賢者の孫
けんじゃのまご
概要
小説版はファミ通文庫から書籍化されている。イラストは菊池政治。既刊は14巻。
ヤングエースUPにてコミカライズも連載中である。ComicWalker、ニコニコ漫画でも配信されている。
作画担当は緒方俊輔。既刊は16巻。
『賢者の孫 Extra Story』のタイトルで、シンの育ての親であるマーリン、メリダの若かりし頃を描いた外伝作品も書籍化されている。全2巻。
こちらも、ヤングエースUPにてコミカライズされている。作画担当は清水ケイスケ。
他に、『賢者の孫SP おうじょさま奮闘記』も刊行されている。
小説は全1巻だが、コミカライズ版ではその後が描かれており、現在もヤングエースUPで連載中。
登場人物
シン=ウォルフォード(CV:小林裕介)
主人公。前世は普通のサラリーマン(社畜気味)だったが、交通事故で死亡。
今世の家族は全て魔物に殺されており、唯一生き残ったのが赤ん坊だったシンである。その時にマーリンに拾われた。
前世の現代日本の知識を活用している上に、人里離れた森の奥で育てられたため、世間知らず。
図らずしも、魔法使いの精鋭チーム「アルティメット・マジシャンズ」を結成し、度重なる戦功を重ねたために「魔法使いの王」(略して魔王)と称されるように。
マーリン=ウォルフォード(CV:屋良有作)
シンの育ての親で元夫婦。かつてアールスハイド王国を滅ぼしかけた魔人を討伐したため、マーリンは賢者、メリダは導師として英雄視されている。
シシリー=フォン=クロード(CV:本泉莉奈)
ヒロイン。マリアと共に悪質なナンパをされていたところをシンに助けられたのが出会いの切っ掛け。
シンとは互いに一目惚れ。後にシンとは婚約者同士に。
心優しく穏やかな性格だが、焼きもちやきで起こると怖いタイプ。
クロード子爵家の令嬢で父親は財務局の管理官。
アールスハイド王国の第一王子。愛称はオーグ。
シンとは魔法学院での出会いを切っ掛けに親友になった。後にシンに鍛えられたSクラスの精鋭で『アルティメット・マジシャンズ』を結成、率いることになる。
王太子としての見識も人心掌握力もあるが、他人をからかって楽しむ愉快犯な面も。
マリア=フォン=メッシーナ(CV:若井友希)
シシリーとは親友。メッシーナ伯爵家の令嬢。
明朗快活な美少女で、消極的なシシリーを引っ張るタイプ。
後に「戦乙女」と呼ばれるが、男にモテない(というより碌な男が寄ってこない)ことを気にしている。
トール=フォン=フレーゲル(CV:志田有彩)
入試序列6位。フレーゲル男爵家の嫡男。ユリウスと共にオーグの護衛・側近役を務める。
実家は有名職人街を運営。年上幼馴染の婚約者がいる。
領地の関係でシンのオーバーテクノロジーな魔道具作製に頭を抱える事も多い。
ユリウス=フォン=リッテンハイム(CV:河本啓佑)
入試序列10位。リッテンハイム侯爵家の嫡男。
魔法使いらしからぬアメフト選手を彷彿とさせる屈強な体格の持ち主でトールと共にオーグの護衛・側近役を務める。
金髪碧眼の見た目に似合わず、一人称は拙者、「~で御座る」といった武士口調で話す生真面目な青年。
割と脳筋で身体強化魔法を得意とする。
実家は有名リゾート地を運営。許嫁がいる。
入試序列5位。小柄で元気な少女。自分の体格(小柄貧乳)を気にしている。
「授業が楽しみすぎて寝つけなくて寝坊する」などその見た目に違わず、精神年齢も割と幼め。
入試序列7位。父親は宮廷魔導師。
一見、眼鏡をかけた大人しそうな少女に見えるが、魔法のことになると暴走しがち。
入試序列8位。実家がホテルを経営している。おっとりセクシーな天然小悪魔系。
付与魔法を得意としており、メリダが憧れ。
入試序列9位。女の子が大好きなチャラ男系モテ男子。
そのため、代々騎士の家系でありながら、男女の比が嫌で騎士養成士官学院ではなく魔法学院に入学した。(騎士や剣士自体が嫌な訳ではない)
戦闘では剣術と魔術を併用することから「魔剣士」と呼ばれるようになる。
同時期に交際する女性を本命1人のみに絞っている。
2人ともAクラスだが、後に特例でSクラスに昇格。
マークの実家は「ビーン工房」という有名な鍛冶屋、オリビアの実家は「石窯亭」という有名な食堂を経営している。
工房は後にシンの武器を請け負うようになる。
2人は幼馴染で恋人同士。後に結婚して夫婦となる。
