「俺に言わせりゃ、仲間達が死んだのはお前のせいだ!」
演:速水もこみち
概要
オルフェノクに抵抗するレジスタンス組織「人間解放軍」のリーダーを務める青年。
勇猛果敢に戦う姿から一見頼り甲斐のある存在に見え、彼に賛同する人間も多い。
しかし……その本質は自分勝手そのものであり、身勝手かつ無責任な言動が多く、オルフェノクから世界の覇権を取り戻すためとはいえ強硬的な手段に出ることも辞さない姿勢から同じ解放軍の園田真理や菊池啓太郎とは頻繁に衝突している。
またメサイアコンプレックスが非常に強く、劇中で帝王のベルトを狙っていたのも「人類のため」や「正義の心から来る使命感」などではなく自分が「英雄」として持て囃されたいだけだった。
目的のためならば手段を選ばず、邪魔と判断した人間は味方まで平然と殺そうとするなど、はっきり言ってこの世界の草加雅人の方がまだ扱い易いと言える位の危険人物であった。
劇中での動向
生前
劇中序盤では人間解放軍の武器開発担当である野村が開発中であった「対オルフェノク用スパイラル弾」を勝手に持ち出し、自分に賛同する仲間達と共にスマートブレインに乗り込み「帝王のベルト」を手に入れようとするもオルフェノクには効かず、同行した仲間は全員スマートブレインや市井のオルフェノク達によって惨殺されてしまったが、水原は仲間を助けることもせずに一人だけ逃げて帰還(ただ、自らが招いたとはいえ状況的には逃げ出しても仕方無い絶望的な状況だった)。
身勝手な行動で仲間を無駄死にさせたことを真理や啓太郎から糾弾されるが、微塵も悪びれないばかりか任務失敗の責任を野村に擦りつけようとする無責任極まりない振る舞いを見せた。
その後、草加がレオ/仮面ライダーサイガとの戦いで死亡してファイズこと乾巧が帰還した際にはあれこれと難癖をつけてファイズギアを寄越せと言い出すが、適当にあしらわれたため、巧を殺してギアを奪おうと画策。その結果、記憶を失っていた巧が共に過ごしていた少女・ミナが水原によって射殺される悲劇が起こってしまった。
そして巧がミナの死に動揺している間にギアをネコババして逃亡。
事情を知った木場勇治によってギアの返還を求められるも、水原は逆上。以前から木場達の存在を快く思っていなかったこともあってこれ幸いと言わんばかりに奪い取ったギアを使ってファイズに変身して木場を始末しようとするが、当然ギアは適合することなく失敗。それでも懲りずに銃を乱射するがホースオルフェノクに変身した木場には通用することなく、これも失敗。
ギアを拾おうとしたホースオルフェノクを阻止しようと手榴弾を投げ付けるが、その爆発で吹き飛んだホースオルフェノクの魔剣が腹部に突き刺さって死亡するという自業自得の末路を迎えた。
死後
しかし、ホースオルフェノクが水原の遺体から魔剣を引き抜く場面を人間解放軍の兵士に目撃された結果、『木場が水原に手を掛けた』と誤解した解放軍の木場、結花、海堂への猜疑心は頂点に達し、『追放処分』を命じられながら銃口を向けられるなど一触即発の状況になってしまう。
そこで事の真実を打ち明けることも出来たが、これ以上人間との溝を深めたくない木場は敢えて真実を語らぬまま誤解を解いて処分を免除して貰うべく、水原が狙っていた帝王のベルトを強奪してくるという半ば無理難題を請け負った結果、後の悲劇に見舞われることになってしまう……。
水原の行動は結果として、多くの罪の無い人間に不幸な死、そして離別を迎えさせることになってしまった……。
水原が率いていた人間解放軍がファイズとサイガ&オーガの激闘の後にどうなるかは分からないが、オルフェノクの殲滅に固執する強硬派と、啓太郎のように人間とオルフェノクの共存を望む穏健派の二つに割れるだろう未来は想像に難くない。
余談
劇中の言動からか他サイトでは演者の黒歴史扱いされ、更には演者の後年の活躍にかけて『劣悪食用油の妖精』、『廃棄油を使っていた頃のもこみち』とネタにする者もいる始末である。
それだけ、劇中の水原の行動は問題だらけで擁護の仕様が無いとしか言い様がなく、「身勝手・無責任・傲慢」という最悪の三拍子な負の要素が揃ってしまった人物なので、仕方の無い話と言わざるを得ない。
因みに演者は後年、日テレドラマ版『この世界の片隅に』にて同じく水原の姓を持った役を演じている。
桜庭一樹氏のノベライズ版パラロスではそういった負の一面が無くなり、終始巧達に対して協力的に接し、彼の最終決戦を影から見届けるなど、正反対の好人物として描かれている。
関連タグ
関連・類似キャラクター
- 東條悟:同じく『英雄』の名誉を得る事に固執しながらもやっていることはそれとはまるで正反対な俗物仲間。
- 織田秀成:3年後のライダー映画に登場した直情径行なキャラクターであり、荒廃した世界でレジスタンス組織のリーダーを務めている点も同じ。敵対する組織のある計画を乗っ取って後釜として自分達が社会の頂点に立つという水原に勝るとも劣らない野心を持っていた(また、水原ほどではないが自分本位に活動しているとも言える)。但し、彼は水原とは異なり相手を惹きつけるカリスマとリーダーの器量を兼ね備えた人物であり、個人単位の付き合いだけでは終始主人公の味方であった。
- 井垣渉:同じく、怪人に対して激しい敵意を抱く、人間ながら怪人よりも性悪な性格の持ち主で、最終的にその人間性が仇となって因果応報の末路を迎えたが、彼の行動が物語に更なる暗雲を齎すこととなった。