概要
名前の意味はイタリア語で「高い海(形容詞altoと男性名詞mare)」もしくは「天/空、海(「高所」「空」を意味する男性名詞としてのaltoと男性名詞mare)」。
アルトマーレは、ジョウト地方のヒワダタウンの南に浮かぶ島。ヨシノシティ近くからフェリーで向かうことができる。水路が張り巡らされた町で、主な移動手段は徒歩あるいはゴンドラ。建物の間に入り組んだ狭い路地や水路が多く、外部の人間は迷いやすい。
モデルとなった街はイタリアのヴェネツィア。(ディアルガVSパルキアVSダークライのパンフレットでは和歌山県の紀伊大島あたりに位置している。)
古くからラティアス・ラティオスの2匹の伝説のポケモンに守られており、人々の目には見えないが伝説としてその存在が語り継がれている。ラティアスとラティオスは普段は人間に見つからないように姿を隠して街中や水中を移動しているが、彼らの気配を感じ取れる者(子供や赤ん坊)もいるようである。
街中でもポッポ、ヤンヤンマ、ヤミカラス、テッポウオなどの多くのポケモンが生息している。
ムコニャがパスタにがっついていたり、ロッシが別れの挨拶として「チャオ」を使っていたり(実は増田順一氏の口癖でもある)、やはり文化自体もモデルのイタリアに近いらしい。
毎年夏のフェスタが開かれており、水上レースも開催される。水上をポケモンに引っ張ってもらい進むレースで、サトシとカスミも出場し、カスミ&サニーゴコンビが優勝した。優勝者にはラティアスとラティオスがモチーフになっているメダルが渡される。
他にレースに出場していたポケモンはサトシのワニノコ、ロッシ(CV:山寺宏一)のホエルコ(先行登場)、カメール、マンタイン、ハリーセン、ランターン、スターミー、コイキング、チョンチー、シャワーズ。やや狭めの水路を進むには大きすぎるポケモンがちらほらいるが、小型の個体と考えればそこまで矛盾はない。
また博物館も存在し、アルトマーレの古代の機械や、プテラ、カブトプスといった古代ポケモンの化石が展示されている。ゴンドラ職人であるボンゴレが本業の傍ら博物館の案内もしている。
ボンゴレの一族が代々管理しているラティアス・ラティオスの住む秘密の庭がある。そこの小さな噴水の中にはこころのしずくが安置されている。これとラティオス達を用いれば、古代機械を操ることができるが、使い道を誤るとアルトマーレを破滅に導く危険性がある。このため、2匹はこころのしずくを守り続けている。
一般には全くか殆ど知られていないが、現在でも極秘ながら水路がラティ族お忍びの回遊経路として機能している。
非常に高度な防衛システムの存在を考えると、度々敵の侵略の危険に晒されてきたと思わしい。モデルとなった実際のヴェネツィア共和国も同じような歴史を持っている。
この街のBGMとして知られるのは「謎の少女、再び(迷宮)」(作曲・編曲:coba)という楽曲で、Coba氏が得意とするアコーディオンを活かした曲調が特徴的で、サトシたちが入り組んだ路地でカノン(に擬態したラティアス)を追走するシーンなどで効果的に使用された。
水上レースシーンで使用されたOP「めざせポケモンマスター2002」も同様にCoba氏によるアコーディオンアレンジがなされている。
※Wikipedia参照
余談
- ラティ系はイルカやクジラ、またはアシカなどに近い性質を持つと言われており、アルトマーレの住人でもその実在を知るのは限られた人であるが、実際のヴェネツィアのラグーンにも、時々イルカがいる(現地の人でもあまり知らないので、こういう意味でもアルトマーレとヴェネツィアがリンクしているのかもしれない)。もっと昔には、アザラシやクジラもいた。
- ボンゴレと彼のゴンドラ工房には実在のモデルが存在する可能性がある。某芸術書に、あまりにも酷似する実在人物と彼のゴンドラ工房の写真が載っているため(著 渡部雄吉 須賀敦子 中嶋和郎 『ヴェネツィア案内』 新潮社 とんぼの本シリーズ)。
- 秘密の庭は、サン・ミケーレ島の墓地の一角に様子が類似している。
- ピカチュウ・ザ・ムービーでは初の明確なモデルを持つ&初の専用の海外ロケが行われた場所としても有名。なお、実際のヴェネチアよりも緑が多く残されており、自然=ポケモンとより良い共存が出来ていることが示唆される。
- 実在のモデル地同様に「水」との関わりが非常に強く、水に生かされ水に滅ぼされるを地で行く地域である。また、ここに書いてある通り、アトランティス文明の意匠も入っている。
- 「おとぎ話」に出てくる″怪物″の正体は明らかにされていないが、何らかの存在や敵勢力であるのかどうかは不明であり、むしろ水害の可能性もある(実際のヴェネチアのアクア・アルタと合致するし、この映画の元ネタ?とも共通するほか、先祖からの「罰」としてはこれ以上にないほどお誂え向きである)。
- しかしながら、怪物の姿は歯車を思わせる形状をしている為、機械文明に関連した何かという説やモデルのヴェネツィアが幾度も侵略を受けていた歴史がある為、敵国だったとする説もある。
- 大聖堂のモデルはサルーテ教会をモデルにしている可能性があると指摘する声がある。サルーテ教会はペストの終息を記念して建てられており、「ラティ達に感謝の気持ちを込めて造った」というのと類似性がある。このことから、邪悪な怪物の正体は疫病だとする説もある。
- 初期の予告編で見られた、サトシ・ピカチュウ・カノンが立ち向かっていた「防衛システムに付着する巨大な人型の存在」の詳細も、没設定になったのか謎である。あれが「怪物」の正体であったとも考えられるが、防衛システムの開発者や老夫婦の一族が発する警告が容を持ったものとも考えられなくもない。
- アルトマーレを造るために住み家を奪われたり犠牲になってきたかもしれないポケモン達の怨念が怪物やこころのしずくの反動の正体と言われる事もある。
- あれだけ大規模な事件が発生したにもかかわらず事件の詳細を知る者は当事者以外ほとんどいないと思われる。故に、ロッシの起きたタイミングなどから、あのマシンには催眠作用があったのではないかとはする考察もある(コミックス版では、犠牲者こそ見られないものの、大勢の一般人が巻き込まれていた)。
- 『カリオストロの城』同様、『ナポリの卵城』との共通点を見出だした識者がいたが、実際にモデルになったのかは不明。
- 「おとぎ話」に出てくる老夫婦の一族とカノンやボンゴレの一族、歴史(とくに、何故特定の一族のみに秘密が継承されてきたのか、何故生きたバッテリー状態になるというリスクの大きい防衛システムにラティ一族が同意したのか、現代科学と人智を凌駕する(2015年時点での人間世界の科学力を遥かに凌ぐポケモン世界での科学水準からも逸脱している)それは一体どうやって開発がなされたのか、こころのしずくとラティ一族の関連性、などなど)、特に歴史面に関するあらゆる詳細が謎のままである。
- 米国では、「おとぎ話」に出てきたラティ兄妹はサトシ一向が知るラティ兄妹の直系の先祖であるとされ、こころのしずくは彼らの父親の魂であるとされている。
- 水上レースのシグナル役はネイティとネイティオが担当。なお、実況者役はなんと広川太一郎氏が担当されており、広川節も披露。
- 非公式作品であるポケットモンスター アルタイル/シリウスでは、見事なマップとBGMが用意され、カノンも出てくる。