ミランダ=ウォーレス(CV:吉七味。)
騎士養成士官学院の生徒。
魔法学院の生徒とはいがみ合っていたが、合同訓練で力の差を痛感して和解した。
男にモテない繋がりでマリアと仲良くなる。
アールスハイド王国国王。オーグとメイの父。
学生時代に魔人との戦いでマーリンとメリダに救われた事で二人に憧れて弟子入りし、共に旅をしていた。
シンからは成人するまで素性を知られておらず、「ディスおじさん」と呼ばれ、親戚感覚で接している。
オリバー=シュトローム(CV:森川智之)
元ブルースフィア帝国出身で、「跡目争いに敗れ、命を狙われたため逃げてきた」という名目でアールスハイドに亡命してきた。
密かに人為的に人を魔人化させる研究を行っており、アールスハイド王国でも実験を行っていた。
元は心優しい帝国貴族だったが、それを疎ましく思っていた他の貴族の謀略で愛する妻子を失い、魔人化した過去を持つ。
魔人化に伴い人間らしい感情などは殆ど欠落しており、帝国への復讐を遂げた後は他国や他の魔人に対して無関心を貫いていたが・・・
カート=フォン=リッツバーグ(CV:増岡大介)
魔法学院Aクラスの生徒。父親は財務局事務次官でシシリーの父の上司に当たる。
中等部時代はシュトロームから個人指導を受けていた。
自尊心が異常に強く、身分を振り翳す事が厳禁とされる学院内においても平然と自身の家柄を鼻にかけて平民を見下す傲慢な性格。
入学早々シンに因縁をつけ、シシリーを無理矢理婚約者にしようとするが、それがオーグを経由して父親に知られて自宅謹慎処分となる。
その後カウンセリングと称して自宅を訪れたシュトロームの更なる洗脳によってシンに対する憎悪が暴走。学園に現れてシン達を襲撃し、魔人と化す。
それでも尚シンに圧倒され、更に強まった憎悪のまま魔力を暴発させて学園ごとシンを吹き飛ばそうとするが、最終手段としてバイブレーションソードを使用したシンに討伐された。
序盤の悪役らしく選民思想を持った差別主義者として描かれているが、それはシュトロームによる洗脳によるもので、元々はプライドが高く自信家な部分こそあれど『貴族として民は守るべきもの』という意識を持った真っ当な性格だった。
実力に関して、シュトロームからは「元が弱い」、「魔人化してもあの程度」と酷評されている。
死後は遺族に対する扱いを憂慮したディセウムの計らいにより、魔人化した事については伏せられ、事件に関しては「突如現れた魔人をシンが討伐した」という内容で公表された。
イース神聖国教皇を務める妙齢の女性でマーリンとメリダの弟子の一人。
気さくで友好的な性格だが非常に聡明で、わずかな質問でシンの秘密を断片的ではあるが推測してみせるなどその一端が窺える。
かつてメリダに師事していた頃に二人の息子であるスレインと恋仲になるが、婚約して間も無く死別。
イースに帰国後も独身を貫いている。
マーリンの孫であるシンの事を我が子の様に可愛がっており、彼とシシリーの子供に対しては自分の事を「ばあば」と呼ばせようとする一面も。
エルス自由商業連合国大統領。マーリンとメリダの弟子の一人。
かつて行商人だった頃にメリダに師事し、独り立ちの際に譲り受けた魔道具の権利を元手に成功を収めている。
兄弟弟子のディセウム、エカテリーナ共々師匠達(特にメリダ)には頭が上がらない。
ダーム王国軍司令長官。
公明正大かつ敬虔な創神教徒とされているが、信心深過ぎる堅物で、創神教徒でないシンとシシリーが『神の御違い』『聖女』と祀り上げられる事を快く思っていない。
教皇であるエカテリーナが直接シンを御遣い認定した事で不満が爆発。認定撤回を目論み、独断専行で魔人討伐の功績を独占しようとするが、魔人の力を甘く見ていた事が仇となり、返り討ちに遭い死亡する。
漫画版ではゼストの部下の魔人による洗脳でシン達に対する憎悪を煽られて暴走。原作同様に独断専行に走って自滅し、死の間際に自身の認識の甘さに気付くも、魔人に剣で串刺しにされて死亡した。
この一件を皮切りにダームは衰退の一途を辿る事になる。
エルスより遥か東方の大国・クワンロンから来訪した商人の女性。
家業である竜の皮の取引を禁止され、交易を求めてエルスに訪れた。
病に伏した姉がおり、アーロンを通じて姉の治療をシンとシシリーに依頼する。
アルティメットマジシャンズの活躍で諸問題が解決後、シンが崩壊した前文明の記憶を持つのではないかと疑っていたが、恩人であるシンを疑う事に罪悪感も抱いていた。
