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リバティアイランドの編集履歴

2023-10-16 17:44:12 バージョン

リバティアイランド

りばてぃあいらんど

2020年生まれの日本の競走馬。主な勝鞍は2022年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2023年の牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)。2023年に史上7頭目の牝馬三冠を達成した。2022年JRA賞最優秀2歳牝馬。現時点で上がり3ハロンの日本タイ記録を持つ。 2003年生まれの同名馬もいるが、こちらは牡馬で後に地方競馬に移籍した。

プロフィール

生年月日2020年2月2日
欧字表記Liberty Island
馬名意味米国ニューヨーク湾の自由の女神像が建っている島(母・ヤンキーローズからの連想)
性別
毛色鹿毛
ドゥラメンテ(JPN)
ヤンキーローズ(AUS)
母の父All American(AUS)
生産者ノーザンファーム
馬主サンデーレーシング
管理調教師中内田充正(栗東)

父ドゥラメンテは優れたパフォーマンスを持ちつつも故障に悩まされた2015年のクラシック二冠馬。引退後は種牡馬入りするも産駒の活躍が期待されていた中早逝してしまうが、タイトルホルダースターズオンアースを筆頭に多くのGⅠ馬を輩出している。リバティアイランドはそのドゥラメンテの3年目産駒の一頭。

母ヤンキーローズはオーストラリアでG1を2勝し、そのうち1勝はスプリングチャンピオンステークスで、牝馬としては初制覇。引退後は日本に輸入され、リバティアイランドは第2仔である。牝系をたどるとビコーペガサスの母、Condessaにつながる。


経歴

デビュー前

一口100万円で40口分募集がかかり、無事完売した。


2歳時(2022年)

7月30日、川田将雅騎手を鞍上に新潟の新馬戦(芝1600m)でデビュー。単勝2.1倍の1番人気に推される。道中七番手で進むと、4コーナーを回っての直線で爆発的な末脚を披露して前で粘る二頭をこともなげに追い抜き悠々とゴールイン。そこで電光掲示板に表示されたのは上がり3ハロン31.4秒と言いう数字だった。これは2022年5月の韋駄天ステークス(新潟芝直線1000m)でルッジェーロが出した記録とタイであった。ちなみに韋駄天ステークスは古馬オープン戦である。そしてリバティアイランドが走ったのは新馬戦である。もう一度言う。上がり3ハロンの日本記録が出たのは方や古馬の千直、方や新馬のマイル戦である


…おわかりいただけただろうか。距離が600m長く、カーブのあるコースを走ったとしても、格上とされる古馬の直線スプリントと同等の末脚をデビュー時点で発揮できるという驚異的な能力を有する馬だったのである。ネットは騒然となり、多くの競馬ファンからの注目を集めた。


2戦目はアルテミスステークス(東京芝1600m・GⅢ)に出走。

直線で進路を失ってしまったが、上がり33.3秒の末脚を発揮して何とか2着に入る。


そして3戦目は初GⅠとなる阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神芝1600m)に1番人気で出走。

中団の外めでレースを進め、今度は進路クリアで直線に突入。残り200mで先頭に立つと、2馬身半差で圧勝した。ドゥラメンテ産駒はこれでこの年のGI・jpnI通算6勝目となった(その後ドゥラエレーデホープフルSを勝ち7勝となる)。

当然ながらこの年の最優秀2歳牝馬を満票で受賞。すでにクラシックホースを2頭出しているドゥラメンテ産駒だけに、2023年牝馬クラシックでの活躍にも期待がかかった。


3歳時(2023年)

桜花賞

クラシックイヤーの2023年は一冠目の4月9日桜花賞へと直行。

引き続き川田騎乗のリバティアイランドは2枠3番を引き、当日は単勝1.6倍の圧倒的1番人気。

1枠2番には武豊騎乗の2番人気・ディープインパクトラストクロップ世代のライトクオンタム、3枠5番にはライバルクリストフ・ルメール騎乗の3番人気・クイーンカップ勝ち馬ハーパーとライバルに挟まれた枠となり、ルメールや武らとの激しい駆け引きも予想されていた。


