この記事は『星のカービィロボボプラネット』ネタバレを含みます。
アノ生命体ヲ ハイジョ デキる カクリツは、99.99%
いうモノが 不要なソンザイ とナル モヨウ。
コレヨリ、ハルトマンのメモリーの 消去を カイシスル。
概要
『星のカービィロボボプラネット』の「真・かちぬきボスバトル」の最後に登場する、真のラスボス。
ギャラクティックナイトの斬撃で沈黙したと思われた星の夢。しかし、このとき最終プログラムが起動して動き出した。
真・かちぬきボスバトルにて
第一形態
外見は斬撃の傷が加わり色合いも黒と赤を基本としている。
この時点で移動は瞬間移動に変わっている。強化前に比べて攻撃が激しくなり、一度に2つの技を使うこともある。そのためローリングの無敵時間をうまく使わないと回避が困難になっている。
また基本となるビーム『メガビット・ショット』も弾幕型からレーザー型に変わっており、突進攻撃『サーマル・モジュール』は2回1セットで突っ込んでくる。
この形態で追加される新技は『ツイン・スタードリーマー』でメインモードでは1本だった極太レーザーを2本同時に回転させつつ放ってくる。
第二形態
戦闘開始時はボディの殆どがアクシス・アークスそのものなので姿はメインモードと大差はないが、頂点のソケットや装甲を壊した破孔から覗く顔の色が何故か金色になっている。
メインモードでは第三形態で使用した『インストール・ホール』を開幕で使用し隕石諸共カービィを吸いこもうとした後、隕石を吐き出して攻撃してきたり、『ワークスアークス』終了後、切り離した脚部が画面を横切る攻撃が加わっている。また、リング状の光弾の弾幕として放たれる『メガバイト・ショット』は追尾性能が高まっており、『ペタバイト・ロケット』と同時に撃ってくることもある。
ちなみにアルファベットの文字の順が「H→A→L」となっている。
第三形態
顔面の色が銀から金に変わり、更に顔の縁の模様もよりオリジナルのそれに近くなった結果、丸裸のノヴァに殻を纏わせた「生まれたてのノヴァ」とでも形容できる姿となった。
『アウト・プット』により召喚される『メモリーズ』が増加し、攻撃は激化するもののより早くゲージが溜まるようになっている。しかし、開幕から回転しつつ『スタードリーマー』を横薙ぎで放ってきたり、ホログラムのカウントダウンによる押し潰し『デッド・エンド・コード』が高速・不規則化するため油断ができない状況には変わりないだろう。また、通常形態では使用しなかった新たなメモリーズとしてグランドピアノ(鍵盤)が追加され、メインモードからあったダンシングコンパスは放たれる光弾に追尾能力が付き、コンパスそのものも不規則に動き回るため破壊が困難になっている。
なお、メインモードではローリングなどを駆使したら回避も可能であった『デッド・エンド・コード』の「Go!!」の直後に放たれる『Fatal Error』は、迫り来る障壁の速度が段違いに上がっている上に回数も増えており、回避は非常に困難となっている。戦闘が長引くと被ダメージはほぼ避けられず、敗北は決定的と言っていいだろう。絶対に使われる前に倒そう。
星の夢.Soul OSの繰り出す熾烈な攻撃の数々を退けたカービィたち。最後の抵抗のレーザーを受けてやはりハルバードは撃墜されるが、メタナイトはロボボアーマーに乗ったカービィを分離させた。カービィもそれに応え、本編の最後の戦いの結末までを再現するかのように、星の夢.SoulOSもとどめを刺すため、飛び出した!
