CV:北川米彦(アニメ版、マッスルグランプリ2)、太田真一郎(ジェネレーションズ)、川島明(麒麟)(完璧超人始祖編)
概要
(以上のデータは『学研の図鑑 キン肉マン「超人」』より)
旧シリーズ
夢の超人タッグ編に登場した完璧超人ビッグ・ザ・武道の真の姿。
「完璧超人の真の首領」を自負し、普段はタッグパートナーであるネプチューンマンを表向きの首領として立てる事で正体を隠していた。
ビッグ・ザ・武道に化け、10万年もの間ロンドンのテムズ川の底で自分の意志を継ぐ者を待っていた。そこへ自身のあまりの強さに見合う相手を見出だせず、また社会からの評価が著しく低い事に絶望して自殺を図った喧嘩男(ケンカマン)を発見し、彼の実力を見込んでネプチューンマスクを授け、ネプチューンマンとして彼をパートナーに抜擢。彼を表向きの首領として自身は正体を隠しマイルドマン、ビッグ・ザ・武道として活動した(それぞれの姿での活躍は個別記事を参照)。
ネプチューンマンと共にタッグトーナメントに参加し、圧倒的な強さで決勝戦まで勝ち進む。決勝戦でも圧倒的な強さを見せたが、キン肉マン達にマグネット・パワーを封じられたことが仇となって敗北。あえなく死亡(この時マスクが壊れた所から顔の皮が剥がれ落ちた、ミイラの様な凄まじい形相の素顔を晒した。学研の図鑑『超人』によれば保湿保温のためにオーバーボディを多くまとっていたという)。
死体は天上界に運ばれ、知性の神によってキン肉マンの脅威を他の邪悪神に知らしめる為にさらし者にされていた。
王位争奪編ではオメガマンの亡霊超人の一人として取り込まれてしまっており、ネプチューンマンに呼びかけている。
古代超人界ではカリスマ的存在だったらしく、「ソードデスマッチ」もかつて彼が考案したものらしい。
自分が倒した訳でもないはぐれ悪魔超人コンビを制裁と称して試合外で虐殺したり、モンゴルマンの金網恐怖症を利用して苦しめたり、呪いの人形を使ってキン肉マンとテリーマンを仲間割れさせたり、リングの地割れに落ち込んで身動きの取れないテリーマンに対し、凶器を使用してはならないとする完璧超人の掟を踏みにじり鉄柱で痛めつけ、それをネプチューンマンに責められても「時と場合による」と華麗に開き直るなど、無量大数軍や始祖と違い高潔さの欠片もない極めて非道で卑劣な性格をしており、自身もマグネットパワーがないと下等超人と変わらないと認めている。
一方で、作中では「ロビンスペシャル」、「レッグラリアート」、更には「ロングホーントレイン」と「バスターバリエーションPart5」という数多くの必殺技を受けてもなお平然としている程の凄まじい耐久力を持っている上、金網でモンゴルマンを包みそれを片手で軽々と振り回す程の怪力も備えていた。
メガトン・キング落としも作中で高い評価を受けており、実力そのものは本物だったと言える。
新シリーズ
実は完璧超人の首領などではなく、主流から外れて独自に派閥を形成しただけの一幹部に過ぎなかったことが判明。しかも、ダルメシマンによれば無量大数軍を勝手に弟子と呼んでいたという。
彼の変装と酷似した完璧超人ストロング・ザ・武道が登場しているが、別人であるらしい(作者によるトークイベントでは、ストロング・ザ・武道(超人閻魔ことザ・マン)に憧れて変装姿を真似たことが語られた)。
彼曰く、かつては完璧超人の幹部だったらしいが、超人タッグトーナメントでの「武器を使う」という完璧超人の掟を破る無様な行動によって超人閻魔の逆鱗にふれてしまい、その時点で幹部の座から脱落したという。
実は元無量大数軍の一員であり、完璧超人の中でも古株だったとのこと。当時は有望な完璧超人と一目置かれていたという。
またサイコマンに師事していた時期があり、サイコマンもそんな彼に才を見出してマグネット・パワーの使い方を教授していた。
しかし、マグネット・パワー会得により次第に増長を始めてしまい、それを見かねた師であるサイコマン自身により無量大数軍の座を剥奪された。
その後、自らの手下(旧キン肉マンに登場した1000人の弟子たち)を引き連れ「完璧超人本隊」を自称し独自の派閥を形成。超人閻魔や始祖の許可などなく無断で地上に侵攻し、旧シリーズへと繋がることになる。