が、リバティアイランドはスタート後周囲と争うことをせずに手綱を抑え、後方3番手まですっと下げた。そこから直線の入り口で外に持ち出し、上がり3F32秒9の末脚でまとめて差し切った

2着コナコースト・3着ペリファーニアは道中先行グループの前が止まらない馬場の中、一頭抜けた末脚を発揮して人気に応え、一冠目を掴み取った。

鞍上の川田将雅騎手は前年のスターズオンアースに続き桜花賞2連覇。

またドゥラメンテ産駒としてもスターズオンアースに続き桜花賞2連覇かつ、ファーストクロップから3年連続で3歳クラシック競走の勝ち馬を輩出することとなった(2021年タイトルホルダー菊花賞2022年スターズオンアース:桜花賞・オークス)。

ちなみに、単勝1番人気の馬が桜花賞を勝利したのは2014年ハープスター以来9年ぶりであるが、奇しくも鞍上が同じく川田騎手で、最後方から全馬差し切るという戦法も全く同じだった。

加えて前述の32秒9という上がり3Fタイムもハープスターと同じで、桜花賞最速タイである。

また、中内田調教師は2歳GⅠを数々制していた反面3歳クラシックは長らく勝てていなかったため、今回も「中内田厩舎の馬がクラシックに出ると勝てない」といったジンクスが実しやかに囁かれていたが、今回の桜花賞によってそのジンクスを乗り越え、悲願のクラシック制覇を達成した


オークス これほどまでに強いのか


桜花賞後、日本ダービーへの出走をファンから期待された中、予定通りオークスへ向かった。


3枠5番に入ったリバティアイランドは、1600mでの鮮烈な勝ち方からマイラーではないかという懸念(とはいえ、この日のオークスに出走する馬は全頭が2400m未経験)、3枠から直近20年で勝ち馬が出ていないこと、さらに中内田厩舎の2400m成績が不振であること、そして当日のパドックでも厳しい評価が付けられたりと、不安要素は多かったものの、桜花賞での鮮烈な勝ち方が評価され、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持された。


そして、先程挙げた9年前のハープスターはオークスで単勝1.3倍に支持されたにもかかわらず、ヌーヴォレコルトを差しきれず2着と敗れており、その再現を危惧する声もあった。


レースが始まると、中団からの競馬となった。そして4コーナーから進出を開始すると、直線では抜群の手応えを発揮。残り200mで粘りを図るラヴェルをあっという間に交わして先頭に立つと、もうそこからは後続を離す一方。レース前の全ての不安を消し飛ばす6馬身差の完勝で2冠を達成した。オークスにおいてこれだけの着差は1975年のテスコガビー(8馬身差)に次ぐ、史上2位の記録である(日本中央競馬会設立前も含めれば4位)。あまりの強さにFNN版の実況アナ(※1)がゴール後に「これほどまでに強いのか!リバティアイランド!」と、父ドゥラメンテを彷彿とさせるセリフを言うほどだった。


この勝利によって、昨年のスターズオンアースから2年連続でドゥラメンテ産駒が牝馬2冠を達成した。中内田調教師は1600m以外のGⅠ初制覇、川田騎手は5馬身差の圧勝劇を演じたジェンティルドンナ以来のオークス制覇となった。

上がり3F34.0は今回も上がり最速だった。


この勝利によって、LWBRR(ロンジンワールドベストレースホースランキング)において、本馬にこれまでのオークスの歴代最高値である115ポンド(アーモンドアイやジェンティルドンナなど)を大きく上回る120ポンドが付けられた。牝馬によるアローアンスを考えれば、あのディープインパクトの日本ダービーと同等のパフォーマンスと評価され、シーザリオのアメリカンオークスと並び、この時期としての牝馬最高タイを記録した。翌週の日本ダービーでダービー馬に輝いたタスティエーラよりも高い値が付いたことがこの馬の異質さを証明していると言える。


