曖昧さ回避
概要
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船。2005年就役。米国の「ジョイデス・レゾリューション」と並ぶ世界を代表する深海掘削船であり、船上に巨大な掘削用櫓を持つ。掘削中は海流の中でも同じ位置を保つことが求められるため、特殊な定点保持機能を有している。
特徴
本船は中央に聳えている巨大なヤグラから、先端にドリルのついたパイプを何百本もつなげて下ろし、海底下数kmの地層を掘って海底の地層標本(コアサンプル)を回収する。
この間、船はパイプにより海底と繋がっているため動けず、場合によっては数か月も掘削地点の洋上に留まり続ける必要があり、港に戻って補給したり人を交代したりすることができない。そのため、パイプを下ろしている間はヘリコプターで人や物資を運搬できるように、船体前方の船橋上部にヘリポートが設けられている。
また、パイプを下ろしている間、船を洋上で定位置に保持するため「ダイナミックポジショニングシステム」が用いられる。これはGPSの情報と海底に設置された音響測位装置の情報に基づき、船底にある360度回転する特殊なプロペラ「アジマススラスター」6つで方向を自動制御し、海流や潮風が強い海上でも船を同位置に留まらせ続けるシステムである。
船内にはこの他にも、海底から回収したコアサンプルを分析するためのCTスキャナー、地層中の微生物を培養する装置、磁気シールドルーム、などなど多様な分析装置と設備を備えた実験室がある。
来歴
2006年、映画『日本沈没』の撮影に協力し、本船も映画中で物語全般に渡って登場した。
2011年に展示のため寄港していた八戸港で東日本大震災に被災したが、津波が襲った港内で小学生を乗船させたまま辛くも難を逃れた。
2018年、JAMSTECと任天堂のゲーム『スプラトゥーン2』とのコラボ企画「Jamsteeec(ジャムステ〜ック)」の一環で、本船がゲーム内のステージ「マンタマリア号」「DEAR SENPAI」に登場した。