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セクシャルハラスメントの編集履歴

2022-05-27 23:42:21 バージョン

セクシャルハラスメント

せくしゃるはらすめんと

「セクシャルハラスメント」(セクハラ)は、学校や職場における性的な圧力、または性的な嫌がらせのこと。

解説

男性が年下の女性に行うものというイメージが強いが、本来性別年齢による区別は無く、女性男性に行うケースや同性同士のケースも含まれる。

類似語パワーハラスメントパワハラ)、アルコールハラスメントアルハラ)、モラルハラスメントモラハラ)等がある。


セクハラが被害者に及ぼす害として気力低下、不眠症ノイローゼ対人恐怖症PTSD等が知られている。これらは学業や仕事に支障をきたす。被害者が辞めさせられたり告発を握りつぶされる等の不当な扱いをされる事も多い。


日本においては1989年に流行語となり、1990年代、2000年代、2010年代、を経て報じられる事例が積み重なっていき、社会問題として認知されるようになるにつれ、警察だけでなく官公庁も様々な指導やテキスト資料を整備し、各企業に参照させたりインターネットで公開するようになっていった。


簡潔な判断基準

男性から女性へのセクハラについては以下のような判断基準があり、社内研修などで教育・啓蒙に用いられている。

「自分のが同じ事をされても平気でいられるか」「上司の娘に同じことをできるか」

できない場合、それはセクハラである。大切な存在にはできないこと、権力的バックボーンがいる存在、怖い存在にバレる可能性があると出来ないこと、それがセクハラである、という一つの判断基準である。


現実には実の娘に性犯罪をするケースも存在し、上司がもし許容していたら、上司の娘の容姿などを面白おかしく呼ぶという事も想定できるため、絶対的な基準ではなくあくまで「冷や水をぶっかけて目を覚ます」という意味合いが強い。


英語圏ではザ・ロック・テスト(The Rock Test)が提唱されている。これは相手の女性をドウェイン・ジョンソン(一昔前のアーノルド・シュワルツェネッガーシルベスター・スタローンに近い立ち位置の人物である)に置き換えて想像するというもの(英文リンク)。こちらは威厳と力を備えた筋骨隆々の巨漢に舐めた態度をとれるのか?というアプローチと言うこともできる。舐めた(人として尊重していない)相手にするのがセクハラ、という基準ということもできる。ドウェイン・ジョンソンが国際女性デーにコメントを表明する人物、という予備知識(参考)があるとまた見え方が異なってくるかも知れない。


京都大学の学生寮である「熊野寮」で入寮者に配布されるパンフレットにある「ハラスメント加害者にならないために」は七箇条の単文で網羅的かつ、かなり簡潔にまとめてある(悪意ないハラスメントに潜む偏見と差別、京大熊野寮「加害者にならないために」7カ条を読む)。


セクシャルハラスメントの定義

セクシャルハラスメントの定義としては、主に職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係を利用し、下位にある者に対する性的な言動や行為を行う(強要する)ことが挙げられる。


法的な基準は「性的な行為・言動により相手に不快感を与えたかどうか」なため、加害者側に悪意が全く無い場合でも一般的に性的な行為・言動と受け取られる行為を行っていれば適用される。

事件発生までは、加害者と被害者の関係が良好であったケースもあり、厚生労働省鳥取労働局サイトで取り上げられている(参考資料「雇用均等室の取り扱ったセクハラ事例集 H18 年度~H23 年度」)。


セクシャルハラスメントの発生件数

内閣府男女共同参画局の発表によると、平成13年から平成17年までは毎年七千強、平成18年から平成23年までは毎年一万一千から一万五千件の相談が都道府県労働局雇用均等室に寄せられている(『