秋華賞 圧巻の三冠天井知らずのポテンシャル

オークスの後は秋華賞に直行し、来年には海外遠征も視野に入れている様子が後に発表された。

思えば父ドゥラメンテも、同父の先輩スターズオンアースも、2冠制覇から怪我を発症し、三冠はならなかった(後者は秋華賞で三冠に挑戦したが3着。)。その無念を越え、天にいる父に三冠を届けることは出来るかどうか。

競馬ファンからは、そうした期待もあり、今後の活躍が注目されていた。


そして秋華賞当日、最高のポテンシャルで挑んだリバティアイランドは3枠6番、鞍上に川田騎手を乗せて出走。オークスの勝ちっぷりから、単勝オッズ1.1倍、単勝支持率67.3%の圧倒的1番人気に支持された。


序盤及び中盤は馬群の中で様子見つつ、第3コーナーの途中から外に寄り、第4コーナーで仕掛け始めてコーナーを抜けると同時に先頭に立ち最終直線を駆け抜けていった。


外からマスクトディーヴァが猛追するも、リバティアイランドが一馬身差で逃げ切り、父・ドゥラメンテが怪我で、そして同じドゥラメンテ産駒のスターズオンアースが果たせなかった三冠を獲得した。

尚、阪神JF勝利馬による牝馬三冠達成は2010年アパパネ以来13年ぶり史上2頭目となる

奇しくもこの日は川田騎手の38歳の誕生日であり、この秋華賞の勝利により川田騎手は史上4人目(他3人は武豊福永祐一クリストフ・ルメール)となるJRAの3歳限定GI完全制覇、及び福永祐一に続く史上2人目の世代限定GⅠ(2歳限定・3歳限定GⅠ全10競走)完全制覇を達成。

普段は感情を表に出さない川田騎手も今回ばかりは嬉し涙を流し、「ジョッキー生活20年目で競馬の神様がくれた最大のプレゼントだなと思ってます」とコメントした。



特徴・エピソードなど

ハープスターの再来

上述の通り、新馬戦で上がり3ハロン31秒4の日本タイ記録を記録した末脚が武器であり、それを活かした差し~追い込みが基本戦法。桜花賞制覇時には、あまりの強さに同じく川田騎手の追い込み戦法で桜花賞を勝った「ハープスター」を彷彿とさせるとして名が挙がっている。

それゆえに、オークスでは差し届かずで敗れてしまうのではないかという不安もあった。なお、結果は経歴の通りである。


リバティアイランドミスド構文

この記事のメイン画像でリバティアイランドとポンデリングが一緒に描かれているが、これには元ネタがある。

netkeiba.comの競走馬データベースには一頭ごとに「掲示板」があるのだが、2023年1月3日にこんな文書がファンにより投稿された。


阪神JFを制し、もはや牝馬クラシック路線の主役は間違いなしの中、もし桜花賞でリバティアイランドが負けるなら...と考えてしまい正月から不安…という内容なのだが、そこで挙げられた敗因が

  • ゲートトラブルでリバティアイランドのゲートだけ1分間開かない
  • 馬運車の運転手が間違って阪神ではなく福島に運んでしまう
  • ミスド好きの装蹄師が蹄鉄と間違えてポンデリングを蹄に打つ
  • メンコの代わりにオールドファッションをつける
  • 甘いもの好きな川田騎手鞭と間違えてチュロスを持って騎乗してしまう

というものであり、多くの競馬ファンの腹筋にダメージを与えた。なお、実際の結果は経歴の通りである。

また、一部のファンからは「蹄鉄がポンデリングになったり鞭がチュロスになったくらいでは負けない」という声もある。


注釈

※1:フジテレビ・立本信吾アナ。よほど興奮していたのか、実況席の机をバンバンと叩く音もマイクに乗ってしまっていた。


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