西風騎士団の首席錬金術師兼調査小隊隊長。「白亜の申し子」と呼ばれる天才。
概要
オープンワールドRPG『原神』の登場キャラクター。
名前 | アルベド(英:Albedo/中:阿贝多) |
---|---|
レアリティ | ★5 |
国/所属 | モンド/西風騎士団 |
使用武器 | 片手剣 |
神の目(元素属性) | 岩 |
誕生日 | 9月13日 |
命ノ星座 | 白亜の申し子座 |
オリジナル料理 | 「林の夢」(バター魚焼き) |
CV | 野島健児 |
黒土と白亜、宇宙と地層、無垢なる土から原初の人間を創る…こんなあまりにも行き過ぎた能力は看過できないよね。もし危険な古の技術が城内で暴走でもしたら──まっ、いっか、モンドの問題はモンドの人に解決してもらおう。
――アルベドについて…ウェンティ
人物
西風騎士団の首席錬金術師・兼・調査小隊隊長。錬金術はくだらない学問というモンド人の認識を数々の功績で瞬く間に塗り替えた「白亜の申し子」と呼ばれる天才。
モンド南部の寒冷地域であるドラゴンスパインの調査をしており、特別な用事でもない限りは山の中腹にある拠点を中心に活動している。
土や絵画に命を吹き込み生物を創る類い稀なる才能を持っているが、これを行き過ぎたものだとしてウェンティは彼の力や存在そのものを危険視している。
実際、エピソードムービーでは甲羅がお気に入りだがそれ以外はどうでもいいという理由で描きかけのヴィシャップに命を吹き込むというかなり危険な行為に及んでおり、常人とはかけ離れた思考を持っていることが窺える。
興味や視点が常人とはかけ離れており、人と適度な距離を置きたがるため彼をよく知らない者へは冷たい印象を与えがちだが、人柄はとても誠実であり、弟子たちやモンドの住民との交流の中に確かな喜びを感じている。
旅人とは伝説任務「白亜の章 第一幕 旅人観察報告」にて、アルベドの助手であるスクロースから彼の力になってほしいと依頼されたことがきっかけで出会う。
その後、Ver1.2の期間限定(2020/12/23~2021/1/4)イベントストーリー「白亜と黒龍」では旅人に協力を依頼し、ある特殊な片手剣(腐植の剣)の研究を進めていくことになる。
また、Ver2.3「白雪に潜みし影」でのイベント(2021/11/25〜12/13)ではアルベドの研究ノートを奪い暗躍する何者かの行方を追いかけることになる。
能力と戦術
2020/12/23~2021/1/12の期間限定祈願(ピックアップガチャ)「深秘の生息」で追加(原神ではPU限定★5キャラが恒常ガチャに追加されることは原則として無いため、期間が終わると復刻が来ない限りは入手不可となる)。
元素スキルで展開される陽華を戦術の軸に据えるサブアタッカー。元素スキルの安定した設置火力と元素爆発による元素熟知のバフ効果を持ち、岩元素であるために他の元素反応の邪魔もしにくい。特別相性がいいキャラはあまりいないが誰と組んでもかなりの成果を出す、究極の汎用型サブアタッカー。
天賦
- 通常攻撃・西風剣術・白
最大5段。重撃は2段ヒットする。
ダメージ倍率・ヒット数・攻撃速度のいずれもアタッカー向きとは言い難く、アルベド自身の基礎攻撃力の低さもあって単体ではダメージを出しにくい。通常攻撃でダメージを出したい場合は元素スキルのトリガーにするなど、補助火力をつけた上で運用すると良い。
- 元素スキル「創生術・擬似陽華」
「咲け」
陽華を錬成し岩元素範囲ダメージを発生させる。その後陽華を中心とするエリアが生成され、エリア内の敵がダメージを受けたとき刹那の花が咲く。刹那の花は2秒に1輪咲かせることが可能であり、アルベドの防御力に基づいた岩元素範囲ダメージを与える。また、キャラが陽華の上にいるとき、陽華は岩元素の力を凝結し、キャラを一定の高さまで持ち上げる晶台を形成する。陽華は最大1つまで存在可能であり、岩元素創造物とみなされる。スキル長押しで陽華の錬成位置を調整することも可能である、さらに、キャラ突破段階1(Lv20~40)で解放される固有天賦「白亜色の気迫」によって、刹那の花がHP50%以下の敵にダメージを与えた場合のダメージ量が上昇する。
