概要
記念すべき第1話で本郷猛を攫い、ショッカーの下に連れてきたのは(蜘蛛男の指揮下ではあったものの)彼女たちであり、本郷猛が仮面ライダーになる直接のきっかけを作っただけでなく、このショッカー女戦闘員は50年もの歴史を誇る仮面ライダーシリーズで最初に登場した女性キャラクターにして、最初に登場した戦闘員でもある。
旧1号編と呼ばれるホラーテイストであった序盤の第1話・3話の2回しか登場せず、ショッカーは途中でゲルショッカーに乗っ取られ、殆どが物理的にクビ切りに遭ってしまったために彼女たちも同様に始末された可能性が高い。
メタ的に言ってしまえば彼女たちの早期のリストラ(?)は『仮面ライダー』の番組制作における試行錯誤の一環だったのかも(下記の恰好が子どもには刺激が強すぎたのだろうか?)しれない。しかし、たった2話のみの登場ながら、異様な存在感とセクシャルな出立ちから今も隠れた人気も持つ。
容姿
全身タイツ姿で有名な男戦闘員とは異なり、黒レオタードに網タイツ、赤のネッカチーフ&腰布を巻いた衣装が特徴。靴は蜘蛛男隊がロングブーツ、さそり男隊は室内だったからかパンプスを履いていた(ただし、階段のシーンでは安全のためか靴を脱いでいる)
旧1号編のベレー帽戦闘員同様に顔にペイントが施されている。怪人によって模様が異なり、蜘蛛男隊は赤塗り、さそり男隊は目元が青で鼻下が赤というものだった。
第10話に登場したショッカーの女性幹部(大幹部ではなく現場指揮官)の綾小路律子教授もこの衣装が制服扱いだった。
第8話に登場した蜂女配下の戦闘員たちの多くは見た目は男と変わらないが女性のような奇声を発しており、蜂女にさらわれた囚人の中には女性も多くいたことから女戦闘員の可能性もある。もっとも旧1号編の戦闘員は「イーッ!」とは言わずに、上司の怪人ごとに違った奇声をあげるので男性が蜂女と同じ声帯を持たされてるだけかもしれない。
作中での動向
第1話では10人の女戦闘員が登場。モトクロスの練習を行っていた本郷をバイクで追い回し、別動隊と挟撃。本郷は巧みなジャンプでこれを躱すも別動隊は本隊をすり抜けて、クラッシュを躱し、本隊も転進・逃走。怪しんだ本郷は彼女たちを追跡し、まんまと蜘蛛男の罠に嵌ってしまうことになり、女戦闘員3人が近づいてきたところで本郷の意識は途絶え、目が覚めたときには既に改造人間にされてしまっていた。
ちなみに第1話ではペイントはなく、台詞も笑い声のみ。
第3話では本郷を彼が伊藤老人を匿ったホテルで襲撃するも逃げられてしまった。
この話で女戦闘員4人が本郷を襲うシーンはスチール画もある為、有名なシーンでもある。
戦闘力
作中で使用した武器は手の先から放つ毒針。
ショッカー戦闘員の多くは人造人間もしくは改造手術を受けたサイボーグであり、「洗脳された単なる一般人」ではないのだが女戦闘員もサイボーグであるかは不明。
設定上では誘拐や裏工作が主な任務であり、直接的な戦闘を行ったのは第3話での毒針攻撃のみ。メタ的には戦闘員とはいえ、人間の姿を保ったままの女性を攻撃するのはヒーローらしくないという事情ゆえと思われる。
今のところ、戦闘シーンのある女戦闘員は後述する『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』の面々くらいであり、本人によれば「ショッカー相手に常人が渡り合えるわけがない」らしく、同作に登場する男戦闘員はチンピラの腕を容易くへし折ったりしている。
余談
レオタードに網タイツというフェティッシュな服装に魅了されるファンも多く、悪堕ち要素を組み合わせた二次創作も少なくない。 →戦闘員化
『仮面ライダーV3』のデストロンと『仮面ライダーアマゾン』の秘密結社ゲドンには女戦闘員が登場するが、『V3』第49話でデストロンの戦闘員にされそうになった女性を演じた北原和美女史は『アマゾン』第13話で赤ジューシャ・名古屋美里(偽名)役で出演している。
『V3』第41話に女戦闘員が何人か登場しているが、これは初代ライダー第3話のリメイクでもあるため。
『仮面ライダーOOO』第28話では鴻上ファウンデーションの自主製作映画『仮面ライダーオーズ対ショッカー』にて泉比奈が戦闘員役で出演を果たした。ただし、男性戦闘員と同じコスチュームであった。
続く第27話ではイカジャガーヤミーの「仲間を増やしたい」という欲望からハリセンボンの二人にそっくりな戦闘員ヤミーが登場している(本エピソードは仮面ライダーシリーズ1000話記念作品であり、他にも「千」にちなんだゲストが登場している)。
映画『スーパーヒーロー大戦GP』にはショッカーの黒骨タイツをモデルにしたチアガールのような姿のレースクイーンが登場している。
『仮面ノリダー』でもパロディされており、彼女達のパロディは結構多い。
漫画『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』ではサブヒロインのユカリス他、アイドルグループに化けた女戦闘員など何人かが登場している。作中での発言によればショッカー戦闘員は市井の人々に化けて既にかなりの数が潜伏しているらしい。
中でも好色な蝙蝠男に仕える女戦闘員たちは、バッドウイルスの摂取により身体能力が向上しており、並みの戦闘員であれば瞬殺するほどの強さを有する。「愛」によるショッカーへの反抗心が目覚めた「はぐれ戦闘員」を始末する任務を仰せつかっており、主人公である東島とも交戦した。
何気に明確に女戦闘員が倒される描写があるのは本作が初だったりする。