内藤雷汰
ないとうらいた
演:長戸勝彦
概要
世界中に影響力を持つテクノロジー開発大企業『Lightning Tech.(ライトニング・テック)』の代表。千二という甥がいる。
大也とは彼が中学時代からの知り合いであり、彼が大人になった今も「少年」と呼んでいる(スマホの発信者表示もちゃんと「少年」になっている)。
当時「大きな余裕を持ちたい」という願いから試行錯誤していた大也の「早く大人になりたい」という書き込みを唯一聞き入れ、コネクションやマネーゲームでの勝ち方といった莫大な資産を築くノウハウを教えた師匠的存在。
大也が届け屋を始めるきっかけとなった人物でもあり、かつて自身が開発した「クリーンシステム」の機密情報が世界中の情報機関から狙われた際に信頼できる人物として、大也にその機密情報を運ばせていた事があるという。
バクアゲ11で2年ぶりに大也と再会しており、難しい手術を控えた自身の部下の息子の為に「ブンレッドのぬいぐるみを届けてほしい」と依頼。
途中でハシリヤンの妨害を受けながらも、その後ブンレッドに変身した大也が無事にぬいぐるみを届け、部下からの連絡でブンレッドが大也である事を察し嬉しそうにしていた。
バクアゲ22で再登場。
大也がブンレッドであることの答え合わせをした上で、夏休み中でキャンプ教室に参加している千二のために花火を届けてほしいと依頼する。
余談
名前の元ネタとなったのは、恐らくカーアクションドラマの『ナイトライダー』(日本ではテレ朝が放送していた)。
演じた長戸氏は、登場回のアクション監督を担当した渡辺淳氏と別の現場(2019年に長戸氏が監督・脚本を手掛けた『げんせんじゃ~!』にて同じくアクション指導を行っている)で共演しており、その縁からキャスティングされている(外部リンク)。
ハシリヤン幹部の命名法則と一致しているため、不穏なものを感じている視聴者も存在するが、果たして・・・。
3rd LAP以降の動向(ネタバレ注意)
3rd LAPでは、冒頭にて「ブンレッドが届けてこそ安心」と総合理化学研究所への極秘物資の運搬を大也に依頼する。
しかし大也に頼んでまで極秘とした荷物が、運搬達成後にディスレースによって研究所から強奪される、そして内藤本人がI.S.Aの常槍鋭一郎のもとを単身来訪するなど、不穏な動きが見え始める。
そして常槍との密談によって、内藤がブンブンキラーロボの量産体制を整えている事実が発覚。
I.S.Aと共に、ハシリヤンに内通していた1人であった。そのため、ある意味本作における顔出し幹部枠とも言えなくはない。
その後、大也からは荷物がハシリヤンに奪われた事を謝罪されるが、視聴者視点で見たらわざと奪わせる様な光景だった事もあり彼を深く責める様な事はせず、同時に奪われた物が未知の金属である事を教えている。
バクアゲ34では大也に「子供たちの為にブンブンカーを展示会に貸してほしい」と依頼するが、運搬ルートがハシリヤンに何故か漏れてしまい遅れが生じてしまう。内藤は気にするなと笑顔で答え、電話を切った後、別人のように変わり、常槍に報告するのだった。
バクアゲ37で、射士郎から常槍はブンドリオ・ブンデラスをワルイド・スピンドーとの交渉材料に使う腹積もりで、更に対スピンドーの体制作りとして、世界中の政治経済に影響力を持つ大物たちと接触しており、その中の一人が、ライトニング・テック代表の内藤だと聞かされた大也は常槍と裏で繋がっているとは知らず、ISAの常槍栄一郎に注意して欲しいと忠告する。
大也「ISAの常槍鋭一郎に注意して欲しい」
「どうした少年。常槍本部長には、私の技術が地球防衛に役立つなら、いくらでも使ってくれと話をしているんだ。」
恩人である彼を心配する大也に対し、内藤はこう言った………。
「もしや私が、悲鳴を上げるのかと恐れたかな?」
大也「実は......そうなんだ。」
「気持ちは分かる。君は今でも、悲鳴を聞きながら何もできなかった、あの時の自分を戒めている。」
そんな大也へ相も変わらず優しく語り掛けるのであった………。
バクアゲ38では量産されたブンブンキラーロボが勝手に出撃した事が部下の報告から聞かされ、仰天した。
「キラーロボが勝手に出撃!?またか!」
どうやらキラーロボは元々キャノンボーグとライトニング・テックが共謀して開発したものでその際にキャノンボーグにより召喚デバイスたるブンブンデンジャーも開発されたのだが、量産機もデンジャー呼び出せる仕組みが受け継がれていることでキャノンボーグ亡き後に事情を知らないサンシーターにより「無断出撃」が横行しているようだったが、本人は事態を静観している模様。
