概要
東京都城南地域・川崎市・横浜市北部を中心に路線バスを運行するバス会社。旧・東京急行電鉄(現・東急、鉄軌道事業は東急電鉄へ移管)のバス事業を分社化する形で1991年10月に営業を開始。
本社は東京都目黒区東山にある。
一般路線バスのほか、深夜急行バス、空港直通バスなどを運行している。都市間高速バスは収支が合わず1998年に撤退し、現在は子会社の東急トランセによって運行している。
一般路線バスで最大のターミナルは何と言っても渋谷駅で、二子玉川駅〜青葉台駅間の東急田園都市線の急行停車駅や市が尾駅、大森駅(西口と山王口)、目黒駅に発着する路線は発着系統数・本数とも極めて多い。
かつては、巨大ターミナル駅である新宿駅や横浜駅にも乗り入れていたが、現在は新代田駅以北と、新横浜駅以南が廃止され、新宿駅・横浜駅への乗り入れはない。
ちなみに本社を構える目黒区では、ごく一部の例外を除き、区内を走る路線バスのすべてが東急バスにより運行されている。
営業所
各営業所にはアルファベットの記号が振られ、所属車両の判別などに用いる。
●都内の営業所
ナンバーはかつては品川ナンバーに統一されていたが、現在は目黒・荏原・池上の3営業所のみ品川ナンバーで、ほかは世田谷ナンバーである。
- 淡島営業所(A)···世田谷区
- 下馬営業所(SI)···同上
- 弦巻営業所(T)···同上
- 瀬田営業所(S)···同上
- 目黒営業所(M)···目黒区。最寄りバス停は「清水」
- 荏原営業所(E)···品川区
- 池上営業所(I)···大田区
●横浜市内、川崎市内の営業所
- 青葉台営業所(AO)···横浜市青葉区
- 東山田営業所(H)···横浜市港北区
- 新羽営業所(NI)···横浜市港北区
- 高津営業所(TA)···川崎市高津区
- 虹が丘営業所(NJ)···川崎市麻生区
系統番号の付番基準
都内と川崎市内の駅に発着する系統は、出入庫系統の一部を除いて、東急電鉄バスだった頃から系統番号を付けているが、横浜市内の駅に発着する系統は分社化時点では無番で、2004年になって初めて系統番号が付けられるようになった。
その付番基準は路線によりまちまちで、特に統一されてはいない。
- 都内路線、川崎市内路線は、路線単位で番号を付すものと、途中枝分岐に応じて番号を変えるものとが混在する。前者には【渋41】(渋谷駅西口〜中目黒駅〜大鳥神社前/清水/新馬場駅/大井町駅西口、他)などの、後者には【川31〜34】(川崎駅北西口〜南武線小杉駅、他)などの例がある。前者の事例は減っており、【渋41】自体も近年、新馬場駅で分岐し高輪ゲートウェイ駅へ向かう【渋43】を新設すると同時に、大崎駅西口発着便を【渋42】に改番した。
- 横浜市内路線は、後述の元・横浜市営バス路線を除いて、途中の枝分岐に応じて番号を変える。
- 都営バス共同運行だった【渋82】(渋谷駅西口〜等々力駅東口)、【森91】(新代田駅〜大岡山小学校〜大森操車所)、【品94】(品川駅高輪口〜大井町駅西口〜池上駅〜蒲田駅西口)【東98】(東京駅丸の内南口〜東京タワー前〜目黒駅〜清水/等々力操車所)は、撤退した都営バスに敬意を表し、都営バスの付番基準を踏襲している。ただし【品94】の大井町駅以南における区間便と、【東98】の等々力周辺における区間便は東急バス独自の番号を付す(それぞれ【井03】【井09】と、【等21】)。
- 横浜・川崎の両市営バスから移管された路線は、路線単位でひとつの番号が付けられることが多く、特に元・横浜市営バス路線は、市営バス時代の数字のみの番号に、ターミナル駅の漢字1文字を加え【市43】(「市」は市が尾駅を指す)などのようにしている。
系統番号の読み方だが、東急バスでは筆頭の漢字1〜2文字もしくは、ひらがな1文字を、用賀駅発着の【用01】なら「ようが いち」系統、たまプラーザ駅発着の【た71】なら「たまプラーザ ななじゅういち」系統といった具合に、省略前の駅名で読む。この事例は、隣の神奈川中央交通や、千葉県に本社を置く京成バスにも見られる。
車両
国内4メーカーの車両を導入し、一時は日産ディーゼルが全車両の半数を占めることもあったが現在は日野自動車・三菱ふそうからの納車が増えている。
路線車
一般路線車はホイールベースが5m未満のいわゆる短尺車が多く導入され、大量の通勤・通学輸送に対応した長尺車も一部導入している。
このほか、狭隘路線用の中型車・小型車、貸切輸送や高速走行に対応したワンロマ車、東急コーチ専用車両などがある。
都内営業所には一部を除いてノンステップバスを導入し、神奈川県内の営業所にはワンステップバスがメインで導入される。
カラーリングは銀をベースに赤帯を1本巻いたもの。親会社である東急電鉄の鉄道車両に近い意匠である。
リーマン・ショックが原因の景気後退の影響で一時新車の投入が大幅に縮小されたことがある。
高速車・貸切車
高速車は銀色に2色の帯が斜めに入り、ロゴが記載される。主に空港リムジンバスとして運行される車両はマゼンタと藤色の帯にTOKYU Limousineのロゴ、通勤高速バスとして運行される車両は緑と黄緑の帯にTOKYU BUS Highway Linerのロゴが採用される。エアロバス・エアロエースを中心に、空港リムジンバスにセレガを導入している。通勤高速バスは三菱ふそう・エアロスターのロマンス車が導入されている。
車番
1台毎に陸運局へ登録されている番号の他に東急が独自に振った車番がある。車体側面、車内前部等に表示されており数字部分は原則導入から廃車まで変わらない。
AO | 4 | 39 |
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営業所 | 年式(1~2桁) | 固有番号 |
例の場合、青葉台営業所所属で2003年度の日野車を意味する。
固有番号はメーカーごとにまとめて割り振られ、現存する車両群では以下のようになる。
- 00 - 24:UDトラックス(旧:日産ディーゼル)車
- 25 - 49:日野車
- 50 - 74・99(800番台のみ):いすゞ車
- 75 - 99:三菱ふそう車
空港路線車の3000番台、特定輸送車の4000・5000番台は2003年度より使用。
関連タグ
小田急バス:渋谷駅、二子玉川駅、新百合ヶ丘駅発着路線の一部で東急バスと共同運行している。また横浜・川崎の両市営バスにも東急バスとの共同運行路線がある。