概要
てんとう虫コミックス24巻及び、藤子・F・不二雄大全集7巻に収録「おかし牧場」に登場。
缶詰に牧草が入ったひみつ道具で、これをお菓子に食べさせる(牧草のうえにお菓子を乗せる)と、お菓子が家畜動物のようになる。
繁殖することもできるが、そのためには同じお菓子を二匹以上用意しつがいにする必要がある。
お菓子に雌雄の性別が備わるかは不明(作中でもドラえもんが指摘している)。
また、お菓子の家畜は一時間以上牧草を食べさせないと元のお菓子に戻ってしまい二度と動物にならなくなる。
缶詰以外にも牧草の種もあり、蒔くとすぐに生える。
ストーリー
ある日、のび太はおやつのチョコレートを目の前にして「なぜお菓子は食べたらなくなってしまうのだろう」と呟く。
それを見ていたドラえもんは呆れながらも、おかし牧草というひみつ道具を取り出した。
早速牧草をチョコレートに食べさせると、チョコレートは牛のようになる。
しかしその後、一匹だけでは増えないのではと気づいたドラえもんは、隠していたチョコレートを取り出してつがいにした。
途中、牧草をやり忘れてお菓子を餓えさせかけたり、夜中に叩き起こされてのび太が寝不足になりかけるなどのトラブルもあったが、牧草を空き地に蒔いて牧場にしたことで、お菓子達はどんどん繁殖し増えていった。
おやつのカステラやしずかから預かったキャンディーも牧場で飼っていった結果、空き地には数多くのお菓子が住み着くようになり、ある日ドラえもんとのび太はしずかをお菓子がいっぱいの空き地へ招待した。
のび太「いろんなおかしがずいぶんふえたなあ。」
しずか「子チョコがチョコチョコとかわいいわ。」
ドラえもん「みどりの牧草、明るい日ざし、楽しく遊ぶおかしたち…のどかな風景だなあ。」
だが、帰路につく彼らを見て「空き地に何かいる」と勘づいたジャイアンとスネ夫が調査を決行、そこでお菓子を見つけたことで、二人にお菓子達を盗まれるという事態になった。
のび太はせっかく増やしたお菓子達を盗まれたことを嘆き、犯人を捕まえようと寝ずの番を慣行しようとするも、ママに怒られるとドラえもんに言われて渋々帰ることにした。
夜の間に盗まれることを危惧したのび太に対してドラえもんは、「本物の牧場には番犬がいて、オオカミなんかから家畜を守ってくれる」と説明し、その説明からいいアイデアを思い付いたドラえもんはある道具を取り出す。
その夜、ジャイアンとスネ夫はおかし牧場からお菓子達を盗み食いしようと忍び込む。
その時、空き地の土管から大きなガムが唸り声を上げながら這い出てきた。
二人はそのガムも噛み応えがあると喜んで食べようとするが、実はガムはドラえもんが用意した番犬がわりになるガムで、二人は逆にガムに噛み付かれる羽目になり、あえなく御用となった。
スネ夫「ギャア ガムが人間をかむなんて、あべこべだあ」
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年12月13日に、水田版は2008年1月11日及び、2017年8月25日にそれぞれ放送している
1979年版
- サブタイトルが「おかし牧草」に変更。
- 冒頭はのび太が帰宅してくるところからスタートしている。
- ドラえもんとのび太がジャイアンとスネ夫を捕まえたのはその日にうちで、用いたお菓子はどら焼きだった。
- 本編終了後のショートアニメは、跳ねながら逃げるどら焼きをドラえもんが、舌を出しながら追いかけてるというものだった。
2008年版
- 冒頭のび太はチョコレートに向かって「僕は君を絶対に離さないよ」や「食べちゃったら君とはお別れなんだ」と言っている。
- のび太は大量に増えたチョコレートに乗っている、カウボーイの自分を想像している。
- スネ夫としずかがいたのは空地で、自分ちのチルチルやカナリアがまだ子供だった頃の姿がとてもかわいかったと反していて、のび太はうちのチョコレートも赤ちゃんができたらきっと可愛いと話しに入って来たが、当然2人は目を点にしていた。
- ドラえもんとのび太がチョコを話したのは河原の草むらで、チョコが増えた際にはしずかも誘っている。ちなみにこの時ジャイアンはバットとグローブを持っていた。
- 野比家で出されたおやつはロールケーキで、しずかはキャンディーを自分から持ってきている。またこの他にもクッキーやシュークリーム、ゼリー、エクレアなども放している。
- 「腹いっぱい食べようぜ」の台詞はジャイアンが言っている。
- ジャイアンとスネ夫はシュークリームの反撃にあい、逃げて行った川まで追いかけて行き、その中から巨大なガムが出現した。
- ラストはドラえもんとのび太の「かくして、お菓子牧場に再び平和が訪れたのであった」「めでたしめでたし」という台詞で締めくくられており、この時お菓子たちの牧場にてガンマン姿のドラえもんとのび太、ドレス姿のしずか、縛られている悪党のジャイアンとスネ夫が映った西部劇風のエンドカードが放映されている。
2017年版
- スネ夫達が話をしていた場にはジャイアンもいて、5匹も子供を産んだのは近所の猫で、ジャイアンも自分ちのうらの小鳥も増えて17羽になったことを話していた。また爆笑した際スネ夫は「のび太、ちょこっと変」とダジャレを言っていた。
- 2回目にのび太を起こした際ドラえもんは上からヒップドロップしている。
- 空地にやって来た際ジャイアンは「甘い匂いがした」と言っているが、ドラえもん達は気のせいだと言って誤魔化している。また立去る際ジャイアンは「何か隠したらただじゃおかないからな」と言っている
- 野比家のおやつは2008年版と同じくロールケーキだった。また増えたおかしを見ていた際は、ドラえもんとのび太はカウボーイハットを、しずかは麦わら帽子をそれぞれ被っていた。
- ジャイアンとスネ夫はガムの他に、グミ、超かた焼き煎餅にも攻撃されている。
- グミは自身を捕まえようとした敵に攻撃、超かた焼き煎餅は殴って来た時に盾になることで相手を逆に痛めつけた。
- ラストはドラえもんとのび太の「おかし牧場は甘くない」という台詞で締めくくられている。