概要
開戦時は白露型の白露・時雨と初春型の有明・夕暮で編成されていた。当初は名称が第九駆逐隊であったが、横須賀鎮守府から佐世保鎮守府に転籍した際に第二七駆逐隊へと改称された(第九駆逐隊の方は入れ替わりで朝潮型4隻の駆逐隊になる)。
なお、この編成は第九駆逐隊としては四代目、第二七駆逐隊としては三代目となる。
太平洋戦争中は、蘭印攻略・インド洋機動作戦・珊瑚海海戦・ミッドウェー海戦と広範囲で活動し、第二段侵攻作戦のため第四水雷戦隊に転籍して鼠輸送や第三次ソロモン海戦等のソロモン諸島攻防戦に従事した。
1943年(昭和18年)7月、第四水雷戦隊の解隊にともない第二水雷戦隊に編入されるも、夕暮・有明が相次いで戦没したため、最後の1年は白露型の五月雨・春雨を含めて白露型4隻の駆逐隊となった。
略歴
1935年(昭和10年)4月1日:夕暮の竣工を機に編成。翌年9月7日に時雨が竣工し編成完結。
1935年(昭和10年)11月15日:第一艦隊第一水雷戦隊。
1938年(昭和13年)12月15日:佐世保鎮守府に転籍、第二七駆逐隊に改称。佐世保鎮守府予備艦。
1939年(昭和14年)11月15日:第一艦隊第一水雷戦隊。
1942年(昭和17年)7月14日:第二艦隊第四水雷戦隊に転籍。
1943年(昭和19年)7月20日:四水戦解散、第二艦隊第二水雷戦隊に転籍。
1943年(昭和18年)7月20日:夕暮戦没、10月15日除籍。
1943年(昭和18年)7月28日:有明戦没、10月15日除籍。
1943年(昭和18年)10月1日:7月1日に解隊した第二駆逐隊より五月雨を編入。
1943年(昭和18年)11月30日:7月1日に解隊した第二駆逐隊より春雨を編入。
1944年(昭和19年)6月8日:春雨戦没、8月10日除籍。
1944年(昭和19年)6月15日:白露戦没、8月10日除籍。
1944年(昭和19年)8月26日:五月雨戦没、10月10日除籍。大島駆逐隊司令は三二駆司令に転じ、時雨艦長が司令代理を兼務。
1944年(昭和19年)10月10日:解隊。時雨は所属不明のまま西村艦隊に配備。
(1944年(昭和19年)11月15日:時雨、第一水雷戦隊第二一駆逐隊に編入)
(1944年(昭和19年)11月20日:第一水雷戦隊解隊。所属艦全艦は第二水雷戦隊に合流)
(1945年(昭和20年)1月24日:時雨戦没。3月10日除籍)
艦隊これくしょんにおいて
他の駆逐隊に比べると知名度が低く、イラストは少なめ。有明と夕暮もサービス開始から7年以上も経っての実装とあって、描かれるイラストは長らく白露と時雨のコンビ(しらしぐ)か、終盤の白露・時雨・五月雨・春雨の4人で描かれていた。有明・夕暮実装後はこの2人を加えた作品の投稿も徐々に増えつつある。
結成時編成
第4代「第九駆逐隊」として新規編成された有明・夕暮・白露・時雨の4隻だが、全員揃ったのは艦これサービス10周年直前となる2023年3月の事だった。
上記イラストは、左から時雨(アニメ2期オリジナルの「時雨改三」の意匠)、白露、有明、夕暮。
再編時編成
先述の通り、1943年(昭和18年)7月に夕暮・有明が相次いで戦没し、同年11月末、7月に稼働艦が「五月雨」のみとなり解散となった第二駆逐隊から姉妹艦「春雨・五月雨」が加えられ、次の編成となる。
左から白露・時雨・五月雨・春雨。
初期艦のひとりである五月雨、はかなげな個性で人気が高い時雨、入手難易度がレアリティ詐欺と言われた漣を上回るという噂がある白露はサービス開始当初からいる艦娘であり、序盤の海域でもドロップし建造でもALL30の最低値で入手できる。しかし春雨の初出は2014年夏イベント『AL作戦/MI作戦』第1海域突破が初出で、建造不可。現在は最深海域の6-3やイベント海域でしかドロップせず、現在でも入手は困難である。有明も通常海域で期間限定ドロップが実施された事こそあるものの、現状イベント海域でしかドロップしない。