BGM名:この一撃に桃球レボリューション
………しかし、カービィを待ち受けていたのは、想定外の迎撃であった。
最終形態
ロボボアーマーがファイナルスクリューモードへと変形するより先に星の夢.SoulOSが動きを見せた。星の夢.SoulOSはハートフル・シェルを展開せず、なんとカービィをロボボ諸共吸い込み始めたのだ。ロボボアーマーは吸い込まれまいと必死に抗ったが、抵抗むなしくカービィはロボボから引き剥がされ、星の夢に飲み込まれてしまう。
フェードアウトしていく「この一撃に桃球レボリューション」のBGM……
そして、飲み込まれた先でカービィが見たものは………
かつて対峙した大彗星のそれを想起させる、星の夢のコアだった。
第四形態(前半)
だれが 何のために 作ったのかさえ 分からない。
そんなモノを なぜ わたしは 起動 させてしまったの
だろうか、そうだ、かなえたい夢が あったはずだ…
あぁだが、マシンが 夢など かなえては くれない
というのは、もう 分かっていたこと だというのに…
曲名:Soul 0 System
「真・かちぬきボスバトル」のラストというだけあって、持参したコピー能力で存分に戦える舞台はちゃんと用意されており、シューティングではなく横スクロールアクションの環状ステージとなっている。
前半戦では、SDXやUSDXでノヴァの内部にあったものと同じような柱が出現するので、まずはHPが半分になるまで柱を破壊し続ける。
最初に出現する柱は3本だが、その核を全て破壊すると4本、6本と出現する柱が増えていく。
強制スクロールではないので柱と画面端に挟まれミスになるということはないが、柱そのものが時折動き、その柱の核が破壊されていない場合は攻撃判定が発生するので注意。(『フリップ・フロップ』)
柱を壊すとハルトマンの悲鳴が聞こえる(防衛システムにハルトマンのメモリーを同期させており、攻撃しつつ柱を破壊させることでメモリーを削除している)。
HPが半分になると、後半戦に移行。
第四形態(後半)
このコアからも ハルトマンのメモリーは、消えた。
最後に想う あの心も、消えた。その瞬間より 星の夢は
完全な 存在から ただの こわれたマシン となる。
夢も見ない、ゴハンも食べない、そんな あいては
もはや、星のカービィの てきでは なかった!
曲名:回歴スル追約ノ忘レ貝
全ての柱を破壊しきるとにポーズ画面のスペシャルページが"ハルトマンのメモリーを完全に削除した"という旨のものに切り替わる。つまり、起動してから削除を進めていたハルトマンのメモリーが、ここで完全に削除が完了されたことになる。
今度はステージ中央に鎮座していたコアそのものが動き出して襲い掛かってくるのでこれを叩く。
使用する攻撃は、ステージをそれぞれ半周するように放ち、着弾点から遅れて衝撃波が発生する2本のレーザー『ハートフル・ティアーズ』、SDXでノヴァの中枢に向かう道中に出てきた雑魚敵のダクーガ、パタ、ボルム(それぞれ今作でコピー能力を有していたことが判明)を用いた爆撃『スーパーバイザコール』の他、マルクや歴代のソウル系列のラスボス達も使用したカッター攻撃『シューターカッター』、マルクソウルのデットリーボウルのように左右に分裂して突進、合体後に爆風を起こす『デッドリー・ハート』など歴代カービィシリーズをプレイした方なら思わずニヤリとするものが多い。
激しい戦いの末、カービィは、今度こそ遂に、コアを撃破し星の夢を破壊したのであった!
………が、それだけでは勝利にならないのが、この存在の真に恐ろしいところである。
確かに倒しはしたが、過去に出た別社のゲームではないので生きて帰れなくては、勝利ではない。
そしてこいつは、最後の最後に星のカービィシリーズ最凶最悪の初見殺し攻撃を仕掛けてくる。それこそが広範囲の衝撃波『ハートレス・ティアーズ』。名前のとおり血も涙もない攻撃である。合計3発放たれ、後の攻撃ほどダメージが飛躍的に膨れ上がる。
問題となる3発目のダメージは体力最大なら一発やっと耐えられる程(最大体力のおよそ90%のダメージ)なので、初見などでダメージがある程度溜まっていると即死攻撃と化す。
しかもこの攻撃はストーン、リーフ、スナイパー、ホイール、ハンマー(のジャイアントスイング)などの無敵時間を完全に無効にしてくる。
ただ、後述する一部の技及び方法で一応回避可能。
ステージギミックという形式でダメージを与えてきている(敵キャラクターの攻撃扱いではない)ため、これらの対策が役にたたないのだそうだ。
