レオナ・ハイデルン
れおなはいでるん
「あなたと戦っている間、気分が高揚したわよ。いったい何だったのかしら……」
プロフィール
人物
『KOF96』で初登場したシリーズ初のオリジナルヒロイン。('96のみ。)。怒チームの指揮官であるハイデルンの義娘で、実はオロチ八傑集の一人であるガイデルの実娘。
基本は無口な軍人娘だが、ラルフ・ジョーンズやクラーク・スティルには笑顔や涙など表情を見せることもある。このことに関しては、ラルフとクラークと付き合っていくうちに、無愛想が多少治ってきている。
「レオナ」という名前は本名だが、名字の「ハイデルン」は名前自体が元々偽名であるため、「レオナ・ハイデルン」というフルネームは、養父であるハイデルンが実際に付けたコードネームである。
本当の名字は実父ともども不明。
ちなみにラルフとクラークと同様、『メタルスラッグ』シリーズにもゲスト出演している。
衣装・容姿
青い髪をポニーテールにしており、瞳の色は青。
『96』~『2003』、『MIシリーズ』までは緑もしくはカーキ色のお腹の辺りが露になっている半袖の軍服+ハーフパンツの活動的な服装を身に着けている。
『MI』のアナザーモデル(2Pカラー)はタンクトップにミリタリーパンツ姿で登場しており、再登場した本編の『XII』以降からタンクトップにミリタリーパンツ姿となって露出度がアップしている。さらに2.5Dとなった『XIV』では胸が揺れるようになっている。
『XV』ではコスチュームは『XIV』のままだが、ゲームエンジンや技術向上により実現出来なかった腹筋がバキバキ割れるように表現されるようなった。
髪の中にブーメランを隠し持っている、着けているイヤリングが実は爆弾だったりと見かけによらず物騒。
その他
何故か工場見学が趣味だが、これは「物が出来上がっていく過程が興味深い」及び「おみやげが貰える」からとのことである。なにこれかわいい。
逆に嫌いなものは「血」だが、他にも歯医者と案外子供っぽい一面も。「SNKギャルズファイターズ」のエンディングにて虫歯があっても行きたがらず、事情を知らないラルフたちを心配させた。結局、戦っている最中に虫歯が折れて解決した。
ちなみに、詳しくは虫歯の項目を参照してもらいたいが、虫歯が折れたぐらいでは解決せず、むしろ死亡する恐れもあるので絶対に真似してはいけない。
今は麻酔の発展で、痛みもそれ程感じない為、虫歯になったらちゃんと歯医者に行きましょう。
タメ口と敬礼
上官にタメ口
『'98』以降の対戦前デモでは上官であるハイデルンやクラークと対戦する際に敬礼を行うが、ラルフに対してだけ敬礼せず「あなたでは……勝てない」とまで言ってしまう事があった。
……実は言うとこれは『'98』限定のバグである。本来であれば戦いの覚悟が足りない相手への特殊掛け合いと思われ、ラルフ以外には八神庵、ジョー・ヒガシ、ユリ・サカザキ、麻宮アテナ、椎拳崇、チョイ・ボンゲ、矢吹真吾にも発生する。
もちろんすぐに修正され、『'99』以降の作品ではきちんとラルフに敬礼している。
(ただし『'98』のリメイクである『'98UM』では、通常はレオナがきちんと敬礼してラルフも指で挨拶するようになっているが、お互いが1番手(トレーニングモードも)だと『'98』無印当時を再現してレオナは「あなたでは勝てない」、ラルフは通常(酒をラッパ飲み)になる。)
実際はラルフに元気付けられて笑顔を見せたことがあったり、『'97』エンディングで彼のトレードマークであるバンダナを貰っていたりしている。
しかし暴言のフォローについてはされていない・・・
上記の(暴言を除く)エピソードから、ラルフとは深い関係を推測されることもしばしば。ただしスタッフの公式見解で否定はされているらしいが、非常に人気の高いカップリングではある。とはいっても、アラフォーのおっさんと10代の少女だしね。
チャン・コーハンに敬礼