アルベドのメイン火力。スキルの継続時間(30秒)とクールタイムの短さ(4秒)が驚異的であり、キャラ交代を挟みながらでも常時フィールド上に陽華を設置しておくことが可能であるため、継続的に安定した火力増強が見込める。装備の育成をしっかり行っていれば刹那の花の火力は他キャラの単発ダメージ型の元素スキルに匹敵するため、敵の殲滅速度が目に見えて違ってくる。
また、岩の設置物としてカウントされるので岩属性の旅人や鍾離の元素スキル等を設置すると設置物同士が共鳴して設置物を中心に敵にダメージを与えていく。設置物同士の距離が少し空いていれば共鳴の範囲も相対的に広くなる。
ただし鍾離はスキル長押しから発動までがやや長いので、鍾離→アルベドの順でスキルを設置した方が良い。鍾離が1凸していると柱を二本設置できるので、シールド継続中に鍾離(スキル短押し)→アルベド→鍾離(スキル長押し)の順で回すのもアリ。
ただし運用上注意すべき欠点もいくつか存在する。
第一に刹那の花の発生のトリガーが攻撃の命中ではなく「ダメージの発生」であることで、アビスの魔術師等が纏うダメージを完全カットするタイプのシールドには効果が無い。(追撃が発生しないのでバリアを削ることができない。)さらにこの特性上、鉱石などのオブジェクト破壊に刹那の花を頼ることも出来ないため、採集向けでは無い。
第二に地上に設置する設置物であるため純水精霊の戦場等のギミック床には設置できず、大型ボスの移動で踏み潰されることにも注意が必要。
一瞬で出し直せるとは言え設置中の壊れやすさと、シールド破壊が苦手な点が最大の欠点で、週ボスや高難易度コンテンツである深境螺旋の深部に行くほど、攻撃範囲の広い敵やシールド持ちキャラがワラワラ出てくるため痛感するだろう。
逆に言えばそれらに縛られなくなると、強力無比なサブ火力として活躍できる。
万能ではないが有能であることは確かなので、使う場所や使い方に気をつけて火力を最大限引き出したい。
"この岩の花には奇妙な習性がある。大地から生まれ、天高く登り太陽になることを望む。それは、錬金術の目指す物と一致している。"
- 元素爆発「誕生式・大地の潮」
「今こそ、誕生の時」
アルベドの命により岩礁が爆発し、前方にアルベドの攻撃力に基づいた岩元素範囲ダメージを与える。フィールド上に陽華が存在している場合、そのエリア内に7輪の生滅の花を錬成し、さらにアルベドの攻撃力に基づいた岩元素範囲ダメージを発生させる。また、キャラ突破段階4(Lv60~70)で解放される固有天賦「ホムンクルスの天智」によって、発動から10秒間、周囲の味方全体の元素熟知に+125のボーナスを得ることが可能。
発動に必要な元素エネルギーが少なく(40)クールタイムも短め(12秒)。ただし元素スキルと違い元素爆発は攻撃力依存であるため、防御力を中心に育成するアルベドでは火力はスキルほど出ない。
2凸すれば防御力も参照されるようになり、元素スキルだけでなく元素爆発でも味方をサポートしつつ、ダメージを出すことができる。
元素熟知ボーナスはVer3.0で草元素が実装されてから価値が上がったが、草元素と岩元素は結晶反応を起こせないため水と油の関係。ただ、セノのような長時間フィールドで戦闘する熟知アタッカーは、結晶反応で本人を守りつつ、アルベドと同じく長時間継続し、結晶反応でも発生するナヒーダの草追撃も組み合わせて戦うのが良いだろう。
"白亜色の王子の命令の下、大地の創造物たちは激しく鼓動する。"
- 固有天賦「天才の気付き」
武器突破素材を合成する時、10%の確率でアイテムを2倍獲得する。エネミードロップ素材を増量させるスクロースや天賦突破素材の合成材料を還元する行秋と合わせて、成長リソースが枯渇しがちな旅人の強い味方となる。
命ノ星座
第一重「エデンの花」 | 元素スキルの刹那の花が放たれた時、アルベド自身の元素エネルギーが1.2回復する。 |
---|---|
第二重「顕生の宇宙」 | 元素スキルの刹那の花が放たれた時、アルベドに生滅カウントを付与(制限時間30秒・最大4重)する。元素爆発発動時に全ての生滅カウントを取り除き、1つにつき自身の防御力の30%分、元素爆発と生滅の花のダメージを上昇させる。 |
第三重「太陽の華」 | 元素スキルの天賦レベル+3。 |
第四重「聖なる堕落」 | 陽華エリア内にいるキャラの落下攻撃ダメージ+30%。 |
