同人誌
どうじんし
概要
対義語は商業誌であり、複数人で集まって発表する書籍(合同誌、アンソロジー )も存在するが、現代においては個人で出す本(個人誌)が多数を占めている。
同人誌と言えば「成人向けの2次創作」というイメージがあるが、少なくとも数の上では極一部に過ぎず、大半はオリジナルや全年齢向けに該当する。
同人ゲームや同人アニメも存在するが、同人誌と比較し、圧倒的にハードルが高く、作れるサークルも少ないので特にそのようなイメージはない。
特にADVノベルゲーといったこれまた成人向けによくある作品でなく、据え置き及び携帯機などの本格的なコンシューマゲームや最低でも2時間ほどある劇場版アニメを制作できるサークルは極めて限られる。
歴史
同人誌のはしりは明治時代に刊行された文芸誌『我楽多文庫』である。最初は原稿をまとめて綴じた回覧誌という形式であったが評判が高まるにつれて活版印刷されるようになり、書店にも出回るようになり、無名だった頃の太宰治や芥川龍之介、菊池寛など、現代に名を残した作家たちは作品の発信媒体が限られていたこともあって同人誌からの出発が多く、そこから注目を集めていった。
古い時代の同人誌
コピーや印刷が手軽に行えなかった頃の同人誌は、学校の漫画研究会などのサークルや友人同士によって描かれた「原稿を綴じた冊子を仲間内で直接回覧」したり「小部数を仲間内に配布する」ケースや、よくてガリ版で印刷したものが多く、多くの人の手にわたる形態にはなっていなかった。
特にプロとして現在でも活躍している漫画家がアマチュア時代に作っていた「直接回覧する同人誌」は非常に貴重かつ重要なものとして扱われる事がある。
個人向け印刷の普及
印刷技術の発達およびワープロやコピー機などの編集機器が個人の手に届くようにより、数十部から数百部程度の部数のイラスト・漫画本を作成し多くの人に頒布することが可能となった(ちなみに同人誌にバーコードはないが、自分でISBNを発行できれば不可能ではないらしい
もっともそれ自体が斜陽であるのに加え『消費者側』にも個人向け印刷が普及した場合は定かではない)
入手方法
過去においてはその種の雑誌などに広告が掲載され、そこから郵便にて通信販売を行うことが主であったと思われ、現代でもこの手法をとっているところも存在する(さすがに宣伝はインターネット上のWebサイトに移行している)。