概要
1967年7月26日から2004年9月25日まで実に37年2ヵ月間の長期にわたって放送していたため、東海地方のうち放送範囲である愛知県・岐阜県・三重県の県民の多くの心に焼き付いている。
この記録は2012年に『パネルクイズ アタック25』に抜かされるまで最長寿であった。
1963年4月から1967年7月まで放送されていた『さくらんぼ教室』の発展型としてスタート。『さくらんぼ教室』は小中学生の同級生ペア5組が主に科学分野をテーマにしたクイズに解答するという内容であり、この名残で番組開始当初は中学生も参加可能だった。
中学生が参加可能だった時期は「小学生の部」と「中学生の部」が隔週で放送されていた。
番組開始当初からカラー放送されていたとされており、当時のローカル番組としては異例であった。
番組のルール
基本的なルールはいわゆる○×クイズ。番組マスコットの天才博士がクイズを出題し、解答者の小学生が答えが「○」の場合は「イエース!」、「×」の場合は「ノー!」と掛け声を上げて「○」、「×」の書かれた帽子を被る。この帽子は参加者に記念品として配られていた。
「×」の帽子はメイン画像のように赤色のものがよく知られているが、番組開始当初は紺色だった。
前半戦・後半戦に分かれて行われ、前半戦はひな壇、後半戦はスタジオ中央で解答するという点は共通する。
男女対抗戦
番組開始当初から2001年4月まで行われていたルール。男女別のチーム各30人が「ボーイズチーム」(緑)、「ガールズチーム」(赤)に分かれて解答。解答は個人戦だが応募自体はグループ参加が可能だった。
1984年頃までは前半6問・後半6問の12問、1985年頃から前半が4問に減らされ合計10問となり、1997年のリニューアルで前半4問・後半4問の8問となった。
前半戦は解答者同士の相談が可能で、不正解になり失格となってしまった解答者も相談に参加できた。
問題の中には「街角博士」としてVTR形式で出題する問題や、3択問題を出題して「正しいのは1番であ~る?」と強引に○×クイズ形式にした場合もあった。
全問正解して最後までスタジオの中央に立っていた解答者が天才賞となり賞品を獲得。最後の問題に残っていて不正解になってしまった場合は秀才賞、そのまた前の問題まで残っていて不正解になってしまった場合は奮闘賞としてそれぞれ賞品が贈られた。
天才賞の賞品は初期はラジオ、映写機、カメラだったが後に自転車、天体望遠鏡、地球儀に変更された。この3点は天才賞の伝統的な賞品として番組終了まで継続されたが、このほかにラジカセやウォークマン、ゲームや玩具が贈られたこともあった。
秀才賞もほぼ天才賞の賞品と同じものが贈られたが、奮闘賞は初期は広辞林、後に天才博士のグッズが贈られた。
最後まで残った人数が多かったチームには「勝組賞」として敷島製パンの製品(末期は天才博士文具セット)が贈られた。男女同数が残った場合は両方が勝組賞となった。
一方で問題が数問残った状態で解答者が全滅することもあり、この場合は「おまけしま賞クイズ」として参加者全員が残りの問題に解答。最後まで残った解答者に記念品が贈られた。
賞のランク(最上位から)
①天才賞→②秀才賞→③奮闘賞
学校対抗戦
2001年4月からは東海3県の小学校の生徒6人がチームを組み、8校で対戦するルールとなった。参加申し込みは参加する小学校の先生が取り纏めていたとされる。
前半3ステージで得点上位2チームがファイナルステージに進出。ファイナルステージは4問の○×クイズで、全問正解で天才賞。天才賞を獲得した人数が多い学校が勝利となる。
仮に途中でどちらかの学校が全滅した場合はそこで勝者が決まるが、天才賞のため最後まで出題される。
勝利チームには天才博士の文具セットとトロフィーが贈呈される。天才賞を獲得するとメダルと賞品を得られる。負けたチームでも天才賞はもらえる。