第五重「太古の潮」 | 元素爆発の天賦レベル+3。 |
第六重「無垢なる土」 | 陽華エリア内にいるフィールド上のキャラが、結晶反応で生成されたシールド状態にあるとき、与えるダメージ+17%。 |
特筆すべきは第2重と第4重。第2重の効果は、アルベドの元素スキルを発動し生滅カウントを稼ぐ(キャラを切り替えてもカウントを稼ぐことが可能)ことで、元素爆発でも高いダメージを出すことが可能になる。第4重の効果は、元素爆発で落下攻撃により高いダメージを繰り出す魈や、元素スキルが落下攻撃とみなされる楓原万葉と相性が良いため、これらのキャラで高ダメージを出したい場合は狙ってみても良いかもしれない。
装備・編成について
ここまでの解説で察しがついた方も居るかも知れないが、火力のほぼ全てが防御力に依存するため、他キャラでは高火力を出せる武器や聖遺物が役に立たない。攻撃力は無視して防御力や会心率で元素スキル・元素爆発の威力を上げる装備が最適解となる。
- 武器
最適解は★4「シナバースピンドル」。
基礎攻撃力は低めだが防御力ボーナスがずば抜けており、固有効果も元素スキルのダメージに防御力の一部をボーナスとして乗せる(クールタイム1.5秒)という、完全にアルベドの元素スキル性能に合わせた、モチーフ武器の域を超えて専用装備と呼べる一振りに仕上がっている。
唯一にして最大の問題はこの武器がVer2.3「白雪に潜みし影」のイベント報酬であり、入手チャンスがver2.4以降で存在しない点。Ver2.4以降に始めた新旅人にはどう頑張ってもアルベドのフルスペックを狙えなくなっているため大きな枷となってしまっている。
(※イベント武器の復刻、またはイベントストーリーの復刻に関しては、検討中ではあるが何時かは明言されていない。ストーリー面では魔神任務の進行都合で大きな齟齬が発生するため、慎重になっているのだろう。)
次点は★3「黎明の神剣」。攻撃力は低めだが会心ダメージにかなりのボーナスが付き、固有能力でHPが90%以上である限り会心率にもボーナスが乗るため、元素スキルと元素爆発を発動し他のキャラクターと交代することを基本戦術とし、ダメージを受けにくいアルベドとはかなり相性が良い。
ただしフリーナ等の全体自傷キャラや浸食ダメージを使う敵に対しては壊滅的に相性が悪いという欠点も抱えているため、特に稲妻以降の環境でこれに頼るのは少々危険。
サブステータスが会心率かつ元素スキルと元素爆発の威力強化に極振りしている固有能力を持つ、ver4.0から追加される紀行★4「狼牙」も有力候補に入る。
敢えて★5からチョイスするなら「磐岩結緑」。実は元素爆発と追加ダメージの上がり幅は無凸でも「シナバー」より高い。ただし元素スキルの火力およびパーティーの火力が下がるデメリットも抱える。
Ver4.4時点での総合火力は、シナバー>完凸黎明=完凸狼牙>無凸磐岩=無凸狼牙、といったあたりか。
- 聖遺物
命ノ星座2凸やシナバースピンドルのような、「聖遺物以外で防御力を高められる環境が整っているか」で最適聖遺物が違ってくる。
聖遺物以外で防御力を盛る環境が整っているなら「華館夢醒形骸記」4セット。時間経過により防御力と岩元素ダメージがアップし、待機中でも上がるので撃ってすぐに引っ込むアルベドには良い装備となっている。
逆に防御力を盛りきれないなら「黄金の劇団」4セット。元素爆発の運用を捨てることになるが、元素スキルを打ってすぐ引っ込めばその強化率は脅威の70%を誇る。
どちらであっても合計的な火力に大差は無いが、スキルの後方支援にのみ徹するなら後者、それ以外の戦いもしたいなら前者、という考えで決めた方が良い。
メインオプションは砂(時計)は防御力、元素爆発でもダメージを出したいなら攻撃力。
冠は防御力で問題ないが会心率と会心ダメージが足りない場合はどちらかを上げるオプションで。
杯は岩元素ダメージバフ一択。
サブオプションは会心率/ダメを最優先とし、防御力、チャージ効率の順で。
必要元素エネルギーが「40」と低い上に元素爆発を回すようなキャラでもないため、元素チャージ効率の積み増しは不要。どうしても元素爆発を撃ち続けたいという場合でも140%辺りまで盛れていれば十分である。