「……まあいい。経費はISA持ちだ。」
さらに経費はISAに支払っていた事が明らかになった。さらに………。
「どのみちいいデモンストレーションになる……」
何やら不吉な言葉を共に邪な笑みを浮かぶのであった………………。
彼が言うデモンストレーションとは………………さらなる不吉な予感を感じさせるのであった………………。
その後、バクアゲ39では常槍に紹介される形でスピンドーと対面、バクアゲ40ラストにて、キラーロボに高濃度エネルギー体(皮肉にもこれすらI.S.A.依頼で大也達が届けたものであった)を使用した新兵器「ゲキトツバスター」を搭載した事について話し、その実用化にようやく嗅ぎつけたとの事。
バクアゲ43では、自身の教え子である大也の稼いだ資産や買い取った物全てをライトニング・テック名義にして奪い取るという非道な手段を取った。
事態が最悪の方向へ動き出す中、資産譲渡の最終承認だけは敢えて残しており、それは交渉を求める大也を初めて夢を語り合った丘へと誘き出すのが目的であった。
バクアゲ44では、思い出の丘を訪れた大也の前にその本性を見せる。その際マフィアを思わせる黒ずくめの服装をし、大也が知る温厚な面影はなかった。そして自分の理想について語り始める。
「君がヒーローになった時には驚き納得もした。だが…その結果、君は世の中の本質から目を逸らしてしまった。」
大也「本質?」
「悲鳴の意味。人は、誰かが苦しんでいる姿を見て、『あれに比べたら自分は幸せだ』と安心する。悲鳴が人の幸せを作るんだ」
そして、ハシリヤンを黒船と称し、「長い目で見るように」と進言した後、キラーロボを自身が制作したと明かした。
もちろん大也との思い出すらハシリヤンの知るところであり、すぐさまスピンドーが現れ、大也やその仲間達がスピンドーの圧倒的な力を前になす術なく倒れていく。見かねてブンブンジャーロボへと合体して現れたブンドリオも、スピンドーの駆るキラーロボの前にピンチに陥ってしまう中、現れたグランツ・リスクに押さえ込まれた大也を見下ろし、グランツがブンブンチェンジャーを奪い取るのを見ながら冷たく言い放つ内藤。
「力なき者に自分のハンドルを握る資格はない。」
ブンブンジャーロボはブンブンカーを呼び出して打開を試みるも、ブンブンカーはまとめてスピンドーのブンブンデンジャーでカージャックされ、逆にキラーロボを強化してしまう。
実は先の展示会騒動で内藤は、ハシリヤンに進行ルートを漏らすのみならず、貸し出されたブンブンカーをカージャックできるように細工をしていたのだ。
「彼を助けられる可能性はここにある。このボタンを押せば、君の資産や権利は全て私に譲渡され、君はかつてのように悲鳴に駆けつけることができなくなる。その代わり、今彼を助けに行かせてやろう。選択肢は2つだ。」
そう言って見せたのは、敢えて保留していた資産・権利譲渡の最終承認ボタン。『これからの未来にあがる無数の悲鳴』と『今、大切な仲間があげる悲鳴』を天秤にかけさせた。そして大也の答えは……
大也「ボタンを押せ…………。全部くれてやるッ!!!!」
「バクアゲだなァ!!……"少年"」
大也はブンドリオを助けに行くことを選択。悪しき笑みと共に最終承認ボタンが押され、『これから駆けつけられる選択肢』が奪われていく中、ブンブンチェンジャーを取り返してブンドリオの元へ飛び込むも、ブンドリオは内藤の造った「ゲキトツバスター」の前に斃れてしまう…
バクアゲ45では、「是迄の地球人への迷惑行為を謝罪した(ギャーソリンを搾り出す都合上、死傷者が出にくいので多くの人々から信用された)スピンドーと交渉に入った」とマスコミに公表し、「今迄ハシリヤンと対峙して来たブンブンジャーの方が実は悪かったのではないか」と云う疑念を世間に振り撒いた。(此の疑念は同話内で復活したディスレースに因って、確信に捏造されてしまう)
そして前回ブンドリオを自らの手で倒し、そのギャーソリンを吸収する事に満足したスピンドーと会食していた。
スピンドー「ゾックゾクしただろ?愛弟子の苦しむ顔......」
「......私は、大人の厳しさを教えたに過ぎません......」
スピンドー「悪党だねえ。アンタも、本部長もさ?」
スピンドーから自身の愛弟子である大也の絶望していく様子を説かれた際、大人の厳しさを教えた事に過ぎないと冷徹な言葉で返し、そんな様子をスピンドーからは鋭一郎を含め、悪党と呼ばれた。
舞美「本部長は、まさかこうもあっさりとブンドリオを倒すとは、と驚いておりました。もっと大事に扱うものかと......」