そして、『'98』にてラルフの代わりに敬礼されていたのがなんとチャン・コーハン。
どうやらゲーム上で二人の掛け合いの設定が何の間違いか入れ替わってしまったのが原因らしい。
しかしこのことが妙に受けて上記のラルフの件とともにネタにされまくったせいか、
後に後付け設定で「純粋なパワーに敬意を示している」という説明が付けられた。
基本的に軍人は戦闘を生業とする以上、力こそが正義である職場なことは間違いないので、その精神はいち軍人として何にも間違っちゃいないのは確かである。
そしてなにしろ作中トップの攻防の数値というインパクトは絶大であり、しかも強キャラと名高いあのダイソンさんに有利を取れるんだからそりゃ敬礼されるのも納得である。
とはいえやはり納得できない人にはどう見ても苦しい言い訳にしか聞こえないが、実はこれに関しては、
『'96』では56kgだったレオナの体重が「筋トレで鍛えた」との理由で『'97』では65kgに激増したことを受けて「あの人(コーハン)はあんな力を身に付けるまで一体どんな鍛え方をしたのかしら?」と謎の感銘を受けてしまい、それがチャンへの尊敬に繋がり敬礼となった、
という微妙にもっともらしい設定もある模様。案外天然なのだろうか?
(ちなみに件の体重激増も実は桁入れ替わりミスだったのでは?という疑惑説があった)
なお、こちらは上の暴言とは違い正式設定として採用されたためか修正を免れ、
その後のシリーズでも再び採用されて度々レオナはチャンに敬礼を行うようになった。
さらに『XIII』ではライデンにも「純粋なパワーは賞賛するわよ」と言ったりしている。
後述する通り、彼女には爆発的な破壊力を持っていないので、ないものねだりじみた羨望めいた感情からパワーへのリスペクトという精神が芽生えたということか。
そして、遂に『XIV』ではチャンの方からも敬礼で返してくれるようになった。順当にチャンが更生へと歩を進めているようでこれにはキムの旦那もにっこりである。
しかし残念なことに、その『XIV』ではチャン達がザナドゥ率いる「悪人チーム」として出場したため、
勝利メッセージでは「また悪にとらわれているのね…… 打ち破れるだけの力を持っているのに……」
と残念がる様子を見せている。ここまで女の子に気遣ってもらえるチャンには案外春が近いのかもしれない。
もっともチャンはある意味朴念仁主人公以上のニブチンなので、このままでは互いに進展などないのも現実なのだが
スマホアプリ『KOFオールスター』でもバトルカード「敬虔な態度」でレオナとチャンが並んで敬礼しているイラストが描かれたり、チャンとのリンク効果として「ミスマッチ」が設定されていたりなど継続してネタにされている。
何にせよ、レオナがチャンに一目置いているのはもはや間違いない事実のようである。
背景
幼い頃に両親を目の前で殺されて記憶を失った後、身寄りがなくハイデルンの養女となっている。
実は、突然変異により本来転生で継承されるはずのオロチ八傑集としての力(実父であるオロチ八傑集のガイデルが受け継ぐはずだったもの)を所持する。それゆえ、幼い頃に突如現れたオロチ四天王ゲーニッツによって強制的にオロチの力を覚醒させられ、自分の手で両親を殺してしまい、この事件が原因で心を閉ざし感情をなくす。
オロチの復活を描いた『'97』において、自らの血の宿命と過去すべてを知った彼女は、自決によってその呪われた生涯を絶とうとする。しかし、それを止めたのは仲間たちであった。いまはもうひとりではなく、「帰る場所」がある――そのことに気づいた彼女の頬には、わずかな笑みが浮かんでいた。
その後は軍人として及び怒チームの一員として順調に任務をこなすこととなる。その表情や言動には、劇的ではないが少しずつ柔らかさが生まれつつあり、前述したオロチの血やそこから生まれる力に関しても、制御しながらそれに頼ることなく、要はうまく付き合う術を身につけた。
