「俺、本気で思うんだ。人間もオルフェノクもみんなが幸せになれば良いって」
演:溝呂木賢
概要
「世界中の洗濯物が真っ白になる様に世界中のみんなが幸せになる」未来を夢見る青年。年齢21歳。
実家は創業100年の老舗クリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」を営んでいる。両親は「世界中の洗濯物を真っ白にする」ためにアフリカに渡っており、店の経営は啓太郎に任されているが、良心的(採算度外視)経営の賜物で店は赤字続きである(このため、巧は薄給である)。
なおパラダイス・リゲインドでは甥である菊池条太郎が登場するため、兄弟姉妹がいることとなるが、両親に着いていっていたのか言及はない。
クリーニングの修業先(店名は『クリーニングプロショップ・花むすび』)の九州で乾巧や園田真理と出会うと同時にオルフェノクの存在を知り、「時々店を手伝う」のを条件に2人を実家に下宿させる(後に草加雅人も加わる)。
巧を「たっくん」、真理を「真理ちゃん」、草加を「草加さん」と呼んでいる。
人物
真っ直ぐな性格のお人好しで、しょっちゅう洗濯を頼みに来た客の相談に乗ったり、代わりに買い物をしてあげたりしており、本人はそれを「人助けをするのは当然のこと」と語っているが、真理からは「利用されてるだけ」と酷評されてしまっている。
極端に優しい性格故に普段は殆ど怒りを見せはしないが、洗濯物を汚したり、滅茶苦茶にする者には激怒する。
序盤では他人に押し付ける独善的な面も見られるが、その欠点すらも「損得勘定無しで動く」善性の現れであり、記憶を失った母親と疎遠になってしまった鬱憤から洗濯物を汚して回っていた少女・倉田恵子を保護し、彼女の無茶苦茶な要求に出来る限り答えてあげようとしたり(トードスツールオルフェノクにも立ち向かいもした)、中盤で巧の正体がオルフェノクだと知って一時は恐れてしまうが、それでも恐怖を抑え込んで巧の好物を詰め込んだ弁当を渡すなど、彼なりに巧と向き合おうとしたのもあり、直ぐに巧を受け入れた。
長田結花とは物語開始前からのメル友で結花にとっての唯一の相談相手だった。実際には劇中で何度も本人同士で会っていたのだが、終盤までお互いの正体には全く気付かなかった。
終盤で結花がメル友の『結花さん』と同一人物と気付き、同時に彼女もオルフェノクである事実を知るが、巧の件もあって既に「オルフェノクが必ずしも人間の敵とは限らない」と理解していた啓太郎は恐れず彼女を受け入れる。そして彼女と初めてのデートの約束をするが、それを果たす前に結花は影山冴子/ロブスターオルフェノクに殺害されてしまい、結局啓太郎と結花の恋は悲恋に終わってしまった……。
啓太郎は結花の死の事実を知らずに「結局自分は振られてしまった」と解釈していた。但し、最後に結花からは遺書とも取れる様なメールを受け取っており(それを読んで号泣している)、彼女の死を察しながらも巧と真理の前では、2人を心配させまいと「『振られたバカな自分』を演じているのではないか?」と思われる描写もある。
結花の死によって人間を見限った木場の策略で、巧が囚われた際には真理や海堂と共に巧を救出。
オルフェノクの王との最終決戦では、迷いながらも王との戦いを決めた木場と、「自分達の答えを自分達の力で見つける」と決めた巧と三原の戦いを、真理や里奈と共に見届けた。
決戦後、何処かの土手で巧や真理と一緒に寝そべりながら、巧が遂に見つけた「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになれますように」との夢を真理と共に聞いている。
因みにオルフェノクと遭遇した際に巧に電話で「たたたたっくん! おおおオルフェノクが!」と知らせるシーンは最早お約束となっていた。視聴者からは『オルフェノク発見機』なる名誉なのか不名誉なのか分からないあだ名が付けられた。
序盤は「汚いものアレルギー」なる汚いもの・人助けをしない人間(+オルフェノクも)に触れるとくしゃみが出るアレルギーを患っていたが、途中からその描写は無くなった。