スピンドー「大事さね。だから、あたしがやりたいときにやる。スカっとしたねえ......まだ、余韻でゾックゾクしてるよ......」
スピンドーにとってはブンドリオは直属の兵器開発のスペシャリストという隊長クラスの中枢メンバーである事から大切すると思ったが、自らの手で倒されるとは鋭一郎を含め、驚いたと言う舞美に対し、スピンドーはブンドリオをこの手で屠り、ギャーソリンを取り込んで愉悦に未だに浸っていると発言するのであった。
バクアゲ46では、グランツがコントロールするエリートヤルカーの第一陣を地球に向けて送り込むと言う作戦について、寝耳に水だと内藤から対話を求められた。
「さながら総攻撃だ。聞いていませんがね?」
スピンドー「アタシゃギャーソリンが無いと生きていけない身体なんでね」
「ギャーソリンならば、地球でいくらでも……」
スピンドー「地球以外のギャーソリンの味が恋しいのさ。“味変”って地球人もするんだろ?」
此方でいくらでもギャーソリンを提供できるのに、(戦闘力が有る)ヤルカーを何百と地球に送り込もうとするスピンドーへ苦言を呈するも、彼は『味変』とはぐらかす。
内藤は是に訝しむ事しか出来ず、既に『自分のハンドルを握れない、力無き者』になりつつあった………。
バクアゲ47ではブンブンジャーの無実を懸命に訴えるべく来訪した千二に対し、内藤は「(ハシリヤンを倒したのはそれが)彼らのやり方なんだ」 と頭ごなしに否定していたが、ブンバイオレット&ビュンビュンマッハーロボによるブンブンキラーロボの破壊工作に遭ってしまう。
予期せぬ事態に焦る内藤は、常槍の許可を取って出荷予定だったブンブンキラーロボで迎撃を行うも、最終的に全てのブンブンキラーロボを破壊された上に、自分ではなくブンブンジャーを応援する千二の姿を目の当たりに、声もなく呆然とするしかなかった……。
真の余談
- 内藤は登場以前から一貫して大也を『少年』と呼び続けて居たが、これは「早く大人になりたい」一心で自身のノウハウを学んだのに、己が考える『世の中(=大人)の本質』に考えが至らなかった彼への侮蔑的感情が込められていたと推測出来る。
- また、内藤が主張する『悲鳴の意味』は他人の不幸は蜜の味の言葉に代表される様に、一見すると人の本質を突いているかのように見えるのだが、無辜な子供達や教え子を利用するに飽き足らず、果ては家族をも巻き込んで、自ら悲鳴を作り出すのは盛大に意味を履き違えた言動であり、様々な惑星を籠絡してきたハシリヤンの軍門に下った時点で『自分のハンドルを握れない弱者』に成り下がった上に、いつか己が『悲鳴を上げる側』に転じる可能性を考慮していない。端的に酷評してしまうと「歳を重ねたにもかかわらず、心根は世の中を理解した気になってる情けないクソガキ」 でしか無いのである。
- バクアゲ47の様子を見る限り、最終的には「『老いては子に従え』を体現する老害」が実態だった模様。
- 上記の水面下で張っていた緻密な計画の数々、仲間と未来を天秤に掛けさせた選択、今まで見せてきた温かい一面とは打って変わった冷酷な本性、そして極めつけに戦隊の決め台詞を引用して皮肉る等々の所業から、視聴者の間では「戦隊怪人でもないのに行いが悪すぎる」「真に恐ろしいのは〈怪人〉ではなく〈人間〉……あるいは〈悪い大人〉なのかもしれないとの本質を突いている」と戦々恐々とした感想が上がった。
- また、ここまで強烈な顔出しの悪役を演じたが故に、後に演者への風評被害が及ばないか心配する声もあるとか。
関連タグ
ライトニング・テック:内藤が代表を務める大企業。
I.S.A:『自分の利益のために悪の組織と手を組んだ裏切者』という意味では内藤と同じ穴の狢な国際組織。
石動惣一:7年前の隣の番組に登場する人物で、最初は主人公の恩人としての登場したが、中盤から敵対勢力と内通していたのが共通する。ただし、こちらは内通者どころか物語の最大の黒幕だった(と言っても彼自身は黒幕に乗っ取られていただけで、内藤などと比べ物にならないほどの善人である訳だが…)。
難波重三郎:同じく7年前の隣の番組に登場する大企業の会長。上記の黒幕からの利権で私腹を肥やす為だけに兵器を量産し、周囲を顧みなかった老害。最期は黒幕に直々に始末された。
ぷりぷりんせすシスターズ:21年前のスーパー戦隊作品に登場した『自分の欲の為に悪の組織と手を組んだ世界の裏切者』と言う意味では内藤とI.S.Aの大先輩な三人組のアイドルグループ。彼女達はしでかした悪事の報いを一切受けずに勝ち逃げをした(とは言っても流石に思う所があったのか、メンバーの内1人は脱退した)が、最終回で迎える内藤とI.S.Aの末路は果たして……