概要
1967年8月15日生まれ。大阪府泉大津市出身。現在は東京都葛飾区新小岩に住居と事務所を構える。
大阪府立信太高等学校卒業後の1986年4月、教師の勧めでNHKに入局する。和歌山放送局の庶務部に配属された後、1991年4月に大阪放送局に異動する。大阪局では経理にまつわる仕事をしていた。
2005年4月、週刊文春にNHKの不正経理を内部告発した記事が掲載される。しかし、7月に自身の不正経理(業務上横領)で懲戒され、依願退職という形で退局した。
NHKを離れた後は「フリージャーナリスト」を名乗り活動していた。また、パチプロとして生計を立てていた(実際には本人が打つ訳ではなく、プロの「打ち子」を雇って打たせていた)ことを自称している。
2012年に「立花孝志ひとり放送局株式会社」を立ち上げ、政治やNHK(主に不正経理や放送受信契約の強要・集金人とのトラブルなどについて)に関わる内容をYouTube上で発信する様になる。
大阪でみんなの党の選挙活動を手伝ったことをきっかけに、2013年から本格的に政治活動に参画する。
2013年6月、「NHK受信料不払い党」を立ち上げ、初代代表となる。7月に現在の「NHKから国民を守る党」に名前を改めた。
摂津市や町田市の市議会議員選挙に立候補するも落選。2015年の千葉県船橋市の市議会議員選挙選挙に立候補し、2622票で当選。保守系・自民党系会派「研政会」に所属する。
2016年7月の第24回参議院議員通常選挙では、国会でNHKを糾弾してきた三宅博(おおさか維新の会)の東京遊説担当者として奔走し、ニコ生配信者の野田草履に応援演説を依頼する。しかしその演説内容が物議を醸し、候補者の三宅が謝罪することとなった。立花はこの件で維新の会と絶縁されたと、後に明かしている。
2016年に船橋市議会議員を辞職し、東京都知事選挙に立候補。NHKでの政見放送で、「NHKを、ぶっ壊す!」と発言。大きな話題となった。結果は落選。
2017年には茨木市議会議員選挙、東京都議会議員選挙に立候補するも落選。その後、東京都葛飾区議会議員選挙で、2954票で当選する。しかし、2019年の茨木市市長選挙に立候補(落選)したことで失職する。
その後、2019年7月21日投開票の第25回参議院議員通常選挙に比例区から立候補し当選した。同時に同党は政党要件を満たしたため、国政政党の党首となった。
同年10月8日、参議院議員を辞職(失職)し、同月10日に告示される予定の参議院埼玉県選挙区の補欠選挙に出馬する意向を表明した。同月10日、立候補を届け出て、参議院議員を自動失職した。就任からわずか2ヶ月半での辞職で、より任期の短い補欠選挙に出馬するという非常に珍しいケースである。
その後、海老名市、桜井市、小金井市の市長選挙に立候補し、いずれも落選する。
2020年4月、7月に行われる東京都知事選挙に立候補することを表明。5月には新たに「ホリエモン新党」を立ち上げ、ミュージシャンの服部修、そして堀江貴文の秘書であった斎藤健一郎が党公認(N国党推薦)で都知事選に出馬することとなった。
立ち上げに関して、当のホリエモンこと堀江貴文は「特定の政党や候補者とは関係ありません」とTwitter上で言及しており、立花が党立ち上げに際して行った記者会見にて「堀江さんは私に港区長選挙に候補者を1人出したいということを以前から口にしており、柏井茂達に区長選挙に出馬しないかと話していた。堀江さんが東京都知事選に出馬する可能性が極めて高いという状況の中でそれに対する合法的な宣伝活動しようという意味合いではないか」と発言したことを受け、「命令も指示してません。自主的に立候補されたのだと思います。合意もなにもしてません笑」と関係を否定するツイートを発表している。
ホリエモン新党公認で出馬した3名は全員落選した。なお、堀江本人は結果として都知事選そのものに出馬することはなかった。
2020年7月31日に、N国党の参議院議員である(自身の辞職後繰り上げ当選した)浜田聡議員の政策秘書に就任することを明かしたが、自身が政策秘書としての要件を満たしていないと判断されたことを理由に取りやめとなった。政策秘書には元江戸川区区議会議員の田中健が就任している。また、この時の取材で選挙出馬への意欲を否定しておらず、今後も政治活動を続けていく意向を示している。
タレントとしては、2018年4月より渡邊エージェンシー(ワタナベエンタテインメントとは別もの)に所属している。
政策・主張
具体的な情報はNHK党(※党名は複数回にわたって変更されているため、通称である)を参照のこと。
基本的にはNHKの「スクランブル放送」化=受信料を払った人だけが視聴できるようにする配信方法への変更を訴えている。
このスクランブル放送化が実現された場合には、党を解散し議員辞職する意向を示している。
インターネット投票に基づく直接民主主義制の導入を掲げている。
また、自民党系会派との結びつきもあり、本人は比較的保守的な思想を示している。2019年8月15日には靖国神社に私人として参拝した。
人物
インターネットの政治的活用に積極的である。N国党の党員や関係者には、インターネット上で活躍した若手の新人が多く、一例として迷惑系YouTuberとして世間を騒がせたへずまりゅうや、不登校に関する発言で話題になった「少年革命家」ゆたぼんの父である中村幸也などがいる。
趣味にボウリング・ゴルフ・野球を挙げている。また、自宅では猫を3匹飼育している。
独身。離婚歴があり、前妻との間に娘と息子が一人ずついることを明かしている。
幸福実現党の党首である釈量子、与国秀行らと仲が良いという。母体である幸福の科学へも出入りがあるとのことだが、入信はしていないと語っている。