前述の経緯故か、サイコマンには「あんな小者にマグネット・パワーを教えたことが間違いだった」「勝手に地上に侵攻し無様に下等超人に敗れるような最低の小者」とまで吐き捨てられている。
無量大数軍当時のニックネームは完璧・無量大数軍“完傑(かんけつ)”。
新シリーズ以降の読者からの評価
新シリーズではまともな再登場はなかったものの、新事実がいくつか判明した事で読者からの認識が変わる情報がいくつかあった。
まず、サイコマンに師事していたという事実は同時にグリムリパーの正体を知っていた可能性が高いという事でもある。ネプチューンキング以外の無量大数軍は全員彼の正体については知らなかったことが確定しており、このため当時のネプチューンキングが格別の扱いをされ、期待されていた事が窺える。
更に、無量大数軍の地位を剥奪されたものの、前述のようにその後も完璧超人の幹部という立場は武器を使うまで保っていた事になる。
またこの追放時の描写ではネプチューンキングはまだ若々しく、既にケンダマンやスクリュー・キッドも従えていたが、ネプチューンマンはいなかった。
ネプチューンマンとの出会いの経緯は内容的にも虚偽の可能性が高いが、出会いの時期が20回超人オリンピック予選以降なのは確実。ネプチューンマンがネプチューンキングの配下にいる時期はまだ無量大数軍所属だったことが後のオメガマン(ディクシア)の一件で判明している。
そのため「サイコマンから技の伝授や正体を教えられる程に期待されており、無量大数軍を剥奪されてからも幹部であり続け、無量大数軍のネプチューンマンを配下として扱っても問題がなく、完璧超人の大部分を従えていた」というかなり特殊な立場になっている。
そのため一部の読者からは実力の再評価などが行われることになった。
他方、人格面は作中全く肯定されず、こちらの評価は特に変わることがないようだ。
余談
キン肉マンⅡ世ではd.m.p結成時の完璧超人首領がネプチューンキングだった…のだが、いつの間にか麒麟男に変更されている。現在の単行本やアニメでは最初から麒麟男であるが単行本3巻収録24話の回想ではネプチューンキングがいる。
『究極の超人タッグ編』にて摂食した超人に強大な力をもたらすとされ、少量でも瀕死もしくは死亡した超人を回復・蘇生させる「トロフィー球根」が登場している。また、死皇帝の口ぶりから察するに、これには不老不死の効果もあるとの説もあった模様。加えて、ネプチューンキングは無量大数軍の肩書きを剥奪された際、無量大数軍の特典である不老を奪われており(先述した素顔の特徴もうなずける)、正体が露わになった時の「やり残していることがある」という発言などから、覆面超人のマスクと共に球根を狙っており、優勝の暁にはそれを喰らって全盛期の若さと不死、そして宇宙最強の力を有する「より完璧な存在」にならんと企んでいた可能性がある。
上述の通りサイコマンからはボロクソに吐き捨てられていたが、サイコマン自身も『マグネットパワーに頼り切る様になった結果、根本的な技術が疎かになった』という本末転倒な事になっている。
おまけに他の始祖からマグネットパワーは散々否定されており、その点では似た者師弟だったと言えるのかもしれない。
しかし「情を持ちながら否定し続けた」サイコマンと「情をそもそも持っていなかった」ネプチューンキングという点は対極と言える。
その一方で「地球の力を借りてマグネットパワーを用いる自分もマグネットパワーが無ければ下等超人と同じ」と断言するなど妙に謙虚なところがある。かつて傑物と期待されていた名残だろうか。
また、前述の通り桁外れの耐久力を持つが、生活排水などによる記録的な大悪臭で知られたテムズ川の汚水の中で工業排水やコレラ菌にも耐えて数十万年を過ごすという驚異的な精神耐久力を誇る(数十万年云々は虚偽の可能性が高いが、どちらにせよ最悪の河川環境の中でそれなりの時間留まっていたのは間違いない)。
しかし、ネプチューンマンとの邂逅も完全無欠とは言い難く、汚染されたクサい臭いが漂う汚水の中という酷い図の中で行われたという事になるのだが…
関連項目
ネプチューン・キング表記揺れ
リヴァイアサン(キン肉マン):オーバーボディをまとっていたり敗北時の演出がネプチューンキングのオマージュ。