概要
意思を持つ巨大惑星型生命体で、正体を隠しながら様々な星々を貪り食い、現在の大きさまで成長した。
なお、チェンジマン達がその正体を知ったのは最終回だが、唯一預言者ゼグだけがその正体を把握していた模様。
チェンジマン達の抵抗の為に延々と地球侵略が進まないばかりか、地球侵略の担当を任せていたギルーク司令官部隊の中から、初めて組織の離反者まで出てしまった事に業を煮やし、ハレー彗星の尾に隠れて進軍。地球も今までの星々同様に喰らおうと目論んだ。
メルル星人さくらの導きでバズーの潜伏場所と思い込みやって来たチェンジマン達や伊吹長官を呑み込み消化しようとするも、ゴズマに反逆する宇宙人達の協力や、一緒に飲み込んだメルル星人のメモリードールをチェンジマンの『パワーバズーカ』の音を聞きつけやって来たギョダーイの巨大化光線で巨大化されて脱出を許してしまう。
その後、その巨大過ぎる身体が仇となり、碌な抵抗もできずに為す術なく中枢部にチェンジロボに搭乗したチェンジマンの侵入を許し、最期はその中心部分に『電撃剣スーパーサンダーボルト』を叩き込まれて宇宙の藻屑と化した。
考察
『惑星を喰らう同サイズの生命体』という生態自体が惑星の住人目線では、スケール的に桁違いの攻撃力を有する様に見えるゴズマスターだったが、反面外敵との戦いでは碌な抵抗すら出来ずに心臓部への一撃を許し滅び去ると、体感的な戦闘能力は歴代戦隊敵組織の首領及びラスボスとしては低い方であった。
これは人間に例えると、海(宇宙)を遊泳している所で電気(毒)クラゲ(チェンジロボ)に出くわしたと考えれば納得がいく。惑星の住民目線のスケール違いを除けば結局、ゴズマスターは『惑星を捕食する』以外の事がほぼ出来ない一介の生命体に過ぎなかったのだ(※星王バズーの姿が『四肢の無い(≒外敵への抵抗手段が皆無に等しい)巨人』だったのもある種の伏線と見れる)。
また、彼が単独で行動せず“星王バズー”を騙ってゴズマを組織したのも、捕食する対象の星の抵抗力を削ぎ弱体もしくは無力化させる、『狩猟の猟犬』の役割を欲したからだとの考察も出来る。
しかし、弓矢や銃の様な『狩猟の道具』としてゴズマを扱い切れなかったのは、結果的にバズー/ゴズマスター自身の首を絞める事になった。地球侵略=獲物の追い込みにゴズマが手こずった挙句、構成員の一部が心変わりして離反する=飼い慣らしたと思っていた猟犬が自己を取り戻して逃げ出す事態を招いたのは、侵略行為の貢献度で願いを叶えてやる等の餌で他者の自由行動を自分の都合のいい方向へ誘導する、ゴズマの組織運営方針の短所が露呈した物でもあり、引いてはそうしたやり方で動かした他の無数の生命体に露払いの惑星侵略を任せ、弱らせた惑星しか安全に捕食する事が出来ないバズー/ゴズマスターの実態を仄めかしていたとも言えよう。
その一方『猟犬』役を与えているゴズマは、その目的上ゴズマスター自体を軽く滅ぼせるレベルの力を持っている。それは詰まる所、ゴズマスターの存在と生態を知られれば即座に殲滅対象とされる、正しく飼い犬に手を嚙まれる事態へと容易に陥るリスクと常に隣り合わせでもあった(※バズーに最も忠実だったギルークとアハメスに至っては『滅ぼした(=既に自身が喰った)故郷を蘇らせてやる』との口約束で従わせていたので、ゴズマスターとしての素性がバレたら凄まじい報復行動を起こすのが想像に難くない)。幻としてのバズーがとかくゴズマ構成員へ威圧的だったのは、自分の実態をひた隠しにしてゴズマ全体より牙を向かれるのを必死で避けようとする、ゴズマスターの綱渡り状態なスタンスの裏返しだったとも評せるかもしれない。
最終的に、チェンジマンの奮戦により『猟犬』であったはずのゴズマ構成員の一部が離脱する異常事態を危惧したバズー/ゴズマスターは、自身の実態がバレていない状況にかまけて自らが前線へ出陣、地球侵略部隊が全滅した直後のタイミングでチェンジマン達諸共地球を喰らって自らの真実に近付いた者達を一掃し、立て直しを図ろうとした様子。
しかし長い事、敵対者の掃討を猟犬役のゴズマに頼っていたゴズマスターの自己防衛能力は大した事が無く、地球や縁を結んだ他の星々の住人を守る戦いを勝ち抜いて来たチェンジマン等を安易に自らの懐へ招き入れた結果、今までひた隠しにしてきた正体をアッサリと暴かれた上で駆逐される末路を迎える事になった。
そして、与した者をゴズマスターの猟犬に仕立て上げる真意の元立ち上げられたゴズマも、その主人が消え失せれば存在意義を失い、あっという間に自然消滅したのもまた必然であった。
関連タグ
ゲース・スター:後の戦隊ヒーローに登場する似た様な敵。こちらは彗星(巨大隕石)の性質を持った惑星破壊兵器で、目標の星に到達する過程での妨害を退けるべく迎撃戦力の艦載機を無数に搭載した、空母兼移動要塞でもある。あるいは当兵器を保有及び運用する部隊も含めて、ゴズマを簡略化した様な存在とも呼べるかもしれない。
暴走皇帝エグゾス、ダグデド・ドゥジャルダン:惑星一つを軽く捻り潰せる力を有した、おそらく彼にとって最大の天敵となりうるであろう後の戦隊の敵キャラ。というか生きとし生けるもの全ての敵であるが。
ユニクロン:同じく惑星を捕食する星サイズの機械生命体だが、こちらは強力な武装と人型へ変形する能力により高い戦闘能力も備えている。また、それとは別口の目的の為に手下(眷族)を作り使役する事もあるが、その元祖に当たる存在は奇しくも星王バズー/ゴズマスターの声を当てた加藤精三氏の代表役の一つであった。
エボルト:後年の仮面ライダーの巨悪にしてラスボスで、人間大の大きさでありながらブラックホールを操り、惑星を飲み込んで狩ってしまう地球外生命体。また複数の勢力を陰ながら煽動して動かし、自分の利益の為に利用し尽くす策略家でもある。