平成24年版男女共同参画白書』第1部第6章第15図「都道府県労働局雇用均等室に寄せられた職場におけるセクシュアル・ハラスメントの相談件数」)。

ここであがっている数字は職場におけるセクハラ事例数であり、学校におけるそれは含まれていない。

全国で毎年、数千~一万超のセクハラが毎年起こっている事を踏まえると、この項目を見ている人の家族親戚友人知人にも被害経験のある人がいることは十分考えられる。

性犯罪全般に言えることだが、実際のセクハラ事件を「自意識過剰」などと軽視する行為が、知らず知らずのうちに被害者の心の傷跡を掻き毟っている可能性がある。

これもまたハラスメントである。


表に出ないケース

レイプ被害同様、セクハラ被害を表明することで好奇の目に晒される可能性、拒んだり告発することで加害者からの敵意を買い危害を加えられるのではないか、という恐れ。

また、会社や学校などの場に居られなくなるのではないか、という危惧、誰に・どこに相談すればいいかわからない等の理由に告発がされないケースもある。

女性よりは少数だが、確かに存在する男性被害者、LGBTである被害者にもこの点で困難がつきまとう。


また被害者を誹謗中傷する。理由をつけて「被害者の過失」なるものを主張するセカンドレイプが後を絶たない。

報道などで表に出たケースでもこれが行われ、被害者の告発への意思を抑止してしまっている。


セクハラ認識の男女差

肩揉みのような(フェティシズムを除けば)男性からは性的であると認識されない部位に触れることがセクハラと認識されることも多い。日本労働組合総連合会サイトでは「放置すれば就業環境が害されるような事例」として「女性のに触ったりする上司がいる」が挙げられた。現在はサイト改変によりこの文面は(「放置すれば」の句が相対的表現に見えるためか)なくなっている。厚生労働省が配布するpdfでは他のセクハラ案件と同様、職場で用いるアンケートの「2 次のようなことはセクシュアルハラスメントに当たると思いますか」の選択項目に「肩、手、髪に触る」を入れている(事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策31ページ)。平成19年に熊本県教育委員会がまとめた「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止のためのガイドライン」には肩や髪に触れられる事が女生徒に強烈な苦痛を与えた事例が反映されている(参考3ページ)。女性の場合、よほど親しい人でないと異性に触れられると不快・苦痛に感じるが、男性の場合はよほど不快な相手でない限り初対面でも異性に触れられることに抵抗が無い傾向にある参考サイト)。

この性差による感じ方のギャップは、異性間セクハラ全般の発生に大きく関係している。

人事院調査によると「セクハラした」と言われた男性の57.6%はそれを妥当としていない。

先述の鳥取労働局サイトの「セクハラ事例集」に取り上げられたケースにもこの現象が関係していると考えられる。

相手(女性)からすれば「恋人でもないとできない触れ合い」を「恋人でなくてもできる(あわよくば恋愛関係にステップアップするための)スキンシップ」と勘違いしてしまっているわけである。

恋(好意)によって認識が歪み、単に「優しくしてもらった」「恩がある」のを勝手に恋人かそれに近い関係と思い込んでしまったケースもあるだろう。そして相手が抵抗できないでいるのを了承と勘違いする負のスパイラルも生まれる。


同性間のセクハラの事例においては、「同じ男だし……」「女性が女性に聞くんだから……」が個人間のギャップ(感じ方の違い)をさらに無視・軽視される傾向がある。

また、性的な行為全てをセクハラと見なし、相手を冤罪の標的にする問題も起きている(例えば痴漢など)。


性的少数者へのセクハラ

ゲイレズビアンバイセクシャルトランスジェンダーアセクシャルといった性的少数者へのセクハラも存在する。

下記の「主な事例」に加え、「ホモ」や「レズ」「オカマ」といった当事者以外が使うと蔑称となる語、ゲイビデオを元にした所謂「ホモネタ」を本人の前で発言する等が含まれる。

しかも、性的少数者はカミングアウト(自身が性的少数者であると相手に伝える事)がしにくい現状があり、周囲の人間も気付かず行い、そのような環境ではカミングアウトもし辛い。

