イジルデ「出て来い、ゼンカイジャー!我輩の汚名返上の為に倒されるがいい!行くぞ、イジルデストロイヤー4世!!!」
データ
身長/46.0m
体重/2300t
スピード/350km/h
出力/1200万馬力
世界/キカイトピア
概要
トジテンド最高技官のイジルデが、これまでに自身が開発したバトルシーザーロボシリーズのデータを基に、さらなる技術を投入して建造した最終兵器巨大ロボ。操縦もイジルデ自身が務め、コクピットスペースへ直接コネクトしてトジテンドのパワーをフィーバーさせてコントロールする。
五色田夫妻の技術を盗用して、ステイシーザーの専用機体として開発したバトルシーザーロボの技術を流用している経歴(ナンバリングもバトルシーザーロボから引き継いでいる)から、まさにイジルデの研究成果と悪事(技術盗用とそれを用いた兵器による侵略行為)の総決算とも評すべき存在。
外見はバトルシーザーロボ2世と同じだが、カラーリングはイジルデの専用機らしく本人と同じ白と紫主体に改められている。
その一方、武装はイジックハンドを大型化したマニピュレータ棍「ダイイジックハンド」のみを携行するだけに纏められていて、先端のマニュピレータで敵の武器を掴んで掠め取るのが得意。この辺りもパクリが得意なイジルデ自身の性質をよく表していると言える。
イジルデが制裁手段としてよく使っていた、イジックハンドからの「イジル電撃」をそのままサイズアップさせた広範囲無差別電撃を主な攻撃手段としており、市街地戦では建物や庶民キカイノイドを問わずにお構いなしに電撃で敵を薙ぎ払う。単純なパワーも機界モードのゼンカイジャー3人と拮抗する他にも、援軍としてクダイテストを呼び出し加勢させるのも厭わない。
しかしスペック等は高い半面、操縦者のイジルデは戦闘技術や経験がからっきしな為、総合的な戦闘能力はバトルシーザーロボに比べて平凡なレベルに落ち着いてしまっている。
開発データ元のバトルシーザーロボシリーズと同様に、実戦能力のある兵士に操縦を任せる選択もそもそもはあった筈なのだが、嘗てハカイジュウオーの件でイジルデが負わされた責任を操縦役を任せていたステイシーへ擦り付けて切り捨てた結果、せっかく最終兵器を作っても、それを操縦する適正者がイジルデの手元にいないという本末転倒な状況に陥っていた。
これに加えて、ステイシーが抜けた後のバトルシーザーロボの運用プランを本格的に考え、イジルデ自身の運転技術の習熟する前(上記の様にイジルデ本人が自身で運用するかのようなシステムに近い)に、ゼンカイジャーがトジテンドに直接乗り込んで来る想定外の事態が発生し、ハカイジュウオーとステイシー脱走の件でボッコワウスからの信頼を完全に失っていたイジルデが、何とか名誉を取り返そうと焦って躍起になり、彼にしては珍しく身の安全等を考えずに戦闘に関しては素人に過ぎないのを棚に上げて強引に前線へ出た結果、愚かな主人諸共撃破されるに至ってしまったのである。
但し、上記の多岐に渡る問題点はイジルデ自身も一応は自覚していたのか、機体装甲の頑強さ(特にコックピット周り)などに関しては、過去のバトルシーザーロボシリーズ以上に強化されている模様(実際にバトルシーザーロボのコックピットと比べると、被弾時の火花の噴出頻度は明らかに減っており、その辺りの強化はされているらしい)。
その上、機動力もそれなりの水準でキープしている事実から、機体のスペックを“防御力と機動力の両立”のみに絞り、武装は自身が使い慣れたイジックハンドを基にした物に限定(ダイイジックハンドだけでも、遠近両方の戦闘がこなせるので)するなど、なまじ自身が戦闘は不慣れであるからこそ、戦術の混乱を避けるべく徹底的にシンプルに仕上げたのだと思われる。
余談
登場以前の状況からして、本機はステイシーの投獄以降はパイロットが不在となり宙に浮いていたバトルシーザーロボ3世を、イジルデが急遽改造した物である可能性が非常に高い。
というのもかつて2世が撃破された際、逃げ遅れたステイシーが行動不能の重傷を負っていた事から、バトルシーザーロボシリーズには脱出装置等の「操縦者の安全を保障する機構」が搭載されていないのが見受けられるのだが、それに対して上層部の一員かつ自己の保身を最重視しているイジルデが、自身が直接操縦するイジルデストロイヤー4世への脱出装置の類を積まないのは、普通ならまず考えられない。
しかし、バトルシーザーロボの系譜より生まれたイジルデストロイヤー4世にも、脱出装置等は積まれていなかったらしく、撃破された際にはイジルデも逃げられず機体と運命を共にした。
そんな結果になったのは、本機が一から制作した新造機体では無く、3世をベースに改良しながらも、細かい仕様変更を追加する時間が無かった突貫品だったのが原因である可能性が高いからである(そもそもステイシー離脱から最終決戦までに機体を新造する時間があったとは思えない)。
スーツは見た目通りバトルシーザーロボ2世の物をリペイントし、イジックハンドをイジルデから流用して持たせている。
未撃破状態でフェードアウトしていたバトルシーザーロボ3世とは、身体部分を共有していると思われるも、リペイントだけなので3世に戻すのは比較的に容易だと考えられる。
ゼンカイジャーとの直接対決に専用ロボを用意していたのは、元々イジルデ自身は戦闘力は非常に貧弱であり、美都子が逃走した際に捕らえようとして、直前にばらまいていた部品を踏み転倒してしまう程である事が原因である。この辺りの貧弱さはあくまで科学者畑の人物である事を考えればむしろ当然だが。
加えてメタ的にはイジルデの体格が戦いに不向きで、映像化し難かったのが一因であろう。
関連項目
バトルシーザーロボシリーズ:開発のベース元(武装面は反映されていない)
デストロイア:ゼンカイジュウオーがゴジラ、ハカイジュウオーがメカゴジラのオマージュなら、恐らくこの機体のメタ的モチーフはこれと考えられる。
ネオ・クライシス:『未来戦隊タイムレンジャー』に登場した巨大ロボで開発のベース機が存在する点、マッドサイエンティストの機械人間が乗り込み、全身に搭乗者自身を象徴するパーツを有した点が共通している。但し、イジルデストロイヤー4世は曲がりなりにも、イジルデが首領への忠誠を誓って戦うべく乗り込んだのに対して、こちらは搭乗者が首領を殺してまで製造・自らの“無差別破壊”の欲求を満たす為に乗り込んだと、対極の位置にある。
グレートインサーン:『海賊戦隊ゴーカイジャー』に登場した巨大戦力で、ネオ・クライシスと同様の共通項が複数ある。但し、こちらも搭乗者の戦闘技術・経験の少なさに加え、原型機の劣化モデルでしかない為、単なるやられ役だった。
ゴルドドライブ:『仮面ライダードライブ』に登場する擬似ライダーで、同じくパクリが得意な科学者が変身し、それを象徴するような能力を持っている。