基礎データ
進化
ケーシィ → ユンゲラー(レベル16) → フーディン(通信交換またはつながりのヒモを使用) → メガフーディン(メガシンカ、フーディナイト)
概要
「超能力研究を手伝っていたエスパー少年や超能力を持て余した少年が、突然ユンゲラーに変身した」「ユンゲラーの近くにあるテレビには不思議な影が映り、それを見た者は不幸になる」等と言われるポケモン。
体から放出される特殊なアルファ波によって近くにいる者に頭痛を引き起こさせるので、強い精神力を持つ者でなければユンゲラーのトレーナーになるのは難しい。
また、赤緑ブーム時の公式監修書籍『ポケットモンスター図鑑』によると、少年がユンゲラーになったエピソードは『変身』という劇中小説の一文であるようだ。元ネタの小説に出てくる青年が変身したのはエスパータイプが苦手とする虫というのは何かの因果だろうか。
『LEGENDSアルセウス』の図鑑説明によれば、このエピソードはどうやらヒスイ地方時代の頃からある噂のようで、ここまで古い都市伝説だと何か由来がありそうなものだが、明かされる予定は今の所無い。
特徴
ケーシィの進化形。
髭が生え、閉じられていた目は開かれ鋭い目つきになる。雌は髭が短い。
額には赤い星型の模様が、腹部にはESPカードに見られる波型の模様がある。名前から察するに湯気のイメージか何かだろうか。あるいは超能力実験用カード「ゼナーカード」に描かれたマークか。額の模様には進化に備えてサイコパワーを蓄える役割がある。
脳が発達したため頭が若干大きくなり重くなっているので、超能力で頭を支える。筋力がほとんどないため、体を動かす時も超能力を使う。尻尾も太くなり、より狐に近い外見になった。
概要でも触れたが、ユンゲラーが超能力を使用する際、体から精神の弱い人間に作用する特殊なアルファ波が発せられる。目を閉じて精神を集中することでアルファ波は倍増し、近づいた者に頭痛を起こさせたり、時計の針を逆回転させるなど周囲の機械を狂わせたりする効果を持つ。なお、ユンゲラーと生活していた人がテレビに不幸を呼ぶ不気味な影を目撃したという出来事があったらしいが、この影の正体が何なのかは不明である。とにかくトレーナーになるにはこのアルファ波とうまく付き合って行く必要性があるのは確かなようである。
右手に持った銀のスプーンにはアルファ波を高める働きがあり、このスプーンがないと超能力が普段の半分しか使えなくなってしまう。金で作ったスプーンでは代替不可能だとか。
メンタルも逞しくなっており、追い詰められるほど超能力が増していくという。また、尻尾はとても柔らかく、宙に浮いたまま尾を枕がわりにして眠る事があるという…クールな見かけに反して可愛い所もあるものだ。
ある程度戦闘力が付いたのだから進化前のようにテレポートで逃げたりはしないだろう…と思いきや、『LEGENDSアルセウス』などの作品ではテレポートで離脱することも多々ある。
通信交換をしなければ最終進化形態になれないポケモンの1匹だが、ユンゲラーの時点で素早さと特攻のステータスが高いため、無理に進化させなくてもシナリオクリアまで十分戦えたりする。
使用トレーナー
ゲーム版
- グリーン:初代ライバル
- ナツメ:ジムリーダー(カントー)
- シルバー:金銀クHGSSライバル
- イツキ:四天王(ジョウト)※1
- ヒカリ:ポケモントレーナー
- コウキ:ポケモントレーナー
- ミル:ポケモントレーナー
- セイボリー:鎧の孤島ライバル
- サターン:ギンガ団幹部
- ヨシカズ:ユンゲラーマスター
※1 ポケモンスタジアム金銀
アニメ版
- ナツメ(無印22話)
漫画
- ナツメ(ポケスペ)
アニメ版
ナツメのユンゲラー
1997年8月26日放送の無印22話「ケーシィ!ちょうのうりょくたいけつ!」で初登場。ジムリーダーのナツメ戦でピカチュウとバトルの際にケーシィから突然進化した。続く24話「ゴーストVSエスパー!」にも登場。
