概要
正式名称はカタール国。英語表記はQatar、世界で唯一Qで始まる。ちなみに同じ中東には世界で唯一Oで始まるオマーン、世界で唯一Yで始まるイエメンがあったりする。
面積11427平方km(秋田県より少し小さい)、人口約300万人(2023年)。ただし人口のほとんどはインド人、パキスタン人などの外国人労働者であり、自国民の割合は15%に満たない。
首都はドーハ。人口のほぼ全てがドーハとその衛星都市に集中しているため、カタール=ドーハといっても過言ではない。
歴史
ペルシャ湾の真珠採取拠点として、内陸部や現在のクウェートから人が集まってきたらしい。
1835年にサーニー・ビン・ムハンマド(カタール王家の始祖)が統治を始めた。北部はバーレーン王家が治めていたが、イギリスの仲介で主張は取り下げられるも、オスマン帝国に占領される。しかし、第一次大戦でオスマン帝国が敗れると今度はイギリスの実効支配を受け、1935年英蘭仏米の国益会社に石油掘削権を認めることに。
1940年に西岸で良質の石油が発見。第二次世界大戦で輸出が止まるもオイルマネーのお陰で近代化へ歩みだした。1968年の英軍撤退宣言に伴い、同じくイギリスの支配下にあった近隣諸国と連邦(後のUAE)を結成するも、バーレーンとともに利権問題から単独で独立。
外交
サウジアラビア、クウェート、バーレーン、UAE、オマーンとともにGCC(湾岸協力会議)に加盟しているが、周辺諸国とはやや違ったムーブを取ることが多い。例を挙げると、アメリカ軍基地がある一方で中国からも武器を購入し、テロ組織ともいわれるムスリム同胞団やタリバン、ハマスと関係を持ち、ガス田が両国の領海にまたがる都合上、湾岸諸国の宿敵イランとも仲が良い。その結果2017年にサウジアラビア、エジプトなどイスラム圏7カ国から国交断絶を言い渡されたが、断絶しなかったクウェートの仲介で2021年に回復した。
独自の外交関係を活かして紛争の調停役を名乗り出ることも多く、2021年のアフガニスタンからの米軍撤退とその後のタリバン再占領、2023年のハマス-イスラエル戦争では和平交渉の拠点となった。
また、中東の世論に絶大な影響力を持つ衛星テレビ局「アルジャジーラ」の本拠地である。過激派へインタビューしたり、アラブの王族や政治家の不正も容赦なく追及したりするため外国から怪しまれることもあり、イラク戦争ではアメリカ軍に本社を空爆されそうになったほか、先述した国交断絶の際もサウジアラビアなどから放送局の閉鎖を求められた。
経済
世界有数の高所得国ではあるが、近隣のバーレーンやUAEに比べると石油・天然ガス一辺倒の経済である。周辺諸国と比べて天然ガスの比率が高いのが特徴。かつては先述の通り真珠採取が盛んだったが、日本発の養殖真珠の普及により衰退した。ただしThe Pearl Qatarという人工島があるのを見ると現在でも国のシンボルであるようだ。
主な企業は国営石油会社のカタールエナジー。サウジアラムコ同様、欧米との合弁企業を国有化したものである。石油以外では中東最大のテレビ局アルジャジーラや日本を含む全世界に就航するカタール航空が有名。
スポーツ
首長がスポーツ好きなおかげで大体的な投資が行われている。人口わずか300万の小国にも関わらず数々の国際大会を誘致しており、AFCアジアカップを3回(1988年、2011年、2023年)開催し、2022年にはFIFAワールドカップも開催。2030年にはアジア大会の開催も決まっており、一部ではオリンピック開催を狙っているのではないかと囁かれている。
一番人気のスポーツはサッカー。カタール・スターズリーグは金の力で有名選手をかき集めて色々な意味で注目を集めた。またインド人・パキスタン人労働者を中心にクリケットも盛ん。
渡航
基本的に査証が必要だが、日本国籍者は観光等の短期滞在に限り30日の許可が付与される。
必要に応じて延長手続きを踏めば最大60日まで滞在可能。
日本の外務省は治安は良好だが急激な発展により外国人犯罪が増加傾向なので注意とのこと。
関連タグ
デザートライオン・・・『イナズマイレブン』に登場するカタールのサッカーチーム
カタール(MS)・・・ガンダムシリーズの漫画『アウターガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)