨獣拳を極めて獣の力を超えた者がロンを介して自身の臨気と幻気を融合させる「血盟の儀式」を経て誕生するとされる。
理央とメレ(とスウグ、ロン&サンヨ)以外の幻獣拳士達が元々何の獣拳使いだったのかは不明ながら、臨獣拳士としての彼は臨獣ドッグ拳、もしくは何かしらのイヌ科動物の獣拳の使い手だった可能性は十分にある。(なおイヌ科動物としては激獣拳にウルフ拳のゲキバイオレット、臨獣拳には臨獣フォックス拳ツネキがおり、コウの登場によって激獣拳、臨獣拳、幻獣拳の全てにイヌ系の獣拳士が登場したことになる)。
しかし臨獣ライオン拳を極めていることが条件である幻獣グリフォン拳はともかく、元々カメレオン拳のメレはフェニックス拳、ホワイトタイガー拳(白虎拳)だったダン(=スウグ)はキメラ拳、と共通点を見い出せない組み合わせになっているため、幻獣拳士は純粋なグレードアップとは限らないのかもしれない。
野心家なのに?
野心家といえば普通はトップを狙いにいくものだが、コイツが狙ったのはすぐ上の四幻将だった。
というのも幻獣王はロンの暇潰しで世界滅亡を代行させられる傀儡に過ぎず、四幻将の地位も、そもそも「幻獣拳」という流派自体もロンのでっち上げ。なので双幻士に甘んじていようが、幻獣王や四幻将に成り上がろうが同じことだが、やはりスウグの下に置かれているのは不本意だったのだろう(「犬になるなら大家の犬になれ」という言葉にも掛かっている)。
関連リンク
幻獣ハヌマーン拳シュエン:犬猿の仲を地で行く双幻士の相方。
幻獣キメラ拳スウグ:彼の主(形だけの)。
他作品の関連キャラクター
ドギー・クルーガー/デカマスター:こちらも地獄の番犬の異名を持つ。
火炎サイマ獣ヘルゲロス:『救急戦隊ゴーゴーファイブ』に登場したケルベロス繋がりの先輩怪人。
ケルベロスマイナソー:12年後に登場した純粋なケルベロスモチーフの怪人の後輩。こちらは主人公の名前が「コウ」。