そのため、拒否することもできない、という状況も生まれている。支援団体による学生への調査(LGBTの学校生活に関する実態調査(2013) 結果報告書)によると、やめてほしい、と言えたのは全体の14パーセントだった(6ページ参照)。


主な事例

※注意。この項目は無秩序に実例を挙げていった結果乱雑化し原義を歪めた経緯があります。編集を行う際は安易に実例を列挙して乱文にせず、特徴の解説を重視して下さい。


セクハラは主に次の二つのタイプに分類される。


対価型

立場などの上下関係を利用して猥褻行為、性行為、関係性などのの強要を行うこと。役職の上位のものが立場を利用して下位の者に対して行われる事例が多いが、下位にある者が自身の立場の低さを逆手に取って上位の者に強要する事例もあり、上下関係は役職などだけで決まっているとは限らない(「パワハラで訴える」などと脅したりする例が確認されている)。


環境型

被害者の職場などの環境において活動意欲を悪化させるセクハラ。性差や性行為などに関連する性的言動、プライバシーや信条に過度に踏み込んだ言動などが当たる。

よく被害者の周囲が原因のセクハラと誤解されるが意味合いが異なる。



用語の本来の意味には性別は無関係だが、日本では当初「男性から女性」に対する行為を指すことが多かった。しかし、2007年4月1日施行の改正男女雇用機会均等法により、「男性・女性から男性」へのセクハラが禁止対象になったほか、雇用管理上必要な「措置」をとるよう事業主に義務付けられた。


セクシャルハラスメントの防止策

  1. 相手を人間として尊重する。
  2. セクシャルハラスメントは相手の心身と尊厳を傷つける人権侵害行為であると踏まえる。
  3. 悪意なく、あるいは悪意を自覚しないままハラスメントが行われ得る事を踏まえる。
  4. 恋愛、結婚や出産などは各人のプライベートであり、立ち入る権利は誰にも無い。服装についても正当な服務規程などの理由以外で口出しされる謂われはない事を確認。
  5. 「女だから」「男だから」等を頭に付けて決めつけない。特に前者は体格差が関係しない知性等にも向けられやすいものであり、各人の能力をそれでもって否定する事に直結している。また、生き方、人生や役割を決めつけ、押しつける事に繋がる。
  6. 異性との感じ方における性差、性的少数者がおかれた自身とは異なる状況を踏まえる。
  7. 何らかの形で直接接触する必要が生じた場合、そこに仕事上の正当性・合理性があるか考える。
  8. 「拒否されていない」は合意確認にはならない事を踏まえる。された側はとっさには反応できない事も多く、特に行う側が上司やマジョリティなど立場が上位である場合、それだけで萎縮し沈黙を強いられてしまう。
  9. 性的少数者が性的少数者である、という情報はこちらから確認できない(してはならない)。そのため、常に彼らを傷つける言動を行わないように意識する。
  10. 告発があった場合、告発者を誹謗しない。(また同様に、容疑者となった人物に対しても無闇に誹謗しない)
  11. 以上のことを忘れたり失念しないよう、セクシャルハラスメントについて定期的に復習し、再確認する。

表記揺れ

セクハラ 性的嫌がらせ


関連タグ

性犯罪 ※性的な意味で 性差別

精神攻撃 苛め 下ネタ

MeToo - セクハラ被害告発運動


他のハラスメント

パワーハラスメント モラルハラスメント アルコールハラスメント


外部リンク

職場でのセクシュアルハラスメントでお悩みの方へ厚生労働省

Wikipedia日本語版「セクシャルハラスメント」:著名な事例についての記載あり。

これがセクハラです - 日本労働組合総連合会

セクハラ する訳 - 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー

え!?同性同士でもあの一言でセクハラに!

同性から受けるセクハラ問題 女性が職場でされたこと

セクシャルハラスメントとは - ニコニコ大百科

「悪気がないセクハラ」の4パターン!あなたは大丈夫?

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