余談
- キャラを乗せて空中に登っていく元素スキルの様子からエレベーターとネタにされ、さらに誰が言い出したのかアルベーターとまで呼ばれている。前述した命ノ星座による落下攻撃強化と組み合わせると馬鹿にできないダメージソースになる。
- 好きなものはスイーツ。カロリーを一気に補給でき集中の助けになるため。嫌いなものはレストランで出る大量の肉。元々少食で外食で出る食事の量を一度で食べきれないため「勿体ない」上に「美味しくなくなる」ことが許容できない。そのため食事は自炊派である。
- 師匠の旧友であるアリスから騎士団への口利きと引き換えに娘であるクレーの世話を押し付けられているせいで、不要な人付き合いを嫌うタイプで有りながら子供の扱いが上手くなっている。当のクレーからは好かれているが、アルベド自身はクレーを悪く思ってこそいないものの少なくない時間をこの爆弾魔がしでかした騒動の後始末に奪われており、「あの母親に比べればまだマシ(要約)」と自分に言い聞かせて何とかうまく付き合っているらしい。
- 彼のキャラクターストーリーではアリスの推薦が無かった(つまり西風騎士団とクレーに関わらなかった)方がモンドでの生活は居心地の良いものになっていたと言及されている。占いの用具などの多大な出費を抱え貧困に陥っているモナはアルベドの立場を羨ましがっているが、彼が(周囲の身勝手による)逃れ難い雑事に雁字搦めにされている事を知らないようである。
- とはいえクレーの世話については本人の口からは特に不満は出ていない(少なくとも最近のイベントでは)ため、居心地そのものはともかく、クレーと離れようとはしないだろう。(2023年の風花祭では、兄として妹を守るのは当たり前のことだとも発言もしている)
- 伝説任務の発生場所はよりによってドラゴンスパインである。詳しいことは当該項目に譲るが、簡単に言えば『初心者お断り』なエリアと言える。幸いと言うべきか彼の伝説任務を請け負うには冒険ランク40が必要なので、その頃には旅人たちも初心者から卒業できているだろう。
- ただ、Ver1.2では冒険ランク20で請け負うことが出来た(現在は不可能)ため当時の旅人たちの苦労話も散見さている。
- しかし彼の伝説任務をクリアしないとクレーの伝説任務、そしてクレーの伝説任務をクリアしないとモナの伝説任務が開放されないため、必然的にドラゴンスパインを訪れる必要が出てくる。
- 従来の伝説任務には、中心キャラクターがお試し操作出来る戦闘や秘境挑戦があるのだが、何故かアルベドの伝説任務である『白亜の章・第一幕』のみ、お試しが存在しない。
- また、Ver1.3の「白亜と黒龍」、Ver2.3の「白雪に潜みし影」、Ver3.5の「風花の吐息」など(クイックスタートを挟まない)イベントの参加条件でもあった。この先のイベントでも解放条件となり得る(アルベドに限った話ではないが)ので、早めにクリアする事を推奨する。
- Ver2.6「華やぐ紫苑の庭」において開催された稲妻のイベント「光華容彩祭」ではクレーと共に稲妻に初上陸。創作界隈でのアルベドはペンネーム「白亜」として通っており、今回は八重堂には画家の才能を買われ、容彩祭におけるモチーフである「五歌仙」を描くことを依頼されて稲妻へ上陸した。途中創作仲間、飲んだくれ、白鷺の姫君、浪人とも出会い、容彩祭を取り巻く謎を追いながらも五歌仙の姿を描き上げていく。最後に描き上げた「黒主」はとある少年をモチーフにしている。どこで彼の姿の情報を得たのかは不明だが「特別に訪ねた人物」と本人は言っている。とある少年と実際に邂逅したことがあるのはこの2人だけと思われるが…
- ちなみにここで貰える五歌仙が描かれた調度品はイベント当時置かれていたものと違い、水元素を当てても「黒主」は浮き出てこず空白のまま。ただし、今後のストーリー展開を考えたら逆にこれが正しかったりする。
関連イラスト
関連タグ
- クレー…上述の通り、アリスに預けられて面倒を見ている。トラブル(主にクレーの爆弾)はあれど仲はとても良く、兄妹のような関係。
リアルイベントにおける、スイーツパラダイスでのモンド組のコラボイベントではこの兄妹が看板。ウェイター仕様のアルベドとウェイトレス仕様のクレーが見られる。
