オノレノヨクボウガ
ウミダシタアクマノ
ダークチップ…(エグゼ4より)
概要
ダークチップシンジケート『ネビュラ』によって作られたバトルチップ。
(ゲーム内では)非公式のバトルチップであり、それぞれがチート級の効果や莫大な威力を持っているが、使ったナビは徐々に己の持つ悪の心『ダークソウル』に染まってしまい、最後には理性を失うとされている。
『4』作中ではシェードマンが落としたマスターデータを拾った事でロックマンにダークソウルが芽生え、彼との二戦目でダークチップ『ダークソード』が出現。シェードマンを倒す武器になると同時に闇への誘惑を植え付けた。
その後はロックマンが戦闘中に『不安状態』になると勝手に現れるようになり、ダークチップの項目にカーソルを合わせると画面がやや暗転し、不気味な息遣いのような効果音が鳴り続けるという文字通り闇の力に引き込もうとする演出が見られる。
使用するとロックマンが『悪状態』になりソウルユニゾンが出来なくなる他、戦闘後に最大HPが1減少してしまい、しかも二度と戻らない。
ただし前述したシェードマン二戦目では使用を避けられないためか、最大HPが1減少する事は無い。
なお、使った戦闘中はチップによって様々なバグ(仕様。詳細は後述)が発生する。
悪状態からもとに戻すには、クリア後の隠しエリアブラックアースの最深部にあるソウルクリーナーしか方法はない。
『5』では固有のバトルチップとしてフォルダに入れられるようになり、現実世界の様々な人物から購入可能。また直接ダメージを与えるタイプのダークチップを命中させた相手にもチップ使用時と同様のバグ(使用者より効果は低い)を与えられるようになった。
また本作では通常のバトルチップではなくダークチップをいけにえにして行う「カオスユニゾン」が登場しており、ダークチップの種類も増えている。
ダークチップの生産をネビュラが開始してから時間がある程度経過しているのもあってか前作「エグゼ4」の時よりも明らかに多くのダークチップが世に出回っており、プレイ中様々なエリアでダークチップを持つ人間やナビに出会う。
単なる「レアなカラーバリエーションのバトルチップ」だと勘違いしている者から「ダークチップであると分かっている上でそれを隠して売りつける、譲ってくる」者などさまざま。
ネット掲示板でもダークチップだと知らずに使用してしまい、自分のナビが異常をきたしていると相談する書き込みもありその被害は深刻になっている。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップであり、バグの発生がバグのかけらを消費する形で解消している。
一方で、通常プレイ中にダークチップは一切登場せず、ギガクラスチップの一部がダークチップを調整した物として登場している。
該当するのは「バグライズソード」と「バグデスサンダー」。
『4』の発売当時におけるCMでは「ダークチップヲツカイナサイ…」「ツヨクナリタインダロウ? ツカイナサイ…」なる独特な台詞回しが話題となった。
アニメ版における設定
ゲームとは違いダークチップそのものとしての種類は一つのみ。
使用するとネットナビの能力を異常なまでに強化できるが、一度使ったナビは人格プログラムが破壊されて凶暴化し、オペレーターから離反してしまう。
ダークロイドの場合はある程度の耐性があるようだが、それでも使用を続けると定期的にダークチップを使わないと中毒症状のような苦痛に襲われ(人間で例えるなら麻薬の禁断症状)、さらには身体に紫色の斑紋のようなものが現れ、データに破綻をきたしてしまう(作中ではビーストマン、デザートマン、フラッシュマンがそうなった)。
味方サイドではブルースとプリズマンもダークチップに飲み込まれ、特にブルースはダークロイド化因子を組み込まれた特別製の物を使用した事からダークロイド化してしまったが、ワクチンプログラムが開発された事でどちらも元通りになって復帰している。
デザインは基本的に紫色の基盤に血だまりのようなクォーツが埋め込まれたようなものであるが、世間に出回っているものはホログラム処理によって角度を変えなければ通常のバトルチップと見分けが付かないという悪質な偽装が施されており、知らずにダークチップを使ってしまうオペレーターもいた。
さらに、スロットインしてしまうとナビをプラグアウトさせることが出来なくなり、最悪PET自体が破損してしまう。
ネビュラはシェードマン率いるダークロイド達に表向きは戦力強化や現実世界で起こすさまざま事件の報酬としてダークチップを提供していたが、物語中盤以降はバブルマンを除く全員がダークチップの中毒に陥り、彼らはネビュラの目論見通りダークチップと引き換えにシェードマンを裏切り、ネビュラに忠誠を誓うに至った。
この他、シンクロチップと合体させた「ダークシンクロチップ」も登場。前述したダークチップへの依存心を利用して通常のシンクロ率が低くともクロスフュージョンを可能にさせているが、同時にナビとオペレーターを凶暴化させる危険なものとなっている。
『ロックマンエグゼStream』では、前作でガウス・マグネッツがネビュラと接触した関係もありその技術を『ネオWWW』が引き継ぎ「世界に恐怖と混乱を齎す」目的で密造・密売され、自分達が使用する事はない。最初の活動拠点はCFサーチマンにより制圧されたが氷山の一角に過ぎず、第31話の時点でも製造が行われていた為壊滅するまで流通は続いた模様。
ゲーム版と同名のダークチップはダークロックマンが使用する形で登場。ダークソード、ダークワイド、ダークメテオ、ダークドリルの4つが登場した。
ダークチップ一覧
※斜字は『5』ゲーム内での説明である(無い物は5に出てこない)。
『4』より初登場
ダークソード
キョダイナソードデ
ゼンポウノアイテヲ
キリツケルノダ!