最終的にはオーグ達と共にシンの前世についてカミングアウトを聞き、和解。
シン達の帰還後はアルティメットマジシャンズにクワンロン代表の事務員として就任する。
シャオリンの護衛。
忠誠心に厚い武骨漢。シャオリンに対しては純粋な忠誠心で従っている。
クワンロンの外交を担当する政治家。
竜の皮の取引を禁止し、シャオリンを始め多くの商家を苦しめた悪徳政治家。
選民思想が強く、部下へのパワハラは勿論、皇帝すら見下している。
竜の皮の取引を独占し、巨万の民と権力を得て国の実権をも握ろうと画策していたが、アルティメットマジシャンズの活躍と竜の魔物化によって失敗。
日頃のパワハラが祟り、私兵を含む全ての部下から見捨てられ、自棄を起こして魔石を服用。
大量の魔力を得るも、その副作用で咎人(魔人)化してしまい、シンに討伐されて死亡した。
ダーム王国軍司令長官→ダーム共和国初代首相。
上記のラルフの後任として着任した黒髪短髪で細面の男性。
その正体はシンと同じ転生者で、表面上は軽薄な態度だが、その裏ではシンに対して凄まじい敵意と嫉妬を向けている。
後に新任のダーム国王を焚き付けてアールスハイドに宣戦布告させるよう仕向け、それを阻止する事で国の実権を握る。
ダーム掌握後は貴族制を完全廃止し、民主制に移行させるが、性急すぎる体制変化と自身の政治能力の皆無さにより、政治は全く上手く回らず、犯罪や汚職の横行する国へと失墜していく。
最終的には汚職議員の度重なる他国への侵略工作が明るみになった事でその責任を問われ、自身の出した民主制は撤廃された挙句、イース神聖国に主権を奪われてしまう。
実は生まれついての魔法使いではなく、クワンロンで禁忌とされる魔石の服用によって魔力を得ており、その副作用で不安定化した魔力と過度のストレスによって体調に異常をきたしていた。
エカテリーナに同行して来たシンとの対面によって抱えていた嫉妬と憎悪が爆発し魔人化。
理性を殆ど失ってシンを殺そうと大暴れするも、全く通用せず討伐され、死亡した。
TVアニメ
2017年9月に、テレビアニメ化企画が進行中であることが発表された。
長らく続報が報じられず、具体的な放送時期などが不明だったが、2018年9月20日に情報が解禁され、2019年4月放送開始であることが発表された。
同時に公式サイト、Twitterが開設され、ティザービジュアルも公開された。
また、アニメのエンディングテーマを歌う“女性バーチャルタレント”のオーディションが実施されることも発表されている。2Dもしくは3DCGのキャラクター映像を使用して配信を行うタレントを動画サービス「SHOWROOM」で募集をおこなった(VTuberが声優&歌手デビュー! avex松村P・SHOWROOM前田社長に聞く「賢者の孫」オーディションの魅力-PANORA)。なお、この企画に関しては2017年5月にSHOWROOMでバーチャル枠が新設されてから初の大規模なイベントとなった。
イベントの結果、EDアーティストに「吉七味。」、更に審査員特別枠として声優の「雛乃木まや」が選ばれた(【最終予選】TVアニメ『賢者の孫』エンディング曲&声優デビューオーディション-SHOWROOM)。
TOKYO MX、AT-X、BS11、朝日放送にて放送された。また、NTTドコモ・KADOKAWA両系のアニメ配信サービス・dアニメストアでの配信も行われた。
制作スタッフ
監督 | 田村正文 |
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シリーズ構成 | 高橋龍也 |
キャラクターデザイン | 澤入祐樹 |
美術監督 | 三宅昌和 |
色彩設計 | 重冨英里 |
撮影監督 | 佐藤敦 |
編集 | 瀧川三智 |
音響監督 | 土屋雅紀 |
音響制作 | グロービジョン |
音楽 | 大谷幸 |
音楽制作 | エイベックス・ピクチャーズ |
制作会社 | SILVER LINK. |
漫画版
コミカライズ版がヤングエースUPにて連載中。
原作では無名のローレンス除くゼスト隊のメンバーにそれぞれ名前が付けられ、平民魔人とは一線を画す実力を持ったハンター魔人(元魔物ハンターの魔人)といったオリジナルキャラの登場や、ゼスト隊が魔人になる経緯など、大幅に描写が追加されている。