あやしいかげ
あやしいかげ
初登場は『ドラゴンクエストⅢ』。
アリアハンからいざないの洞窟を抜け、ロマリアに達したあたりから出現し始める。
「コウモリのような頭に背中から翼を生やした黒い影」という、名前そのままのモンスター。
大抵は単体、もしくは数体のグループで出現するが、攻撃の対象選択時にすべての個体がバラバラに切り離されていることも珍しくない。
……が、その実態は「ほかの魔物が化けた魔物」という異色の存在で、パーティーのレベルに応じて強さや使ってくる攻撃が変動するという厄介な性質を隠し持っている。個体識別がバラバラになるのも、元を質すとそれぞれが全く別のモンスターのため。内部処理として表向きは「あやしいかげ」と表示しつつも、モンスターのID番号が別個に指定されている。
序盤ではよくメラを唱えてくる(おそらく中身は「まほうつかい」)が、徐々に「ひのいき」や「つめたいいき」など、ブレス系攻撃を使う個体も増えてくる。
出現地域も広く、アリアハンや特定のダンジョンを除けば大体は出現する。
レベルに応じて強さが変動するため、場合によってはやまたのおろちなどのボスキャラ級の強敵が化けて出てくるケースもある。
ただし選出されるIDは、「パーティーメンバーのレベルの2倍以下(概ね1.3倍)」に設定されており、よほどの高レベルでもない限りは、ストーリー進行に準じた強さのあやしいかげが出現するよう設定されている。
しかし例外も存在し、エビルマージだけはID番号が47と低く、このことだと丁度イシスのピラミッドを探索できる時期なのもあり、運悪く出くわしてメラミ、マヒャド、マホトーン、ラリホー、メダパニ、ベホマと多彩な呪文と「かえんのいき」の洗礼を浴びせてくる。本来ならバラモス城に出現するレベルの敵の不意打ちとあって、面食らったプレイヤーも少なくない。
リメイクのSFC版やGBC版では、IDがモンスターのレベルに依存する形式に変化。そのせいでノアニール辺りでまほうおばばやおどるほうせきなど、場違いな実力を持つ低レベル設定のモンスターが化けてくることがあり、より初見殺しぶりに拍車をかけた。
しかし以降のシリーズでは普通の下位モンスター扱いとなり、レベル参照式は『~Ⅺ』でようやくの復活となった。
一方でパーティーの強さに比例する性質を利用すれば、「モンスター格闘場」では稼ぎやすい。
博打要素こそ強いが、運良く強いモンスターの影を引き当てればなかなかの稼ぎになる。一方、アリアハン周辺のザコやレベルが高くともスライムベスのようなアレフガルドにいる例外的な弱小モンスターを引いてしまう可能性もあるため、勝率は安定しない。
また、パーティーのレベル次第で本来であれば分不相応なレベルのモンスターを出現させることができる都合上、序盤であってもパーティーのレベルを上げまくってストーリー終盤の出現モンスターをあやしいかげとして出現させ、強力なドロップアイテムを狙うことも一応可能。
余談だが、「他のモンスターが化けているだけで本質的な意味での『あやしいかげ』というモンスターは存在しない」……ということはなく、データ上はちゃんとあやしいかげ固有のモンスターデータも設定されている。これがゲーム内で確認できるのはⅢのFC版とSFC版のみで、戦闘終了時にあやしいかげが宝箱を落としたときにメッセージでは変身元のモンスターの名前が表記されるのだが、このとき稀に「あやしいかげがたからばこをおとしていった」と出てくることがある。なおドロップアイテムは旅人の服で、ステータスはモンスターレベルと獲得経験値を除いてなぜかぐんたいガニとまったく同じ。
GBC版では化けているモンスターに関係なくドロップアイテムが旅人の服になりメッセージも統一されたため、実質ゲーム内での確認は不可能になっている。
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