これも先述の彼の独善的な面を表す描写なのであって、本当にそんなアレルギーを持っているとは限らないので注意されたし。
因みに彼は流星塾のメンバーでもなく、オルフェノクに覚醒もしていない事情から、レギュラーキャラの中では唯一、一度も死亡してない。
尚、ひょんなことから海堂直也と意気投合し、彼と共に金髪に染めたチョイワルスタイルに変貌するなど迷走していたが、紆余曲折の果てに元に戻している。
その縁で後に鈴木照夫を共にビル火災から海堂と共に救助し、行き場を失った照夫を預かることとなる。
劇中では青いホンダ・モビリオ・スパイクを乗用しており、後部にはハンガーラックが据え付けられている。他にもホンダ・フォルツァを所持している。
本編外の作品
『パラダイス・ロスト』
人間解放軍の一員。状況が状況故か水原や草加達に対し少々冷めた態度を見せたりはするが、人間サイドから嫌われていた木場勇治達に親しく接しようとするなど、根本は特に変わっていない。
中盤、何と真理の危機に「飲めば一度だけベルトを装着して変身することが出来る」薬品『変身一発』を飲み、仮面ライダーカイザへと変身。DC版では1本目は弾かれてしまったが2回目で何とか変身出来た。ただひたすら殴る滅茶苦茶な戦法でライオンオルフェノクを圧倒し(この滅茶苦茶な戦法が逆に功を奏したのだろうか)、ゴルドスマッシュで勝利した。変身後に砂にならなかったが、代わりにカイザギアに負担がかかり灰化してしまった。
カイザギア「解せぬ」
尚、通常カイザのスーツアクターは伊藤慎だが、啓太郎カイザは高岩成二が担当している。溝呂木賢はこの変身について「タッ君を意識した動きを啓太郎っぽいアレンジをして」と述べており、前述の事情もあってファイズと同じ高岩が担当しているものと思われる。
少し抜けた様なアクションに前年の主人公を思い出した人もいるのではないだろうか?
その後、サイガに攫われた真理を救いに1人向かおうとする巧に同行しようとしたが、その道中で巧が(わざと)落とした大量の武器を拾うのに気を取られて、啓太郎は置いて行かれてしまった。
この後、巧が向かったスマートブレイン・スーパーアリーナにはレオとスマートレディに騙されて人間に絶望した木場、エラスモテリウムオルフェノクの他にも1万人以上のオルフェノクが犇めいており、そんな死地に啓太郎を連れて行く訳にはいかなかった巧の判断は正しかったと評せる。
最終決戦後、啓太郎がどう行動するかは不明だが、生きている限り巧と真理と再会出来るかもしれない可能性があるのは確かだろう。
その他
『仮面ライダー大戦』では登場しないが、巧が現在も『西洋洗濯舗 菊池』に滞在していた点から 恐らく今も変わらずみんなの洗濯物を真っ白にしていると思われる。しかし、草加のトラウマから逃げたい一心で巧は1人旅に出てしまう。その場に啓太郎や真理がいなかった状況から、2人の留守中に勝手に出て行った可能性が高い。後にトラウマを振り切った巧が再び啓太郎の元に戻って来たかは不明だが、勝手に出て行かれた啓太郎からしたらどんな気持ちだろうか……。
『仮面ライダージオウ』でも直接の登場はないが、巧の名刺に『西洋洗濯舗 菊池』の文字があった事情から、歴史改編の影響を受けた本作でもクリーニング屋を経営し、巧とちゃんと出会っていたらしい事態が窺える。
そして、本編から20年後の世界が舞台の『パラダイス・リゲインド』では「世界中の洗濯物を綺麗にする」と宣言し旅に出たため不在であり、彼の甥である菊池条太郎が登場する。
キャラソン
「Hang on」
劇中未使用。
余談
演者の溝呂木賢氏は2022年に所属事務所のトリプルエーを退社、それと同時に芸能界からも引退している。
『パラダイス・リゲインド』で啓太郎が登場せず、甥の条太郎が店を継いでいる設定になったのはこの都合による。
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類似人物
- 尾室隆弘、白井虎太郎、奈良瞬平:似たようなポジションの人物達。
- 五代雄介、津上翔一:過去作の平成ライダー主人公はいずれも心優しくヒーローらしい性格の持ち主であったためか、『たっくんよりも啓太郎のほうが主人公っぽい』という意見も多かった。