ドリームウイルスのソードと同じ攻撃範囲を持つダークチップ。
使うとロックマンが勝手に前進し続けるバグが発生する(『5』ではバスターが50%の確率で不発になる)。
威力は『4』では最も高いウイルスのHP分(上限500)、『5』では400となっている。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップ。
通常プレイ中では「バグライズソード」が登場。バグのかけらを1個ずつ消費する事でチャージショットがダークソードになる。ただし、威力が200となっている。
流星のロックマンでは『1』のみのギガクラスカードとして登場。
範囲は変わらないが威力は320となっており、攻撃範囲が毒沼パネルになるという効果を持つ。
ダークキャノン
自分の最大HP-現HPが威力となるダークチップ。要はムラマサブレードと同じ。
使うとロックマンがチャージショットを撃った際にバスターから花が咲くバグが発生する。
なお『5』ではストーリーによりダーク化したロックマンがフィールドで持ち出して来る。
敵が複数いる状況なのだからダークスプレッド(後述)を使えばいいのでは……。尤も、暴走したロックマンを象徴する描写なのかもだが。
ダークボム
着弾した周囲全てに威力200の爆風を巻き起こすダークチップ。
使うとロックマンが勝手に後退し続けるバグが発生する。
『ユカシタ』で地中に潜った相手にも有効。
ダークバルカン
威力20のバルカンを24回発射するダークチップ。
使うとロックマンが混乱状態(移動方向が反転)になるバグが発生する。
プログラムアドバンス『ムゲンバルカン』はグラフィックが流用されている。
ダークランス
ウシロデアンシン
シテイルテキヲ
ハイゴカラネラエ
敵エリアの後方から竹槍を繰り出すダークチップ。
『4』では最も高い敵HP÷2をダメージとして与え、チップ選択中にHPが減り始めるバグが発生する。
『5』では400ダメージを与えてロックマンが攻撃を受けると混乱状態になるバグが発生する。
トマホークソウルのイメージとは真逆な卑怯な攻撃である。悪堕ちするのも納得か。
ダークスプレッド
当たった敵+その周囲に400ダメージを与えるダークチップ。
使うとロックマンの移動したパネルが毒沼(立つだけでHP減少)になるバグが発生する。
敵エリア中心の相手に当てた場合は全敵に400ダメージな為、かなり使い勝手の良い存在である。
ダークステージ
相手エリアを全て毒沼に変えるダークチップ。
使うとロックマンがバトルで選べるチップが一枚減るバグが発生する。
また自分のエリアはダークホール(闇のチップ『ナビDSチップ』の威力を上げる)が出現する為、コンボ専用チップと言える。
ダークリカバリー
キョウイノカイフク
ノウリョクヲモッテ
イルノダ…
HPを1000回復するダークチップ。
使うとロックマンのHPがじわじわと減っていくバグが発生する。
『5』では「ヒール(『悪役』の意)ナビ」から入手出来、地味に皮肉が込められている。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップ。
『5』より初登場
ダークトルネード
キズヲオウホドニ
ハンイヲヒロゲル
ニクシミノアラシ
威力50の竜巻を8回ヒットさせるダークチップ。
使うとチップ選択画面へ移った際にダメージを受けるバグが発生する。
また、のけぞった(攻撃された)回数に応じて攻撃範囲が増える効果もある。
ダークサークル
エリアノシュウイヲ
マワルカーソルヲ
トメテコウゲキセヨ
ボタンを押した敵エリア外周に300ダメージの銃を撃つダークチップ。
敵エリアを狭めてから使った場合は多段ヒットにより1000近くのダメージに変貌する。
バグの内容はダークトルネードと同じ。
ダークメテオ
メテオノアメガ
テキヲネラッテ
フリソソグデアロウ
敵に威力100のホーミング弾を最大16発まで降らせるダークチップ。
攻撃回数は戦闘中にのけぞった回数によって強化される。
バグは4のダークランスと同じ。
ダークサウンド
ソノサウンドハ
キクモノノウゴキヲ
フウジテシマウノダ
ラッパ型のウイルスを置き、一定時間ごとに鳴らせるダークチップ。
この音楽が鳴っている間は敵の移動&攻撃が完全に封じられるとなる。
使うとロックマンが障害物をすり抜けて端のパネルに強制移動させられるバグが発生する。
プレイヤーからはカーネルカオスのカスユニゾンっぷりに失望されてている。
ダークプラス
ツギノチップノ
コウゲキリョクヲ
+50シテヤロウ!