不祥事など
「立花孝志ひとり放送局」について、2012年から株主を募集しながら、増資もなく株主総会も行われていない状況について「詐欺ではないか」という疑惑を週刊文春によって報じられている。
経歴詐称疑惑がある。NHKでは「経理職員だった」・「記者クラブに所属して記者職を兼任していた」と職歴を説明しているが、2006年ごろに自身が2ちゃんねるに投稿した内容では「経理の仕事をしていたことがあるが、経理部(経理局)ではなかった」としている。つまり、経理局ではない部署(庶務部など)に所属し、経理にまつわる仕事を担当したことがある、を「経理職員」と曖昧な表現で説明している可能性が高い。
また、2017年には5ちゃんねるのとあるスレッドでNHKに「立花孝志が経理・記者として採用されたという実績はあるか」と問い合わせメールを送ったユーザーが、NHKからの回答を公開しており、「記者職ではありませんでした」と明確に否定されている。
マツコ・デラックスとのトラブル
マツコ・デラックスが2019年7月29日の「5時に夢中!」で、N国党に投票した有権者を「今のままじゃ、ただ気持ち悪い人たち」「ちょっと宗教的な感じもあると思う」「冷やかしもあって、ふざけて(票を)入れた人も相当数いるんだろうなと思う」などと批判した。
放送直後から立花は強い怒りを見せ、8月12日にはこれに抗議するために、麹町にあるTOKYO MXの1階スタジオの前で約1時間にわたり、動画の生配信を行いながら「マツコ・デラックスをぶっ壊す!」などとマツコとTOKYO MXを批判した。また、翌日の記者会見では、マツコの発言へ抗議するためとして、マツコがレギュラー出演する月曜日の放送時間に合わせてTOKYO MXで“出待ち”を続けることを予告した。
日本維新の会代表で大阪市長の松井一郎や漫画家・評論家の小林よしのり、お笑いタレントの太田光、YouTuberのシバターらが立花の行動を非難した。そして、立花本人もこれらの非難に激しく反発する動画を投稿している。
数日後には自身のYouTube上で「5時に夢中!」のスポンサー(TOKYO MXのみ)である崎陽軒の商品や、ソニー損保の不買運動を呼びかけた。また、2019年11月には「マツコ・デラックス被害者の会」を立ち上げ、代表取締役に就任したことを発表した。
なお、のちに崎陽軒に対しては謝罪するコメントを発表している。
脅迫・威力業務妨害などでの有罪判決
2019年に、区議選に当選して間も無くN国党を離党した二瓶文徳中央区議に対し「こいつの人生潰しにいきますから」とYouTube上で発言。このことで脅迫罪に問われていた。
さらにNHKの集金人の男と共謀し、男の持つ情報端末にある契約者情報を不正に取得してYouTube上で公開。この情報を元にNHKに電話をかけ「個人情報を拡散する」と脅す、揺さぶるような発言をした上、上田良一NHK会長(当時)に面会を迫ったことで、不正競争防止法違反と威力業務妨害の罪に問われていた。
2022年1月20日、東京地裁から懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決を受けた。求刑では懲役2年6ヶ月、罰金30万円であったが、経済的な利益を得る目的はなかったとして罰金は認められなかった。
言論統制主張による途中退席
2022年6月16日、参院選を控え、『報道ステーション』にて各党党首による生放送での討論が行われた。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け「国民の安全をどう守る?」という議題に対し、立花は「テレビは核兵器に勝る武器です」「(事前に同番組プロデューサーから、テーマを逸脱した発言は控えてほしいと要望があったことに対し)政治家の発言を、テレビ局の方が事前にあれをするな、これをするなというような介入は、恐怖を感じます」と発言した。これについて大越健介キャスターによって「討論のテーマに沿ったものとは認められない」と制止され、最終的に番組を途中退席させられた。
その後、Twitterでテレビ朝日から事前に渡されたという討論テーマを連絡する文書を投稿、YouTubeではテレビ朝日から事前確認する電話の音声を公開し、「言論統制である」と主張。20日にはテレビ朝日側に損害賠償を求めて提訴している。
ただし、立花の発言は事前に提示されていた「日本の安全を守る体制について」というテーマや、他の政党党首たちがこれに絡め発言していた国防や安保などの話題に則したものとは考えにくく、「NHKは反社会的組織である」などの発言なども含めテレビ朝日からの要望に応えるものではないといえる。また、立花が前日にTwitterにて「(番組と無関係の)ある俳優のスキャンダルについて語るつもりだ」(※参院選には暴露系YouTuber・ガーシーこと東谷義和がNHK党から出馬予定で、ガーシーが自身のYouTubeチャンネルでスキャンダルについて取り上げていた)と投稿したことなども関係すると見られる。
つきまとい行為による逮捕
2024年10月28日、「みんなでつくる党」の大津綾香党首に路上でつきまとったとして逮捕された。
同年5月に東京・千代田区の路上で大津党首に「質問に答えてくださいよ」などと言いながらスマートフォンで動画を撮影し、つきまとった行為が立件したものと思われる。
本人は任意の調べに対し「つきまとい行為は成立しない」と話している。
元々、「みんなでつくる党」自体「NHKから国民を守る党」から分裂したものであり、立花と大津党首は対立関係にあった。