実は2001年時点でCBC側は番組の放送終了も検討していたが、敷島製パン側が続行を求めたためルールの大幅変更による放送続行が決まった。
なお、末期の学校対抗戦時代の放送期間は僅か3年間だった。(2003年9月からからスポンサーの敷島製パンが「Pasco」に統一されたため、番組セットにモニターが設置されている場面のみセットチェンジした)
学校対抗戦時代の解答席の配色
復活特番
「学校が週休二日制になったことで学習塾に通う児童が続出し子供たちを取り巻く環境が変化した」ことを理由に放送を終了。その時点でCBCは夏休み或いは春休みシーズンに特番での復活が検討されていたが、他の特番の1コーナーとしての復活を除けば2016年まで復活特番は行われなかった。
この2016年12月3日の復活特番は「オトナの天才クイズ」として18歳以上の一般人が解答。50チーム150名(1チーム3名ずつ)が参加したがラスト直前で全滅。天才賞は出なかった。
2022年8月27日には「復活!天才クイズ」として放送。小学生が問題に答えたが、前回に引き続き、天才賞は出なかった。
2023年8月23日には「新天才クイズ 2023年夏」が放送。ローカル放送のほかLocipoによるインターネット配信が行われた。
この2回が好評だったようで春休み或いは夏休みシーズンでの特番放送が常態化。2024年3月30日には「新天才クイズ 2024年春」が放送。復活特番では初の天才賞獲得者が現れた。
司会
2代:高松しげお(元漫才師・晴乃タック(晴乃チック・タック)、1974年1月 - 1983年12月)
3代:斉藤ゆう子(現・斉藤祐子、1984年1月 - 1994年5月)
4代:林家こぶ平 (現:林家正蔵、1994年6月 - 2004年9月)
復活版初代:井戸田潤(スピードワゴン)(2016年12月 - 2022年8月)
2016年の特番では放送記念CMとして「Pascoの『超熟』の初売はスピードワゴンの結成より早い?」という問題が出題された。
天才博士
CV:鎌田吉三郎
番組のマスコットキャラクター兼出題者。おそらく左画像の波平ヘアーに団子鼻の白衣姿の博士がなじみ深いだろうが、この博士は実は3代目。
初代は銀色のロボットで「ロボット博士」という通称があった。両手は○×の帽子を模した形になっており、正解を発表する際にそれぞれの腕を上げる。
CBC局内にはこの初代博士の映像はテープが上書きされてしまい残っていないが、初代天才賞を獲得した当時男子小学生の親が客席からスタジオを映した8ミリフィルムが残されており、2016年のCBCの特番で放送された。この映像では番組初期に見られた紺色の「×」帽子も確認できる。
MCが高松しげおに交代してから登場した2代目は右画像の西洋人を思わせる彫りの深い風貌の初老の男。歴代の博士では唯一セットの中央に据え置かれた巨大な造形物で、その巨体とグロテスクとも称される風貌から「怖い」、「子供が泣きわめく」などの声もあった。
斉藤ゆう子も「私が最初に出演したときの博士は妖怪図鑑の3ページ目には載っているような顔で…迫力があったなぁ」と語っている。
3代目はその斉藤が芸能界入りする前にアルバイトしていた大阪府の着ぐるみ制作企業ラックが制作。斉藤に合わせてポップな造形となった。
このように3代で別人としか言いようがないほどに変化した博士だったが、いずれもCBC劇団に所属していた鎌田吉三郎が声を担当していた。
2023年の特番からは3代目をもとに新調した着ぐるみが登場している。同時に担当声優もCBCアナウンサーの永岡歩に交代した。
関連イラスト
↑「ラブリーパブリー」のパブリ(海川ひとみ)が天才クイズの帽子を被ろうしているイラスト、
局的にNGか?
関連タグ
敷島製パン(現Pasco)…スポンサー。