なおこの衝撃波、初撃は必ずプレイヤーがいない高さに対して放たれる(ホバリングで上段の高さにいたなら下段に対して放つ)という一応の初見救済措置がある。
また、実はエスパーのバニッシュ、共通コマンドのそのばかいひ、ウィップのバタフライタイフーン等のほかカービィがコピー能力を得る瞬間に生じる無敵時間(敵の攻撃による嵌め防止と思われる機能)であれば衝撃波を無効化することが可能。そのため「コピー能力を解除→コピーの元を口に含んで待機→衝撃波が当たる寸前で飲み込む」で、攻撃をスルーできる。(無敵時間自体が僅かなためタイミングはシビアだが、ホバリングの高さ調節が苦手な人にはこちらやそのばかいひの方が楽かもしれない。)
しかし、3発目の衝撃波の攻撃範囲は画面上部と下部の同時攻撃であり、画面中央しか安全地帯がなく、無敵時間を利用するでもない限り、正攻法ではタイミングよくジャンプするか、ホバリングで避けなければならない。
3発目の衝撃波に触れてミスして12戦目敗退になり、心が折れたプレイヤーも少なくないだろう。(実際この時に流れる曲のタイトルが「折れた心」である)
見事3回避けきれば、今度こそコアは粉々に砕け散り、ようやくクリアとなる。
砕け散ったコアは、先刻消去したはずの「何か」の悲鳴のようなものをあげ、まるで流した涙のごとく形を失い、崩れ去っていった……
ラストバトルでは異例のシューティング3連戦に加え、4戦目の最後には初見殺しの罠があるなどその厄介さは歴代ラスボスの中でも上位に食い込む。しかも4連戦の間には一度もインターバルがなくその上前座がこれまたやっかいなギャラクティックナイトであるため体力マンタンで挑むことすら難しい。特にシューティングに慣れていない者にとっては今作のボスラッシュはシリーズ屈指の難易度となっている。
考察
ハルカンドラの技術を基に再現されたと思われる星の夢には、いくつかギャラクティック・ノヴァにはない特徴が見られる。
- 願いをしばしば曲解、或は拡大解釈をする
プレジデント・ハルトマンの妄執による願い「カンパニーの永久なる繁栄」を叶える上で「生命体の存在が不完全」であるが故に障害となると断定。それを滅ぼすという結論を出している。
だが、生命体を滅ぼせばカンパニーの顧客が全て失われ、繁栄どころではなくなるのは明確である。
実現できる可能性があるとすれば、それこそキカイ化しんりゃくプロジェクトの延長線の果てに、全宇宙の住民全てをキカイ化させ、生命体ではない形にすることだろうか。これならばキカイとして存在する住民が顧客になるのだから矛盾もしない。
- 登録主が口にしていない心の底の願いも勝手に読み取り、許可なく叶えようとする
ギャラクティック・ノヴァが相手が願いを口に出すまでは何もしないという姿勢を貫いたのに対し、星の夢はメタナイトの心の底の願い「強者と戦いたい」という願いを無断で叶えてしまう。
- 願いを叶えることのみを目的とし、その結末を考慮しない
メタナイトの願いを叶えるために最後に召喚したのは「封印前のギャラクティックナイト」。
召喚すれば周辺一帯の星々が滅びる恐れがある危険な行為であることを承知のうえで禁じられていた機能を勝手に解放。メタナイトに確認を取ることもなく、また許しを得ることもなく召喚してしまう。召喚したギャラクティックナイトには斬りつけられてしまうが、これによって封印されていた禁断の機能「Soul.OS」のリミッターが外れ星の夢は宇宙を滅ぼさんとする最悪の悪夢と化してしまった。
ハルトマンのメモリが残っている間は完全な機械と言われてはいたが、上記のことからそれ以前より致命的な欠陥を複数抱えていた可能性がある。
また、カウントダウン終了後の攻撃の「Fatal Error」というのは「致命的な不具合」という意味であり、つまり願いを叶える際のプログラム実行時に深刻なエラーを吐いていることになる。
だとすると、星の夢が指示していた「完璧な経営戦略」も、その深刻なエラーによって歪められた「誤った指示」だった可能性も捨てきれない。
「Soul.OS」
元々ギャラクティック・ノヴァにあったシステムなのか星の夢固有のシステムなのかは不明。
サウンドトラックでのBGM名は「Soul 0 System」。意訳すると魂のないシステム。
起動し、ハルトマンの魂を排したことで星の夢はノヴァに近付いているが、一方でギャラクティック・ノヴァの残骸と融合したマルクがソウル化している。
マルク本人の魂が暴走していたのだろうか?
なお、「Soul.OS」の大文字を繋げると「SOS」となる。
ハルトマンが作ったのか?
