鬼道(BLEACH)
きどう
概要
死神が自身の霊力や霊圧を用いて使う霊術(呪術)の1つ。
決められた言霊を詠唱した後、術名を言う事によって発動する。
大きく分けて、相手を直接攻撃する「破道」(はどう)と、防御・束縛・伝達等を行う「縛道」(ばくどう)の2種類がある。
それぞれ一番から九十九番にまで及ぶ様々な効果を持った術が多数存在し、数字が大きいもの程に高位かつ強力なものになる。また、高位の縛道の中には束縛だけではなく、その状態からそのまま攻撃に移る事のできる「封殺型」という物も存在する。
死神の戦闘技術では、斬魄刀を用いた剣術・戦法に次ぐ重要なもの。
詠唱技術
鬼道の詠唱に関する技術がいくつか存在する。
- 詠唱破棄
詠唱を唱えずに術名だけで鬼道を放つ。
即時攻撃が可能となるが、威力を維持する事が難しい。また、高位の鬼道になる程に難易度は上がる。兵主部一兵衛は自身の名前に呪いをかけており、兵主部の名前を呼んだ敵の喉を潰すという場面があった。これは、詠唱破棄ができない敵の鬼道戦法を無力化させるという事になる。
- 後述詠唱
詠唱破棄で鬼道を放った後に、詠唱を追加して強化。
- 二重詠唱
二種類の鬼道の詠唱を並行して行うことで、鬼道の連発を可能とする。
ただし高等技術である為に容易に扱えるものではない。
向き不向き
基本的には死神の学校である真央霊術院などで訓練と勉学を積んで習得する物であり、黒崎一護や更木剣八のように正規の訓練を受けていない者は使えない。
また向き不向きもあり、必ずしも高い実力を持つ死神が鬼道を使いこなせる訳ではない。流石に隊長クラスになると高度な鬼道を詠唱破棄でも使えるレベルの者が多いが、隊長を除くと作中では朽木ルキア・雛森桃・伊勢七緒が得意な部類で、雛森は「達人」と明言され、七緒は鬼道だけで副隊長に登り詰めたと自負している。
恋次は出力調整が苦手で威力こそは出るが自身も喰らい、大前田は二十番台の鬼道ですら暴発してしまう。一角は本人が苦手で使う気もないと語っている。
なお、大前田の父親の希ノ進は現役の頃は息子と違って鬼道の腕前は達人クラス。原因は彼が二番隊副隊長していた頃の隊長が夜一だが
一覧
一番から九十九番のうち、作中で判明しているのはどちらも1/5ほどである。
破道
番号 | 名前 | 詠唱 | 効果・説明 | 主な使用者 |
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一 | 衝(しょう) | 指先から弱い衝撃を放つ | ||
四 | 白雷(びゃくらい) | 指先から貫通力のある光線を放つ |
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十一 | 綴雷電(つづりらいでん) | 物質に沿って電撃を放つ | ||
十二 | 伏火(ふしび) | 霊圧をクモの巣状に展開し、捉えて攻撃する | ||
三十一 | 赤火砲(しゃっかほう) | 君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱、海隔て逆巻き南へと歩を進めよ | 火の玉を放つ
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三十二 | 黄火閃(おうかせん) | 黄色の霊圧を放つ | ||
三十三 | 蒼火墜(そうかつい) | 蒼い炎を浴びせる |
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五十四 | 廃炎(はいえん) | 円盤状の炎を放ち焼きつくす | ||
五十七 | 大地転踊(だいちてんよう) | 周囲の岩石を飛ばす | ||
五十八 | 闐嵐(てんらん) | 竜巻を放つ |
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六十三 | 雷吼炮(らいこうほう)※ | 雷を帯びた光弾を放つ | ||
七十三 | 双蓮蒼火墜(そうれんそうかつい) | 蒼火墜の上位版 |
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七十八 | 斬華輪(ざんげりん) | 二本の斬魄刀の切っ先をすり合わせ、"飛ぶ斬撃"を放つ | ||
八十八 | 飛竜撃賊震天雷炮(ひりゅうげきぞくしんてんらいほう) | 大規模な光線を放つ | ||
九十 | 黒棺(くろひつぎ) | 重力の奔流で囲い、圧砕する |
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九十一 | 千手皎天汰炮(せんじゅこうてんたいほう) | 無数の光の矢を浴びせる |