公式展開の経緯
ゲーム内で第二七駆逐隊の名が出たのは、2016年3月11日のアップデートにて、第二七駆逐隊の編成・出撃任務が追加されたのが最初。メンバーは上で述べた後期の編成が指定されている(旗艦は白露改固定)。
出撃海域は2-3(東部オリョール海)なので、レベリングや近代化改修が充分なら突破自体にそれほど苦労はしないが、ネックになるのはやはりメンバー全員を揃えることだろう。
2018年7月に白露改二が実装されたことにより、時雨改二とペアを組む「精鋭27駆第1小隊」出撃任務が追加された。
公式メディアミックス漫画「水平線の、文月」では「白露」「時雨」「春雨」「五月雨」の最終編成時メンバーで登場。ただし第二駆逐隊である「村雨」「夕立」が戦没しているからといったネガティブな設定はなく単に「ゲーム実装済の艦で白露・時雨と一緒に4隻編成の第二七駆逐隊を結成できるメンバーが最終編成時の春雨と五月雨しかいなかった」だけのようで「有明」「夕暮」が実装済であれば開戦時編成での登場となっていたと思われる。現に夕立は「別の鎮守府で活躍している」といった描写がなされている。
そんな中、艦隊これくしょん2019年カレンダーの8月にて「白露改二」・「時雨改二」と一緒に、これまで実装されたどのイチソ艦とも違うと身元不明の2隻の艦が小さく描かれている事が密かに話題となった。提督達の間ではこの2人が初春型5番艦「有明」・6番艦「夕暮」ではないかとの予測が噂されていたが、翌2020年7月、遂に有明が実装された。
なお、2021年カレンダー4月にも白露・時雨・有明と赤毛の艦娘が登場しており、こちらも「夕暮」ではないかとの憶測がなされていたが、後述のアニメ2期で先行登場した後の2023年3月1日のメンテナンスにより実装された。
『「艦これ」いつかあの海で』においては「二七駆、もうあんただけなんでしょ」と、既に構成艦が全て除籍/戦没した事が山城の台詞から示唆されている。
つまりあの世界においては、劇中で既に除籍された白露だけではなく有明、夕暮、春雨、五月雨も既に(下手をすればこの世に)いない可能性がある…。
7話において白露・有明・そして放送時点はゲーム内未実装の夕暮による在りし日の第二七駆逐隊が回想シーンにて登場したが、史実では有明と夕暮が戦没した後に二七駆に加わった春雨と五月雨については結局言及される事はなかった。しかし春雨と五月雨に触れるという事は第二駆逐隊の村雨・夕立も除隊或いは戦没したという事になってしまう。
回想シーンは未だ全艦が健在だった時だった事と1話での白露の大破後の除隊の件もあり、時雨にとっても思い出すには辛い記憶になっていた可能性が高い。
「駆逐艦魂」において
ゲゲゲの鬼太郎などでお馴染みの巨匠、水木しげるの短編作品「駆逐艦魂」でも主人公の所属する駆逐隊として第二七駆逐隊が登場する。歴戦四十数回で不敗を誇る(架空の)駆逐艦「旋風」を司令艦とし、「満月」「曙」「村雲」の四隻編成となっている。
名を継ぎしもの
※自衛艦これ記事も参照のこと。
1954年3月に締結された日米艦艇貸与協定に伴い、米海軍フレッチャー級駆逐艦2隻が海上自衛隊に貸与され、以下の通り改名され海上自衛隊で運用された。これら2隻が日本海軍及び海上自衛隊で運用された艦艇としては3代目となる。
- USS DD-667 Heywood L. Edwards → JS DD-183 ありあけ(※近日ゲームにも実装予定である事が示唆されている)
- USS DD-668 Richard P. Leary → JS DD-184 ゆうぐれ
現役艦はむらさめ型護衛艦の艦名として引き継がれており、「ありあけ」が上記に続く4代目、「はるさめ」が初代むらさめ型に続く4代目、「さみだれ」が本作品に登場する白露型駆逐艦「五月雨」に続く2代目である。