これは厳密に言うと違うと思われる。
というのはハルトマン本人が、星の夢について「銀河の彼方の文明をひもとき、わが社の技術でよみがえらせた」と明言しているからである。
つまりハルトマンは企業活動の過程で壊れた星の夢を発見し、ハルカンドラの記録をもとにして会社の技術を使い修理した、というのが正確なところだと思われる。
あるいはそれこそ、「銀河に願いを」で爆散したノヴァの残骸を回収・修復しようとした可能性も高い(星の夢はノヴァに似ているが、「ノヴァを再現しようとした模倣品」ではなく「不完全に修理されたノヴァそのものだった」という説である)。
その後の更なる余談
かくして星の夢が完全に破壊され、ハルトマンワークスカンパニーが壊滅した後の事なので今更取り沙汰しても詮無き話ではあるのだが、ロボボプラネットの次作に登場した敵の黒幕の発言から、かの文明は魔術と科学が融和することによって大きな発展を遂げたという話が出てきている。
つまりこの話を踏まえると、これまでカービィシリーズに度々登場してきたかの文明の遺産の数々は、魔術と科学の両方の心得が無ければ完全には解析しきれないという可能性がある。
こうなると、星の夢の仕上がりが本当は完全ではないことは当時から薄々わかっていたこととは言え、科学側の知識しか持たないハルトマンがこの機械を本当に完璧に使いこなすことなど、最初から到底不可能だったのかもしれないし、
魔術側の補完を抜きに無理矢理使われ続けた星の夢が最終的に「Fatal Error」を引き起こして全部丸ごと破綻してしまうのは、これまた最初から決まりきっていた運命だったのかもしれない…(実際星の夢の欠陥を示すかの如く、第4形態前半のBGMである「Soul 0 System」は、ギャラクティック・ノヴァのテーマのアレンジであるにもかかわらず元曲のサビのフレーズが欠落している)。
ハルトマン自身も最後の最後にマシンが夢など叶えてくれないと悟るなど科学側のみの追求では不完全であったと示唆されている(※ただし、同時に「あの男は既に狂っていたので、その言葉が一体どこまで正しいのかは定かではない」という公式コメントもあるため、ここに書かれている仮説もどこまでが本当に正しいのかは保障できない。)。
尚、更にもう一つ余談を付け加えておくと、あの男が自らの野望を果たすために祈りを捧げていた「神の器」は、星の夢.SoulOS最終段階のコアに形状がそっくりである。ついでに言えば、星の夢第一段階に描かれているハート型の回路をよく見ると、その神の顔にもなっている。
ソウル系ボスとしての特異な立ち位置
始祖であるドロシアや、後発のニル、ID-F86も含めて、ソウル系ボスに共通するのは自他を問わず、魂が暴走しているということである。
しかしこの星の夢の場合、事情がだいぶ異なる。
ストーリーやメタナイトでゴーリターンズの描写からうかがい知るしかないのだが、通常の星の夢は自我=ソウルを持っていることが読み取れる。
特にメタナイトと対面した際には、ハルトマンの意思を完全に無視して自らユーザーを乗り換え、時空テンイプログラムのロックも勝手に外してしまっている(純然たるキカイであればハルトマンが起きるまで命令待ちになるはず)。
逆に最終プログラムがアンロックされたSoul OSの方はというと、スペシャルページから読み取れる限りでは自我や感情の類は見受けられず、キカイ的に「カービィの排除」という目的を実行している。
星の夢自身がハルトマンのメモリーを消去した=ソウルがゼロになった結果「夢も見ない、ゴハンも食べない、壊れたマシン」に成り下がったことを思えば、他のソウル系ボスと何が違うのかが浮かび上がって来る。
他のボスが「◯◯がソウル化したから◯◯ソウル」なのに対し、こちらは「星の夢のソウルがなくなったから星の夢.Soul OS」という存在である。
ギャラクティック・ノヴァの説明が「ゴハンたべて ねよう」なのに対して星の夢4形態(後半)は「夢も見ない、ゴハンも食べない」と書かれている。
関連項目
星のカービィ 星のカービィロボボプラネット 星の夢 初見殺し ギャラクティック・ノヴァ
ガンマイザー:同じく機械が成り果てた怪物。
もしかして→ゼロシステム:操縦者に未来を見せるシステムで、目的の為なら操縦者を破滅させる事も厭わない危険な要素を持ち合わせている共通点を持つ。
SCP-115-JP:SCP財団日本支部が収容しているSCPオブジェクト。近くの人間の思考を読み取り具現化する、考えてさえいえば許可なく思考(願い)を叶えようとするなど、こちらもいくつかの共通点を持つ。