概要
『ポケットモンスター』において違う機体と通信交換をしてその際に進化するポケモンがいる。『金銀』以降はアイテムを持たせられるため、それによる進化もある。
設定によると、ポケモン達が通信交換で進化するのは、通信交換の時に発生する特別な電気信号の影響を受けるためなのだという。
実質的にハードとソフトが二つ必要な進化である上、基本的に野生で出現しないポケモンが大半を占めるため、一部の人が入手困難なポケモンの代表格として挙げられていた。とはいえ、上記に該当しなくとも相手がポケモンをやっていなければ結局は同じ事である。
一応、1人でもハードとソフトを2つ用意すれば可能だが、大人はともかくとして、2つ用意できるだけの財力がある子供は少なかろう。
加えて、ゲーム内での交換イベントで通信進化できる進化前のポケモンを貰っても「かわらずのいし」を持っていて進化できなかったというトラップに嵌ったプレイヤーも多かった。
こういった点から、プレイヤーからはシリーズ黎明期から批判の槍玉に挙げられることも少なくない要素であり、更には未だに廃止自体はされずに尚且つ別の進化方法などが中々実装されなかったのは、公式側が利益を得るために前述のような方法を取らせるように意図的にシステムを残しているからではないかという意見もある程だった。
しかし、世代を進むごとに野生で入手できるポケモンが徐々に増えて行き、遂に第8世代ではこの点が大幅に改善され、通信進化のポケモンが野生でシンボルエンカウントしたり、レイドバトルで入手できるようになった(ハガネールは第4世代から特別な方法に頼らずにゲット出来たので入手難易度がかなり低い)。
通信進化する新ポケモンも、第7世代のアローラゴローニャを最後に追加されていない。
第1世代は後発世代と違い、通信対戦を想定せずに開発、発売直前に急遽実装したことが知られており、RPGとしての側面が強いことで知られているが、その際にNPC専用ポケモンとして登場させる予定だったポケモンも何かしらの形で入手して、対戦で利用できるように通信進化用に追加したのではないか、ということも考えられている。カイリキー、フーディン、ゲンガーはいずれもジムリーダーや四天王が主力のポケモンとして扱っており、NPCが扱わないゴローニャもおそらく地面タイプ使いのサカキか、攻略順が違っていれば岩タイプ使いのタケシが使うことを想定していたものだと考えられる。
その後も、対戦ゲームとしての需要が高まったことで、「通信交換することでより強力な種族が手に入る」という価値の下、通信交換がしばらくの間増えていったのだろう。
しかし、通信対戦の実装は開発最末期であったこと、およびポケモン自体が通信機能を有効活用したゲームとして開発されたことを考慮すると、それ以前の時点で通信進化の概念が誕生している可能性も高い。
他媒体では
アニポケにおいても通信によってポケモンが交換される(これは所持するトレーナーの登録情報を書き換えるという名目で行われるようだ)。このため、通信進化が必要なポケモンはゲーム同様通信交換によって進化する。ただし、カスミのニョロトノなど、偶発的に通信機器を通り抜けたときにたまたま進化に必要なアイテムを持っていたため進化したというケースもある。
また、装置を片方だけで使用する事で通常2人で交換する事で進化するポケモンを1人で進化させる事も可能。
専用の交換用デバイスも大きく異なっている事が多く、コイキング売りが所持しているコンパクトなサイズの物から、ポケモンセンターに設置されている大型の装置、キャスター付きで移動可能な物まで様々な形状の装置が有る。
だが、通信進化は物語が描きにくくなるためか、シンジのエレブーやゴウのストライクなど通信交換せずに進化するケースも多い。
ポケモンGOにおいては当初トレーナー同士でのポケモン交換ができなかったため、通常通りアメを消費して進化する方法が採られていた。後に交換が実装されたが、交換できる距離や回数に制限があるため、一部のポケモンに限り「アメを消費しても進化できるが、一度交換したポケモンの場合アメを消費せずに進化できる」という仕様になっている。
ポケットモンスターSPECIALでは、通信を用いた交換はポケモン図鑑所有者の間で図鑑の機能を介して行われているのみで、通常のポケモンの交換はボールを直接手渡しして行われている。この手渡しによる交換でも通信進化が発生するが、交換してから実際に通信進化が発生するまでにタイムラグが生じることがある。
また交換の意思を示していない手持ちポケモンの偶発的な入れ替わりや、ポケモンの一方的な譲渡も交換扱いになり通信進化の条件を満たす。
作品内でも「通信による進化」と呼ばれているが、通信での交換がむしろ特殊なはずの設定でなぜ呼び方が「通信による進化」なのかは不明である。
その他の媒体においては再現が難しいためか、通信進化が実装されていないことが殆どである。
かつて『ポケモン不思議のダンジョン』においてはアイテム「つうしんケーブル」を進化の石同様消費することで擬似的にこれを再現していたことがあったが、後の作品では廃止された(恐らくケーブル自体がもう使われなくなっていることが原因か)。
『LEGENDSアルセウス』では、「つながりのヒモ」というほぼ同じ効果のアイテム(こちらも進化の石と同じ扱い)が登場している(もちろん通信交換しての進化も可能)他、道具使用で通信進化をするポケモンも、進化の石同様原作で通信時に持たせる道具をそのまま使えば進化できるようになっている。このため、相互引き出しが可能な『剣盾』以降の作品であれば、『ポケモンホーム』を経由して『LEGENDSアルセウス』に該当するポケモンを送り、そこで進化させて元のソフトに送り返すという行程を取れば、他者との通信交換無しでも進化・入手が可能となった。なお、現状これで進化できるのはフーディン、カイリキー、ゴローニャ(通常)、ゲンガー、ハガネール、ドサイドン、ハッサム、エレキブル、ブーバーン、ポリゴン2、ポリゴンZ、ヨノワールの12種。
特に通信交換が2回も必要なポリゴンはHOME経由でアルセウスに持っていくのが最も効率的と言える。
一覧
通常の通信進化(LEGENDSシリーズではつながりのヒモを使用)
道具所持での通信進化(LEGENDSシリーズでは使用)
- ニョロゾ(おうじゃのしるし所持)→ニョロトノ
- ヤドン(おうじゃのしるし所持)→ヤドキング
- イワーク(メタルコート所持)→ハガネール
- サイドン(プロテクター所持)→ドサイドン
- シードラ(りゅうのウロコ所持)→キングドラ
- ストライク(メタルコート所持)→ハッサム
- エレブー(エレキブースター所持)→エレキブル
- ブーバー(マグマブースター所持)→ブーバーン
- ポリゴン(アップグレード所持)→ポリゴン2(あやしいパッチ所持)→ポリゴンZ
- ヒンバス(※きれいなウロコ所持)→ミロカロス
- サマヨール(れいかいのぬの所持)→ヨノワール
- パールル(しんかいのキバ所持)→ハンテール
- パールル(しんかいのウロコ所持)→サクラビス
- シュシュプ(においぶくろ所持)→フレフワン
- ペロッパフ(ホイップポップ所持)→ペロリーム
※ポケモンコンテストが無い作品での進化方法。『BW』以降(『ORAS』と『BDSP』除く)の全作品が該当する。また、あらかじめ「うつくしさ」を最大まで上げてから持ち込んでレベルアップすることでも進化できる(『剣盾』除く)。