次に使用するチップの攻撃力を+50するダークチップ。
他の(ダークではない)チップと併用することで、多段ヒットするチップと組み合わせると異常なまでの強化を図ることができる。
バグの内容はダークサウンドと同じ。
なお、通常のプラス系チップとは使い方が異なり、チップの説明にツギノチップとある通りに、選択する際には強化したいチップの前に選ばなければならない。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップ。
ダークドリル
オノレノハカイ
ショウドウヲミタス
ヤミノドリルナリ!
2マス前方に100ダメージを6回まで与えられるダークチップ。
敵エリアの最奥には届かない為、必中させたい時はエリアを狭めておく必要がある。
バグの内容はダークスプレッドと同じ。
ダークワイド
タテ3マスノワイド
ショットガアイテヲ
ツラヌイテススム
敵に当たっても消えずに進む威力300のショットを撃つダークチップ。
自エリアの中央で繰り出せば必ず当たる+貫通な為、全ての敵にダメージを与えられる。
バグの内容は5のダークソードと同じ。
ダークサンダー
マヒコウカヲモッタ
サンダーボールデ
ジワジワオイツメヨ
敵を追尾し、当たれば麻痺させる威力200の電気玉を出すダークチップ。
このダークチップのみを長期間使っていると、後述の『ダークインビジ』で無限にコレしか出さなくなる為、ボスキャラを無抵抗で倒せるようになる。
バグの内容は4のダークランスと同じ。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップ。
通常プレイ中では「バグデスサンダー」が登場。バグのかけらを1個ずつ消費する事でチャージショットがダークサンダーになる。ソードと異なり威力は同じとなっている。
ダークインビジ
オノレノウチノ
ヤミヲトキハナチ
ミヲユダネルノダ!
ロックマンが一定時間無敵状態で暴走するダークチップ。暴走中は自分の持つチップや使用頻度の高いチップを勝手に繰り出す状態となる。
この仕様を悪用し、ダークサンダーのみを連打して無双するといった想定外の運用が流行し、公式大会では使用禁止されたというリアルダークチップでもある。
その経緯もあり、DS版『ロックマンエグゼ5DS ツインリーダーズ』ではダークサンダーやビッグノイズの使用回数がガッツリ減っている。
また、アドバンスドコレクションではさらにダークインビジのチップの使用傾向の変更がされている。
バグの内容はダークサウンドと同じ。
『6』ではオペレーションバトル専用のバトルチップで、最大体力に応じてランダムに記憶されてるチップを使用するものとなっている。(終了後にショートインビジが発生する。)
関連動画
余談
3にはダークホールがある状態か、ナビカスパーツのダークライセンスをナビカスに組み込んだ状態でしか使えない特別な闇のチップというものがあり、これが前身になったと思われる。
また、ダークチップ以外にも悪状態でしか使用できないチップも存在しており、4ではブラックアースを開く鍵のひとつである五大暗黒チップが存在している。
ギガクラスチップにも劣らない攻撃性能を持ち、その分代償も大きいダークチップ。
しかし、善状態でも使用できるチップやコンボにもダークチップにも勝るとも劣らない性能のものもないわけではない。特にプリズムコンボや(4の)エアホッケー系といった凶悪なチップやプログラムアドバンスは「合法ダークチップ」と呼ばれることも。