ネタバレ注意
この先には第2部7章『空想樹海紀行 オルト・シバルバー』の重大なネタバレが含まれます。
〔トリスメギストスⅡからの通信〕
『鏡面複写した人類史の濫用』
『3億年に亘る異聞人類史の総括』
『これらを用いた、仮想英霊体の構築を確認しました』
『生物分類:ワン・ラディアンス・シング グランドサーヴァント:クラス フォーリナー』
『ORT が 召喚されます』
主人公「 ───は?」
マシュ「 ──────召、喚?」
「消滅する直前に ───わたしたちの召喚式を学習して ───」
「仮想未来を構築して、英霊として認定された自分自身を召喚、した ───?」
───アレは、正真正銘の、怪物だ」
プロフィール
真名 | オルト・シバルバー |
---|---|
クラス | フォーリナー(グランドフォーリナー) |
性別 | − |
出典 | 『TYPE-MOON』作品全般 |
地域 | オールトの雲 |
属性 | ?・?・星 |
ILLUST | PFALZ |
※ 出典地域は本百科の推測で公式によるものではないので注意。
概要
『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』を『空想樹海紀行 オルト・シバルバー』に塗り替え、ほぼ全ての原生生物を鏖殺しながら突き進んだ究極生命体・ORT、その異聞帯における亜種の名称。
空想樹を食らい異星の神の心臓を贄に復活した事で汎人類史の個体よりも攻撃性が減退した代わりに、水晶渓谷が異聞帯の樹木を空想樹に変化させる恐るべき能力に変質しており、1本でも空想樹が残ると人類史の奪還に無視できない影響を及ぼす為、本来のORT以上の影響力を持つ個体、それがオルト・シバルバーである。
しかし、出力の大半を担う心臓を切り離されていた事を中心とした様々な不調・悪条件が幾重にも重なって大幅に弱体化しており、文字通り皆の決死をかけて遂に歴史上初の討伐に成功。
だが安堵したのは束の間だった。
何と消滅する寸前に、これまで吸収したサーヴァントを介してカルデア召喚式を学習、空想樹で構築した仮想未来によって自身を強引に英霊の座に登録した上でサーヴァント化した自分を召喚するという規格外の方法でORTは復活を果たした。
また召喚中にトリスメギストスが読み上げた『ワン・ラディアンス・シング』と言う文字列、英文字に直すと『One Radiance Thing』、直訳すると「輝ける唯一の存在」、転じて「究極の一」といったところで、おそらくこれがORTにつけられた正式な呼称だと思われる。
容姿は「人型になったORT」といった具合で、サイズも人間より少し大きい程度。カラーリングはスーパーセルの時と同様に金色で流線型のフォルムも相まって、神々しさと同時に不気味さを醸し出している。
元々、そのあまりの強さゆえに存在を知るTYPE-MOON世界のあらゆる生命・知性体に恐れられ畏怖されてきたため、信仰度や記録量は十分あった。
まさかのエクストラクラスのグランドであり、どうあっても人類を滅ぼす存在でしかないにもかかわらず、人類を守る為の機構である冠位霊基を獲得するという無法ぶり。
これは存在する領域を「自分のためだけの世界」に塗り替えてしまうORT自身の特性による可能性もある。その場合、いわば「ORTというただ一人の霊長」のための守護者という訳である(ビーストで例えるなら自分という人間だけを愛するという人類愛を持つ彼女に近い)
誰が言ったか「オルト類の紡いできたオルト理を守護する為に存在するオルト長の守護者ORT」である。
なお、奈須きのこ氏へのファミ通インタビューによると、「あらゆるクラスにグランドがいるなら、フォーリナーのグランドはORT以外あり得ないかなって」とのことであり、まさに隔絶した存在と言える。
モーション中では、全く身動きをせずに背後から太陽風を巻き起こしたり、指先から黒い光弾を形成して頭上にビームを投下するなどの攻撃を披露する。
再び現れた最強の敵との絶望的な戦いを強いられるかに思われた、ノウム・カルデア一行。
その間に割って入ったのは……
宝具
コズミックレイ・バースト
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
正確にはサーヴァント化する前の蜘蛛形態での最大攻撃。
自身の上空に夥しい数の金色の光を具現化。雷の豪雨のように降り注がせ敵を攻撃する。
ロスト・スーパーノヴァ
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
正確にはサーヴァント化する前の円盤状の本体での最大攻撃。
本体下部から発光する触手の様な器官を形成し、本体と攻撃器官から極大のビームを掃射する。
この攻撃のみ、宝具としての演出、カットインが入る。
ソーラー・ストーム
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
サーヴァント化したオルト・シバルバーの状態での最大攻撃。
英霊として手に入れた能力を用いて、疑似太陽を形成し太陽風を放出する。
余談
『Fateシリーズ』にORTが登場する事が示唆された時点で「ORTもサーヴァント化しうるのではないか」という予想をしていた者も一定数居り、それが現実になった形とも言える。
グラフィックも忠実に作られており、ここから一部では「オルト・シバルバーがカルデアに召喚、または縁を辿って勝手にやって来てしまった」という、恐怖極まりない展開設定の二次創作がチラホラ皆無見え、マスターからもこうなる可能性を危惧する声が上がっている。
だが、ストーリー上の観点から見て、この姿でプレイアブル実装される事は恐らくは無いだろう。