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九十六 | 一刀火葬(いっとうかそう) | 自身の体の一部を媒体に、巨大な刀身状の焔を生み出す
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九十九 | 五龍転滅(ごりゅうてんめつ) | 大地の霊脈から巨大な龍を複数出現させて攻撃する。小説版で浦原が使用時には大気中に流れる相手の霊圧を利用して発動させた。 |
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※本誌掲載および単行本では七十三だったが、アニメおよび公式ファンブックで変更。
縛道
番号 | 名前 | 詠唱 | 効果・説明 | 使用者 |
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一 | 塞(さい) | 手足の動きを封じる |
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四 | 這縄(はいなわ) | 縄状の霊子で拘束する |
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八 | 斥(せき) | 手の甲に出した楯状の霊圧で物理攻撃を弾く |
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九※ | 撃(げき)/ 崩輪(ほうりん) | (後述) |
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二十一 | 赤煙遁(せきえんとん) | 煙幕を発生させる | ||
二十六 | 曲光(きょっこう) | 対象を霊圧で覆い見えなくする |
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三十 | 嘴突三閃(しとつさんせん) | 敵の両腕と腰部分を壁に固定させる
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三十七 | 吊星(つりぼし) | ハンモックの要領で衝撃を防ぐ |
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三十九 | 円閘扇(えんこうせん) | 円形の盾を繰り出す |
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五十八 | 掴趾追雀(かくしついじゃく) | 対象の霊圧を感知し居場所を捕捉する |
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六十一 | 六杖光牢(りくじょうこうろう) | 帯状の霊圧で動きを封じる |
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六十二 | 百歩欄干(ひゃっぽらんかん) | 棒状の霊圧を投げつけ相手を捕らえる |
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六十三 | 鎖条鎖縛(さじょうさばく) | 太い鎖を巻きつかせ体の自由を奪う |
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七十三 | 倒山晶(とうざんしょう) | 逆四角錐状の結界を展開する。アニメ版では人1人分が入る直方体の結界を展開し、相手の拘束や自身や味方の防御に使っている描写もある |
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七十五 | 五柱鉄貫(ごちゅうてっかん) | 巨大な鉄柱を降らせ相手の五体を封じる |
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七十七 | 天挺空羅(てんていくうら) | 対象の位置を捜索・捕捉し伝信する |
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七十九 | 九曜縛(くようしばり) | 9つの黒い球で相手を縛る |
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八十一 | 断空(だんくう) | 防壁で八十九番以下の破道を完全に防ぐ