が、『2003』においてとある事情でオロチの力が表にでるようになると、エンディングで再び血の暴走状態へと陥ってしまう。その場ではかろうじて仲間たちに止められたものの、かくある事情から『XI』では不参戦となった。シナリオ上直接的な次回作となる『XIII』で、彼女は自らの意思でKOFへの参戦を志願、一度は克服したはずの自らの呪われた過去と宿命に向き合う覚悟を決めたのだった。
なお、『XIII』ではマチュアとバイスの二人、『XV』では七枷社、シェルミー、クリスの三人と、オロチ八傑衆のメンバーが次々と復活している事実から、今後はガイデルも復活してレオナと再会する可能性も否定出来ない事になっている。
実際、『XIV』ではバースの台詞の中にガイデルの物と思われる台詞が存在し、EDでもハイデルンが「ガイデルのは発見出来なかった」と語っている等、ガイデルの復活を示唆する伏線の様な物が張られている。
そして、遂に『XV』のEDでは、ハイデルンの進めていた調査によってガイデルらしき人物の存在が確認される事になり、レオナはラルフやクラークと共にガイデルを対象とした調査隊に参加するのだった。
果たして、実の父・ガイデルとの再会時にレオナに待ち受けるものとは…。
ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ
自身の身に流れるオロチの血が覚醒し、狂気の塊と化した姿。髪が赤に変色し、白目になる。理性を失って破壊衝動のままに行動し、目に映る者全てを標的として容赦なく攻撃する。
かつてレオナが幼かった頃、ゲーニッツの手によってこの状態となり、父ガイデルと母を殺害してしまった。
覚醒
なお、『2002』、『2002UM』、『NEOWAVE』においては自らの意思で「覚醒」することができ(これは彼女が血の力を制御できていた頃の話であり「暴走」ではない)、『XIII』以降はMAX版超必殺技を使用する時には髪が赤くなる演出がある。
『2000』からはレオナの勝利メッセージで「力は制御できるけどそれに頼るつもりはない」と言っているが、『2003』のエンディングではオロチの封印解除の影響を受けて暴走し、ラルフとクラークに襲い掛かってしまった為、完全な制御は未だに困難の模様。
スマホゲームにもコラボで登場
シノマス(閃乱Kagura New Link)にも戦闘キャラとしてコラボした。
さらにパズドラKOFコラボ第2弾ではレオナの進化系の一つとして「転生レオナ」として登場している。
漫画版
コミカライズ版『KOF A NEW BEGINNING』でメキシコチームとの試合中にネスツの残党組織から特殊な電波で洗脳状態になったアンヘルを止めるために力を解放する。仲間を信じて無事制御下に収めアンヘルと激突した。
ストームブリンガーに似た吸収能力でアンヘルを追い込んだところで、電波を中継している虫型機械をイヤリング爆弾で破壊し洗脳を解除した。
ノベライズ版
『96』のノベライズ版『Rumbling on the City』では庵と交戦中に暴走。レオナが暴走して両親を殺めたという設定は既に存在しているとはいえ、まさかの『97』を先取りした展開である(ちなみにこの時庵の方も暴走している)。
『97』のノベライズ版の前編にあたる『終わりなき夏の最期に』ではニューフェイスチームとの試合の前に一人でいたところをクリスの手で暴走させられ、異常を察したラルフとクラークを倒して暴れていたところをちづるの要請で駆けつけた京に倒された(実質前編のラスボスを兼ねている)。なお、プレイヤー視点では既に前作で開示されている情報であるものの「京がゲーニッツを倒した」という前提の物語(『96』内では怒チームのストーリーの終盤でゲーニッツがレオナの過去を明かす場面でちづるもその場にいたが、この展開がなかった事になる)なので京とちづるはレオナの裏事情を全く知らず、ここでレオナがオロチの関係者だと気付く展開になっている(ただし八傑集と誤解していた)。
