人物
1967年生。
既婚者で一児の母。入社直後は商品化権営業部から一般のサスペンスドラマなどを担当。
産休復帰後に特撮に異動、『超光戦士シャンゼリオン』のサブプロデューサーから特撮デビュー。平成ライダーシリーズには、『仮面ライダーアギト』から参加。
サブ時代は主に白倉伸一郎がメインを担当した作品につき、事実上の彼の弟子格となっている。
『仮面ライダーキバ』でメインプロデューサーに昇格。
加えて、アギト〜剣・カブト・電王・ディケイド・ジオウにプロデューサーとして参加している(メインプロデューサーとしての参加は下記の作品)。
令和ライダー4作目の仮面ライダーギーツにおいては令和初のチーフプロデューサーに就任。
当初は小林靖子・井上敏樹といったベテランライターと組んでいたが、4作目の『仮面ライダー鎧武』では新しい風を入れることを重視し実写未経験の虚淵玄らニトロプラス系ライターを起用。
また、渡部秀や佐野岳など、アクションにも長けた俳優の発掘眼が評価されている。
自らが産休を取っていたときの環境や経験からヒントを得る形で、成人視聴者を対象とした役者のトークショーなども企画し、「イケメンライダー」ブームの仕掛人の一人でもある。
予算管理には比較的定評があり、ラスト近くに派手なバトルシーンを配置できるだけの予算をしっかり残している。
彼女の関わった作品は後述の通り、あまり子供向けには見えないシリアスな作風が目立つ。
それが「大人の観賞に耐える」と中学生以上の視聴者の支持を受ける場合がある一方、「特撮はあくまで子供のためのものでなくてはならない」とする層から反発を受けることもある。
作風
師である白倉の影響で善悪二元論に懐疑的を取り、担当する作品では登場キャラクター各々の正義がぶつかり合う要素がよく盛り込まれている。
物語展開においてはタッグを組む脚本家の作風を強く生かすことが多いが、子供向け番組らしからぬ暗い要素(不倫や三角関係、不良同士の争いなど)を取りこんだシリアスなストーリーを展開する傾向がある。
こういったシリアスな要素がメイン視聴者の子供たちに受けづらいのか、残念ながら『仮面ライダーキバ』、『特命戦隊ゴーバスターズ』、『仮面ライダー鎧武』においては、それぞれ当時のシリーズ最低視聴率を更新してしまった(ただ、もともとニチアサ視聴率は低下傾向であったが)。
彼女のメインP担当作品で、視聴率玩具売上ともに好調だったのは『OOO』。手裏剣戦隊ニンニンジャーは玩具は売れなかったが、そこそこ子供受けも良かった模様。また、「キバが好きだった」と語る当時子供だった視聴者も存在している。
キバでのシーン取捨選択
『キバ』ではストーリーにおける重要なシーンがTV放送時にはカットされていたことがDVD発売時に発覚。無論、様々な事情があってカットせざるを得なかったのだろうが、ファンからは「このシーンをなぜ入れなかった」と評されることが多い。
劇場版キバで、本作の脚本を担当した井上敏樹も、「ここは削らないように」と注釈を記した部分が劇場公開版ではことごとくカットされていたとコメント、後に仮面ラジレンジャーに出演した際にはジョークとしてながらもこの件を根に持っているともとれる発言をかましている。
(※カットシーンに関しては、現在ディレクターズカット版としてDVDで鑑賞可能)
反面、唐突なギャグシーンや上記のサービスシーンなどストーリーとは無関係なシーンが多いという声もある。
『復活のコアメダル』におけるライナーノート
自身がプロデューサーを務めた『復活のコアメダル』のDVD&Blu-rayが2021年に8月24日に発売され、その特典として武部氏の本作の制作に向けた思いや公開後の反響に対する考えなどが記されたライナーノートが収録された。
ただ、その内容があの衝撃的な内容を見せられた観客のもどかしさを和らげ、ある程度納得させるようなものかと言われたらそうでもなかったようで、「ライナーノート読んでも、やっぱりこの人の意図がよくわからなかったし、制作陣も何で疑問に思わなかったんだろう。」といった声が相次いでいる。
主なメインプロデュース作品
また、上記のとおり、一部の平成ライダーシリーズにもサブプロデューサーとして関わっている。