- スクロース…師弟関係における弟子。アルベドの事を「先生」と呼び慕う。
- ティマイオス…同じくアルベドの弟子。モンド城の錬金台の目の前にいるアイツ。定期的にイベントで旅人と関わりあっている。
- 行秋…創作仲間。稲妻の挿絵を初めて目の当たりにして感銘を受けたアルベドが小説家をしている行秋と手を組む。そして2人で「沈秋拾剣録」という本を出すが、璃月では「神絵師の描いた絵が載ってる本」と絵だけ高評価となり全く売れず。しかし、ふとした事で稲妻に作品が渡り、稲妻人に文章まで含めて大ヒット。現人神 も好んで読む「沈秋拾剣録」は稲妻のベストセラーとなる。その後は稲妻の出版社である「八重堂」の編集から「他の作者ともコラボして欲しい、印税も多くなる」と打診されるが、お金に困っていない身分の為腰が重い様子。行秋のペンネームは「枕玉」。容彩祭で対面するまではアルベドのことを「白亜先生」と呼んでいたが、直接対面して以降は名前で呼び合っている。
出自(ネタバレ注意)
~~この先「白雪に潜みし影」ネタバレ注意~~
【ここからはVer2.3「白雪に潜みし影」のネタバレを多分に含みます】
生命を創る秘法を修めているアルベドだが、むしろ彼自身が何者かに創られた、まともな人間とは呼べない存在であると推測できる材料は以前からゲームの各所に散りばめられていた。
そしてVer2.3「白雪に潜みし影」のイベントストーリーにおいて、アルベドがカーンルイア滅亡後にカーンルイア人の学者"黄金"レインドットに創られたホムンクルスであり、やはり"黄金"によって生み出された獣域ハウンドや"腐植の龍"ドゥリンと広い意味では同質の存在である事が彼自身の口から明かされた。彼の首元にある印は本来「内から湧き出る」ものである生命を「外から吹き込んだ」際に残った雫の跡で、生命としての欠陥を示すものである。
アルベドは自身の生まれの不自然さ・おぞましさを理解しており、ドラゴンスパインで力尽きたドゥリンの腹の中に自身のような成功作になりそこねたモノがいることも把握していた。
そして彼らが自分を見れば成り代わろうとするだろうし、自身が逆の立場なら間違いなくそうしている、という事も……。
~~以下、第三幕のネタバレ注意~~
ドラゴンスパインでの騒動はドゥリンの腹の中にいた偽物の仕業である。本物に成り代わるため、その知識の集大成である研究ノートを奪い、アルベドに偽装出来るトリックフラワーを創り「分かりやすい偽物」に仕立て上げ、騒ぎを起こさせ討たせる事で張本人であるアルベドと勘の鋭い旅人以外の疑いの目を逸らさせ、彼らを始末し成り代わる事だけに集中出来る環境を作り上げた。
イベントではアルベドと偽物が向かい合ったところで一旦物語が途切れ、偽物がどうなったかはあえて明言されないまま終わっている。
しかし大分前に雪山で遭難したはずの男が今になって帰りを待つ息子のもとに戻って来たり、モンド城でアルベドを見た時に一瞬だけ偽物の特徴である「首元の印がない」見た目になり、すぐに戻ったりしている。
偽物は遭難した男に成り代わったのか、またはアルベドと和解し彼の姿を借りる事を選んだのか、あるいは既に倒されておりアルベドが「見た目に惑わされるな」と旅人に警鐘を発しただけなのか。その真相は偽物と相対したアルベドだけが知っている。
この件を終えた次の登場を経る毎に(Ver2.6、Ver3.1、Ver3.5)、アルベドの声色は優しく人間的に、かつ他者に友好的になっていっている。明らかな変化のため気づいた旅人も少なくないだろう。
Ver2.6の容彩祭ではクレーと共に稲妻に初上陸するが、兄としてクレーが厄介事を起こさないかヒヤヒヤする様子が見られる。
Ver3.5の風花祭では、セノ、ティナリ、コレイのスメール組との初対面にもかかわらず、3人のモンド旅行プランを即座に組み上げ、ティナリとは研究に関する議論で盛り上がり、セノとは七聖召喚に関わる彼の目的に絵師の白亜として協力する。セノのジョークを「面白い」と周りとズレた評価を下したり(知恵の神であるナヒーダもセノのジョークを面白いと言っているため、本当に頭の良い人には分かるということの暗示かもしれない)、事ある毎にパイモンをいじったりと、表情や感情表現も初登場時と比べて非常に豊かになっている。