概要
巨大な人型機械(ロボット)。元祖は1950年代の漫画作品の『鉄人28号』だが、1960年代から70年代にかけて玩具の販促として盛んにアニメが制作され、日本アニメでは非常に一般的なジャンルとなった。
初期のロボットアニメは、「鉄腕アトム」や「エイトマン」のような等身大ロボットを描く作品が主流であったが、「鉄人28号」&「マジンガーZ」のヒット以降は、単に「ロボットアニメ」と言えば巨大ロボットが出てくる作品を指す事が多い。
鉄人28号は遠隔操作型ロボットだったが、永井豪原作の『マジンガーZ』の登場により、巨大ロボットに人間が乗り込んで操縦するという手法が一般化する。
定義
なお、ジャンルとしては「巨大ロボット」と呼称されているが、作中では「巨大ロボット」という呼称が使われることは少なく、大抵はロボットの個体名か独自の呼称(機械獣、モビルスーツ、等)が使われる事が一般的である。これは「マジンガーZ」以降の作品に登場する人型機械は、ロボットという言葉の原義に照らすと、ぎりぎり境界線上の存在である事にも由来する。
巨大、といってもサイズはまちまちで、数m程度からダイターン3などの100mを越すものまである。極端な例では『天元突破グレンラガン』には惑星サイズを超えるロボットが登場している。
歴史
巨大な人形が出てくる創作は、最古のものはギリシャ神話にまで遡る。仏像を作り出したのもギリシャ・ヘレニズム由来で、大仏もそこに由来を求めることができる。
敗戦に伴い、兵器を扱う作品が困難な状況になったことや、人類の宇宙進出によるSFブームもあり、そうしたジャンルのネタの受け皿として巨大ロボットものが選ばれた。テレビブームと玩具メーカーとのタイアップにより市場が確立され、『鉄人28号』『マジンガーZ』を代表に多くの作品が作られた。
『機動戦士ガンダム』以降、SF考証に重点を置いたリアルロボットが大流行。実写でも『スーパー戦隊シリーズ』がヒットした。
1990年代には『勇者シリーズ』『新世紀エヴァンゲリオン』などが登場し、90年代末~2000年代初頭にかけて、しばらく雨後の竹の子のごとく巨大ロボット作品が作られる状況が続いた。
だが、セカイ系から日常系へブームが移るにつれ、以前ほど多くの作品が作られなくなった。時代の最先端が純粋なメカであるハードウェアからコンピューターなどのソフトウェア方面に変わった点や、そもそもの理工系離れ、ロボットアニメの背景として「強い」「大きい」「正義」という理屈で動いていた「混沌」たる冷戦時代の発想が大きく、日常という「秩序」「中庸」で動くようになった現代にそぐわなくなった点などが大きいのだろう。
それでも未だ人気は根強く、定番作品の『機動戦士ガンダム』シリーズをはじめ、『アイドルマスターXENOGLOSSIA』、『ナイツ&マジック』、また『鉄人28号』のリメイク、特撮実写ではスーパー戦隊シリーズなど、新しい作品は日々生み出されている。巨大ロボット、それは日本人のロマンである。
『トランスフォーマー』が日米企業のタイアップで製作されたり、『超電磁マシーンボルテスV』がフィリピンで国民的人気を集めるといった形で、日本の巨大ロボットが海外にも影響を与えている。
実現にむけて
2020年には18m級(マジンガーZ&ファーストガンダム)の全身可動ガンダム立像が遂に現実になった。手足や指まで全身が動く紛う事なき全身可動立像であるが、自重を支えているのは背部に接続された外部フレームである。
4m級(『装甲騎兵ボトムズ』に登場する人型機動兵器『アーマードトルーパー』)の大きさであれば『静的二足歩行』(相撲のすり足と同じ原理)で歩行可能な巨大ロボットは『東京オリンピック2020』の開催5年前の時点で既に実現している。
巨大ロボットが登場するゲーム・漫画・アニメ・小説作品
()内は作中固有のロボットの呼称・総称。
あ行
R-TYPEシリーズ(TL-2A&TL-3N&THw-01&ゲインズ&タブロック)等
アイドルマスターXENOGLOSSIA(プロメテウス、エピメテウス)
蒼き流星SPTレイズナー(SPT、MF、TS)
NG騎士ラムネ&40(守護騎士、守護歩兵、破壊戦士、破壊忍者、破壊四天王)
か行
機甲戦記ドラグナー(メタルアーマー/MA、フォルグアーマー)
機動戦士ガンダム(モビルスーツ/MS、マンマシーン、モビルファイター/MF、モビルドール/MD、モビルワーカー/MW)
銀河機攻隊マジェスティックプリンス(AHSMB(アッシュ))
銀河旋風ブライガー 銀河烈風バクシンガー 銀河疾風サスライガー
銀河漂流バイファム(ラウンドバーニアン、アストロゲーターラウンドバーニアン)
ゲッターロボシリーズ(ゲッターロボ)
コメット・ルシファー(ガーディアン、バイペダルアーマー/BPA)
さ行
サイバーボッツ(ヴァリアント・アーマー/V.A.)