ゲーム中の性能
高い機動力と空中技の性能を用い、けん制から飛び込み揺さぶって離脱して~というキャラ。必殺技のいくつかはタメ技であり、対空及び連続技に使える「ムーンスラッシャー」(ハイデルンの必殺技)、隙はあるものの持続が長くある程度の距離から設置的に使える「ボルテックランチャー」、そしてほぼ毎回使い勝手のよい空中からの突進技&ロック技「Vスラッシャー」などが主軸であろうか。特に爆発的な破壊力があったり、相手に何もさせない制圧力があったりはしないので、機動力を生かして継続的に相手の体力を削ってゆく戦術を要求される。ちなみに、シリーズごとに技の構成や使い勝手は僅かに追加される/変わるものの、大幅には変化せず同じ感覚で動かせる。
キャラランク的には、総括して絶望的に弱かったことはないが、最上位であったこともほぼなく、まさしく中堅という感じであろうか。
というのは『XIII』までのお話。『XIV』ではこれまでの全部乗せという評価を受けており、ナコルルが発売当初に暴れた反動を受けマイルドになった結果、最強キャラクターとして有名プレイヤー達から認知されている。ちなみにSNK主催の世界大会では半数近くがレオナをメンバーに入れていた。(もっも優勝したのはレオナを入れなかったプレイヤーである。)
大暴れが過ぎた為かVer.2.00パッチで強すぎた通常技の数々が軒並み弱体化。さらに体力値が900(標準の9割)に下げられ、ゲージ2本で体力の5割弱が吹き飛ぶ『XIV』ではかなり痛い。尤も、強すぎた部分の見直しが中心でレオナの特長は残っており、壊れキャラではなくなったが十分戦えるという意味では良調整とも評されている。
メタルスラッグシリーズ
『メタルスラッグXX』(『7』のマイナーチェンジバージョン)から参戦・・・と思いきや実は携帯アプリ版から参戦していた。しかも、ラルフやクラークよりも早く参戦していた。『XX』ではDLCを使用すれば登場できる。(どうせなら『7』から登場させればよかったのに・・・。)
特殊性能はハンドガンの威力が1.5倍、手榴弾(彼女の場合はイヤリング爆弾)保有数が1.2倍というマルコとエリの長所をいいとこ取りしたようなものである。
さらにミスした際所持していた武器を失わないという特徴も持っている。
特殊格闘攻撃も使え、レオナの場合、ムーンスラッシャーを使う(KOFのものとは違う)。強力な近接攻撃で周囲に攻撃判定があり戦車にも攻撃可能で、敵弾をかき消すという斬鉄剣のようなものとなっている。
初心者はもちろん上級者にとっても使いやすいキャラである。
なお、KOFのように暴走状態には一切ならないのであしからず。
メタルスラッグディフェンス
接近戦に完全に特化したキャラクターで単発最高クラスの火力を誇っており、Sランクでステージクリアをするには彼女が必須である。更新前は打たれ弱かったが、更新されてからは一転性能が上がっため強キャラとなっている。
攻撃はナイフとムーンスラッシャー。ムーンスラッシャーはXXと同様敵の攻撃を掻き消してくれる。
小ネタ
実は技の一部が特撮作品のパロディになっている事で有名なキャラクターであり、技名だけでなく、演出も元ネタの特撮作品を強く意識している。
- アイスラッシャー
- 流星キック
- 垂直急降下蹴り。似た技を持つ格ゲーキャラは多いが、元ネタはそのまんまウルトラマンジャックの「流星キック」。
- レオキック
- イヤリング爆弾
- リボルスパーク
- 発光させた腕で敵を貫く技。元ネタは仮面ライダーBLACK RXの必殺技「リボルクラッシュ」(もしくはバイオライダーの「スパークカッター」)。決めポーズを取るところまで全く同じだが、元ネタはリボルケインという杖で敵を貫くという違いがある。
- なお、『ALLSTAR』ではそのまま過ぎるのが不味いのか。フィニッシュが爆発と同時に後方に宙返りするように変更されている。
関連イラスト
pixivではレオナも使われている。