浜松市

はままつし

浜松市とは、静岡の遠州地区（西部）にある政令指定都市。

概要

静岡県西部にある市。人口約79万人。政令指定都市。人口、面積共に県都・静岡市を上回る（県内最大）。名実ともに県西部（遠州）地域における最大の中心的都市である。

面積は岐阜県高山市に次ぎ、日本で2番目に広い。長野県と境を接する南アルプス山中までもが含まれることになった。豪雪地帯指定されている地域まである。

市面積の6割を天竜区が占め、市人口の95%以上が天竜区を除いた2区に集中するなど歪な構造になっている。

風光に優れる浜名湖を擁する観光都市。静岡県に広がる東海工業地域の中心となるハイテク工業都市でもあり、ヤマハ、ローランド、スズキ、浜松ホトニクスといった有力企業を持つ他、本田技研工業発祥の地でもあり本田宗一郎は当地で有名である。また、トヨタも創業者が浜松周辺の生まれ（現在の湖西市）など、浜松一帯は早くから日本有数の工業地域であった。

圧倒的な車社会であり鉄道空白地帯が多いので市内の交通はマイカーやバスがメインとなっている。郊外に大型商業施設が多く、中心部は人口の割に活気に欠いているが整然とした街並みになっており、商店街も綺麗に整備された地区が多い。

名産はウナギと楽器とバイク、そしてみかん。

また、あまり知られてはいないがチンゲンサイやセロリ、スッポン（ウナギの養殖施設が流用できる）の産出額は全国一である。餃子の購入額日本一を宇都宮市と競っていることでも知られている。

ちなみに冬あたりは乾燥した北風が凄まじい。いわゆる遠州の空っ風(ちなみに、この風があるおかげでピアノ作りのための木材の乾燥ができていた。現在の楽器の町となれた要因の一つである)。

そのため体感温度がかなり低いので、北海道から来た人が「地元より寒い」と言うことも珍しくない。

かと言って夏に涼しいかと言うとそう言うわけではない。

夏は風が吹かず湿度が高いため体感温度が高く、沖縄から来た人が「地元より暑い」と言うことも珍しくない。山間地・内陸地の天竜区などは特に気温の上昇が激しい。

政令指定都市の中で、Jリーグクラブのホームタウンとなっていない唯一の市でもある。ただし、浜松市は公認の形で隣街の磐田市をホームタウンとするジュビロ磐田を「浜松市のJリーグクラブ」として取り扱っており(ソース)、当のジュビロ磐田もジュビロ磐田で、クラブ独自に(磐田市と浜松市を含む)県西部一帯をホームタウンとして定めている。これはクラブ公式サイトの『活動レポート』のページにアップされているPDFファイル内にて明らかになっている。

行政区

2024年1月から、区が3つに再編され、天竜区・浜名区・中央区の3つになった。

内訳として、浜名区は旧、浜北区・北区(三方原地区外)、中央区は旧、西区・中区・南区・東区・北区(三方原地区)、天竜区は区域の変更がないためそのまま。

他都市との関係

県都の静岡市とは昔からライバルとされている。

静岡市が合併し、2005年に政令指定都市に移行すると、それに負けじと浜松市も大規模合併をして2007年に政令市に移行した。また浜松市と静岡市は微妙に距離が離れている（約75㎞。東京と小田原以上に距離がある）うえに風土や街作りも異なる。そのため、互いに意識はしていても、あまり近い関係にあるという感覚を互いに抱いていない傾向がある（同じ県内だが、更に距離が離れる東部・伊豆とも同様の関係にある）。

魅力度ランキング(ブランド総合研究所)でも浜松市は静岡市より上位に来ており、都市特性評価(森財団)でも僅差で浜松市が勝利している。

明治時代初期の廃藩置県では現在の静岡県西部が浜松県とされており、大井川を県境としていた。明治9年に浜松県が吸収合併で静岡県の一部となったが、もしこの合併が無かった場合、大井川鉄道が県境を何度も越える鉄道となっていた。

同様の経緯で同じ県内でも風土や街作りが異なる事例は兵庫県西部及び北部(姫路県及び豊岡県)、広島県東部(福山県)等々でも見られる。

他方、「三遠南信」の枠組みである愛知県豊橋市と長野県飯田市とは文化交流が盛ん。特に豊橋とは35㎞程しか離れておらず、交通の便もいいため、ある意味、静岡市以上に近い。飯田市も浜松市街地からでは90㎞程もあるが、長野県南部（南信）にとって浜松や豊橋は最も近く、海にも通じる都市圏であったことから関係は歴史的に強かった。

国外ではワルシャワ、ロチェスター(アメリカ)、ボローニャ(イタリア)など音楽文化が盛んな都市と提携している。