新幹線変形ロボ シンカリオンシリーズ(シンカリオン)
新世紀エヴァンゲリオン(エヴァンゲリオン、ジェットアローン)
スーパーロボット大戦(パーソナルトルーパー/PT、魔装機神、超機人、修羅神、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンetc)
ゼノブレイド2(デバイス)
装甲巨神Zナイト(Z.A、アーマー、バトルアーマー、メタルフット)
それいけ!アンパンマン (だだんだん、バイキンロボット、バイコングなど)
た・な行
超時空要塞マクロスシリーズ(ヴァリアブルファイター/VF/バルキリー、デストロイド、マクロス)
トミカハイパーレスキュードライブヘッド~機動救急警察~(ウォーカービークル)
トランスフォーマー(トランスフォーマー、他インセクトロンなど種族名多数)
は~わ行
ファイブスター物語(モーターヘッド/MH/ゴティックメード)
プリキュアシリーズ(ハッピーロボ、ルールーロボ、アイワーンロボ)
B-ビーダマン爆外伝シリーズ(ビーダアーマー、ボンバーファイター、ダークアーマー、Vビーダアーマー、デビルアーマー)
マシンロボシリーズ
マブラヴオルタネイティヴ、トータル・イクリプス、シュヴァルツェスマーケン(戦術機)
レガリア_The_Three_Sacred_Stars(レガリア、レガリア・ギア、ルクス・エクスマキナ)
巨大ロボットが登場する実写作品
THE NEXT GENERATION -パトレイバー-(イングラム)
怪獣マリンコング(マリンコング)
ガンヘッド(ガンヘッド、バイオドロイド、エアロボット)
スーパー戦隊シリーズ(戦隊ロボ、他は悪魔ロボット、コング、メカジャイガン、怪重機、敵メガゾード等多数)
ビーファイターカブト(大甲神カブテリオス、邪甲神クワガタイタン)
超星神シリーズ(超星神、幻星神、流星神)
仮面ライダーシリーズ
その他の巨大ロボット等
エヴァンゲリオン 備考:人型「機械」ではない、しかしむしろ本来の「ロボット」に非常に近い。原理的には『ウルトラマンコスモス』に登場した「メカレーター」と同じ(と言うかこちらがそれを逆輸入して揶揄しているようにも思える)明確に言えば、先述の獣神ライガーも本来はエヴァンゲリオンと同じカテゴリに入る。
ゼントラーディ 備考:同上
メカゴジラ 備考:「人型」機械ではない、登場作品によっては一部生体組織を使用したサイボーグである
劇中劇
無尽合体キサラギ 登場作品は「THEiDOLM@STER」
二次創作
現実の世界に存在する巨大ロボット
関連イラスト
関連動画
- 4m級巨大ロボット:『静的二足歩行』(相撲のすり足と同じ原理)可能
- 【動くのか?ガンダム 夢への挑戦!第7話『組みあがれ!ガンダム(前編)』】(フレーム稼働試験:ガンダムの仮組現場)
- 【動くのか?ガンダム 夢への挑戦!第8話『組みあがれ!ガンダム(後編)』】(フレーム稼働試験:上半身と下半身がドッキング)
関連タグ
ロボット(タグまとめ有り)