バランス云々以前の問題としてORTにとっては座すら餌でしかない事は結晶化による吸収、ロストによって散々目の当たりにさせられている訳であり、そして座の本体が交流を行っているらしい描写がこれまで散々なされていたことを踏まえると、万が一コイツを霊長の守護者として利用しよう等と欲をかいた瞬間、座の全てがコイツのハッキング対象となりその全てを喰らい尽くす事でサーヴァント=ORTの触手という定義を勝手に世界に刻みかねないのである。(言うなれば触れたものを自分にして複製するウィルスを自分からセキュリティの内側に招き入れる行為であり、文字通り自殺行為である)
ただしORTのサーヴァント化の予想以前にも、前例から「ORTも美少女化するのではないか」という予想もされており、それも含めるのであればこちらのプレイアブル実装によって実現したと言える。
なお、ここまで全てのORT戦においてORTは終始Lv1である。
散々書いたように今回はイレギュラーだったものの、ORTは『空の境界』において蒼崎橙子が提唱した「言葉を喋らず=対話不可能」「正体不明で=理解不能」「不死身である=打倒不可能」という、"人を恐怖させるもの=怪物の条件"を総て満たしている。
これは作中内で終始徹底されており、正にORTは理不尽の権化たる真の怪物であったことが証明された。
関連タグ
デオキシス:触腕、外宇宙からの飛来者、再生能力と共通点が多く。とある形態が酷似している。
主人公「光が ───/収束していく ───」
ククルカン「 ───。」
・・ ・・・・・・・・・・・・・
『警告、侵略異星生命体の降臨を観測』
『時空連続体に異聞記録が挿入されます』
『逆説効果(パラドクスエフェクター)を基にした膨張現象(インフレーション)を確認』
『侵略個体 惑星統括細胞(スターセル)』
『発生区間 観測宇宙時間 146億年に再定義』
『ORT 出現します』
主人公「 ───なんで?/どうやっても、倒せない存在なのか……?」(*)
(*)ぐだ子だと若干台詞が変わる。
今度こそ倒したと思ったのも束の間。
ORTはまさかの再召喚を果たしていた。
直前まで戦っていた人型個体をよりシャープにした姿に霊基再臨を果たしており、体色も銅色、周囲の空間は歪み緑色の宇宙が広がっている状態で降臨する。
しかも、観測期間を146億年へと再定義している。(この数字についての詳細は後述)
仮にこの個体を倒せたとしても、今までと同じかそれ以上の強さで召喚されるのは明らか。
今度こそ、万策尽きたカルデア陣営は絶望しかけるが……
異聞帯ORTの最期
ノウム・カルデア一行の助太刀に入ったククルカンの説明によると、肉体である太陽がミクトランに残っているため『身体の一部があるならば、それ以外の部位もある』という、如何なるパーツも生命維持に必須ではなく再生可能なORTだからこその、逆説的な存在証明を利用した再召喚だという。
また、異聞帯の王であるククルカンは『太陽の教え』と作中で言われている通り、太陽があるから生まれた存在と言う事になり、ククルカン自身もまたORTの存在を証明する存在である事になっていた(実際、ORTの心臓という太陽から存在したククルカン自身が、自身の事をORTと同質の存在だと発言している)。
その事実を把握していたククルカンは、当然こうなることもあらかじめ予測済みであり、『光輝の大複合神殿』の様にORTの心臓である太陽を自身のエネルギー兼超質量にして宝具『星、宙より落ち来たる(ラストサン・シバルバー)』を発動。
・ ・ ・・・・・・・ ・ ・ ・・・
───ORTを倒すものはORTのみ!
自分ごと特攻を仕掛ける事で『ORTの存在を証明する者』はアーキタイプ・ミクトランの予言通り、ORTと共に消滅した。
同時に空想樹の役目をも吸収していたORTが倒された事で第七異聞帯もまた完全消滅することとなった。
さらに余談ではあるが、カルデア一行は第7の異聞帯にして初めて空想樹が切除された異聞帯の最期の瞬間に立ち会うこととなった。
なお、ORTが定義した146億年とは、「ハッブル時間」と呼ばれる天文学の時間計算式に基づくもので、天文学者エドウィン・ハッブルと宇宙物理学ジョルジュ・ルメートルが編み出した「ハッブル-ルメートルの法則」よって算出された数値とされる。
現在は宇宙観測により、さらに精密で高度な計算が可能となり、宇宙誕生は138億年前と定義されるようになった。
実際に作中においてもマリスビリーやデイビットの発言でも138億年が言及されているので、TYPE-MOON世界も同様に138億年前に宇宙が誕生した設定なのだと思われる。
仮にORTがハッブル時間を基準に宇宙を定義したのなら、彼/彼女は自らを「宇宙における原初の生命体」と定義したとも考えられる。
「原初であり宇宙である」と定義されたのであるなら、オルト・シバルバーは「宇宙の歴史そのもの」という、人理の理解に及ばない凶大な怪物へと自らを作り変えた可能性さえある。
言い換えるなら、ORTを殺すことは宇宙を殺すことに等しいとしたとも言い得る。
もうスケールがバグり過ぎて、真剣に考えることさえ放棄してしまうレベルである。
幸いだっだのは、FGOのORTのいた場所が「異聞帯」という本来の宇宙からは隔絶された世界だったことであり、南米異聞帯独自の神話的な宇宙法則と歴史によって、多少なりとも宇宙という意味がスケールダウンを起こしていた可能性がある。
仮にもし、ORTが現代科学における宇宙の定義を参照していた場合、考え得る限りに最強最悪の宇宙怪物が爆誕してしまうこともあり得たかもしれない。
一方で146億年に近い数字を持つ物に、HD 140283(通称:メトシェラ星)という恒星があり、一説には148億(±8億)年というビッグバン以前から存在する可能性まで提唱されている。