初戦はねんりきやサイコキネシスでピカチュウの動きを完封するなどチート級の強さを見せつけ、サトシを敗北へと追い込んだ。対策のしようが無いかに見えたが、実はゴーストタイプのポケモンだけ超能力が効かないらしく、サトシもゴーストを捕まえ(正確には取り憑かれただけ)バトルに駆り出したが、自由奔放なゴーストは結局参加せず最終的にはピカチュウとの再戦になった。初めはテレポートや新たにサイケこうせん、じこさいせいを使い又もや圧倒したが、ナツメとの感情がテレパシーでリンクしていたらしく突如現れたゴーストがナツメを笑わせた為、ナツメ同様笑い転げて戦闘不能になった。サトシにとっては、まさに不幸中の幸いである。
AG146話
2005年10月6日放送の「エスパーVSゴースト!真夜中の決闘!?」に約8年ぶりに再登場。
現状これがユンゲラー最後の登場である。
DP47話
2007年9月27日放送「ミルとケーシィと水の底!」で登場……せず。ミルはゲームでユンゲラーを使用していたが、アニメではケーシィに改変された。
訴訟問題
1999年と2000年頃、ユンゲラーに対しユリ・ゲラーが名誉毀損として提訴。スプーンを曲げる超能力系キャラとして、自分のイメージを勝手に使われたとして損害賠償を求めた。
これの影響からか、ポケモンカードeからポケモンカードゲームまでは、ケーシィ、ユンゲラー、フーディンの進化系列が収録されていない。ポケモンカードゲームDP拡張パック第2弾「湖の秘密」で、数年ぶりにケーシィ・フーディンが収録されたのだが、ユンゲラーのみ収録されず、代わりというようにケーシィはユンゲラーをとばしてフーディンに進化できるワザを覚えていた。
一応言っておくと、ユンゲラーのカード自体は存在する。
しかし2002年10月29日発売の拡張パック第4弾「裂けた大地」を最後にユンゲラーのカードは現在まで収録されていない。
この事件はゲームにも影響しているようで、なんとユンゲラー→フーディンの進化をキャンセルすることは出来ない。
そもそもBボタンによる進化キャンセルはレベルアップによる進化にしか効果が無いが、かわらずのいしをポケモンに持たせたならば、進化の石の使用や通信交換をしても進化を起こさせなくすることが出来る。
しかしユンゲラーのみ、かわらずのいしを持たせようが強制的に進化する、という立派な仕様が存在する。
出演の機会を減らさせようという思惑なのかは不明だが、『ダイヤモンド・パール』以来、もう10年以上もこの仕様は健在なのである。
ちなみにこの騒ぎだが、
「このポケモンは超能力が使えます。もしこのポケモンと貴方が似ているのであれば、ぜひここで超能力を使ってください」
という任天堂側の弁護士の発言にユリ・ゲラーはぐうの音も出ず、結局訴えを取り下げたらしい。
…というのは都市伝説で、実際はゲラーが連邦裁判所に提訴したが、当時日本国内でしか正規流通していなかったユンゲラーのキャラクターについては連邦法で扱う要件を満たさないとして不受理に終わった……という話が広がっているが、実はこれもソース不明の噂である。
2008年に訴訟は現在も進行中と語られ、前述の進化キャンセルの件も合わせると現在も進行中の可能性があったが…
20年の時を経て
ゲラー氏による提訴から20年の時を経た2020年11月、ゲラー氏本人がTwitter上でユンゲラー提訴に関して謝罪文を掲載、ユンゲラーのポケモンカードのリリースを認めると発表した。(参照)
これにより、晴れてユンゲラーが再び日の目をみる可能性が出てきた。
そして・・・
ポケモン25周年記念オリジナルアニメ「Pokémon Evolutions」の第7話「ザ・ショウ」で、ユンゲラーが登場するようになった。
(0:17ごろ)
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
こちらでもナツメの手持ちとして登場。
ロケット団に連れ去られたオーキド博士になりすまし、レッド達に宣戦布告する。
相手の自由を奪って攻撃するのが得意で、シルフカンパニーではブルーをかなしばりで動けなくした後、服を切り裂いている。