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九十九 | 禁(きん) | 対象をベルトと鋲で拘束する。後述する卍禁へと繋げる。 |
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九十九・第二番 | 卍禁(ばんきん) | 3段階で封印する「封殺型」の縛道。詳しい性能は卍禁にて。 |
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※最初にルキアが使用した際は「撃」という名前で赤い光で対象を縛るものだったが、原作では詠唱の途中で一護に阻止されたためアニオリで追加されたものだった。
その後アニオリ長編内で、雛森が同じ番号の「崩輪」を使用。こちらは指先から出した黄色い縄状の霊子で対象を捕らえるもの。
つまりどちらもアニオリのため、詳細は不明となっている。
- 裏破道(うらはどう)
現時点では兵主部一兵衛が「三の道(どう) 鉄風殺(てっぷうさつ)」を使用したのみで、通常の破道とどう異なるのか詳細不明。
番号 | 名前 | 効果・説明 | 使用者 |
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三の道(どう) | 鉄風殺(てっぷうさつ) | 龍の頭部を生成し、龍の息吹で吹き飛ばす。ユーハバッハの外殻静血装で作った障壁を破壊させた。 |
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その他・応用技
- 回道(かいどう)
主に四番隊及びその在籍経験者が使用する、治療・回復用の鬼道。
麒麟寺天示郎が開祖。
- 反鬼相殺(はんきそうさい)
同質・同量・逆回転の鬼道を放ち相手の鬼道を相殺する、高等技術。
- 瞬鬨(しゅんこう)
隠密機動総司令官に代々受け継がれる奥義。高濃度に圧縮した鬼道を己の手足へと纏い、打撃が当たった瞬間炸裂させる。
作中では主に四楓院夜一と弟の夕四郎が使用。また砕蜂も独自に会得している。応用技は各個人の記事を参照。
ちなみに刑戦装束はこの技の使用を想定したつくりになっており、元から両肩と背中がむき出しになっている。
- 白伏(はくふく)
相手の意識を混濁させ、一時的に昏睡状態に陥れる。
作中では雛森が監視役の牢番に使用した他、市丸ギンが乱菊にそれらしき技を使用。
- 鏡門(きょうもん)
外部からの攻撃を反射する結界を張る。なお内側からは比較的簡単に破れてしまう。
- 時間停止(じかんていし)
- 空間転移(くうかんてんい)
過去篇で鉄裁が使用した禁術。
- 白断結壁(はくだんけっぺき)
最終章で伊勢七緒が使用した、滅却師の力を一時的ではあるが完全に断つ防壁。
七緒が開発したとされ、十三隊では七緒以外に使える者がいないともされる高等術。
有昭田鉢玄が使った技
- 八爻双崖(はちぎょうそうがい)
中の出来事が外の人物の意識からも消える結界を張る。
- 四獣塞門(しじゅうさいもん)
【軍相八寸(ぐんそうはっすん) 退(ひ)くに能(あた)わず・青き閂(かんぬき) 白き閂 黒き閂 赤き閂 相贖(あいあがな)いて大海に沈む 竜尾(りゅうび)の城門(じょうもん) 虎咬(ここう)の城門 亀鎧(きがい)の城門 鳳翼(ほうよく)の城門】
対象の前方・左右・上にそれぞれ竜・虎・亀・鳳凰を模した壁を発生させ、直方体の結界で閉じ込める。
- 六方風陣
6本の柱状の結界を6方向に発生させ、相手を内部に閉じ込める。
- 五養蓋
五角形の結界をはり、内部の相手を治療する。
- 匣遺
物質を匣状の結界に入れて、転送させる。
- スタンディング・オベーション
指を鳴らして相手の頭部に四角柱の結界をはり、胴体と切り離す。
- チョコレート・バー・スライダー
キューブ上のエネルギーを多数生成して敵にぶつける。
余談
- 本作に登場する要素の中では、斬魄刀に次いで人気となっている。
- その呪文に使用される独特の詩は、後続するバトル系の作品に強い影響を与えており、また「詠唱破棄」という言葉は本作以降、創作作品における魔法系の戦闘で使われるようになった。
- 公式Q&Aによって判明したが、縛道の九撃の詠唱に含まれる「ロンダニーニの黒犬」は尸魂界・西梢局由来の言葉と判明したため、鬼道の構築体系に西梢局の魔法が関係している可能性が高いと思われる。
- 『BLEACH』の初期設定では、死神は西洋風の格好をして拳銃を使い、死神全員が外国人キャラクターであり、ルキアだけが思い入れのために昔ながらの鎌を使う予定であったとも判明しており、作者の「西洋風」の構想は本作の初期からあった。
- 鬼道と魔法の詠唱文が似ている事例として、たとえば「飛竜撃賊震天雷炮」と「対竜絶対殺害砲」がある。