ほいくしのエナツ
ほいくしのえなつ
このイベントは主人公が事前に戦ったポケモントレーナーと観覧車に同乗するという内容だが、四季によって登場人物が変化する。
エナツが登場するのは夏。しかも主人公が男性の時にのみ登場する。…そう、かつてポケモンBW1で前作の男主人公が、熱いひと時を過ごした夏の観覧車と聞いて、多くの男性プレイヤーはあの頭には痛ましい事件が浮かんだことだろう。
しかし、いざ観覧車の前に行ってみれば、そこにいたのはむさくるしい山男ではなく、なんてことない保育士のお姉さんであった。バトル後はポケモンを預かる仕事に疲れた彼女のグチを聞いてあげる流れで観覧車に同乗するのだが……。
いざ観覧車に乗ると「ふぅ……ムシムシして熱い……」 「汗でシャツが身体に引っ付く……」 「もう、からだじゅうベトベト……」など妄想を掻き立てる台詞のオンパレード。しまいには「やっぱり夏に乗るもんじゃなかったね。ホラ、やっぱりキミも上着脱いどけば良かったんだよ」との台詞。ゲーム内の主人公もその様子にドキドキしてたようで、観覧車から降りたときにはエナツ曰く「顔がすっかりバオップ色」になっていたらしい。
そんな風に、2年前の悲劇を浄化するかのような素晴らしいイベント……だと油断していると、エナツは直後にとんでもない台詞を口にする。
「男同士なんだもん 別に 恥ずかしがること なかったのに?」
「あ それとも 言ってなかった?わたしが 男だって」
……そう、エナツは保育士のお姉さんなどではなく、女装した男性だったのである。彼曰く、女性しか採用していない職場に無理やり申し込んだところ、「女性として働くならいい」と言われ、女装して仕事をしているとのことである…。一体どんな職場だ。
もしや男子禁制のお嬢様女子校の付属幼稚園とか…いやそれなんてストロベリーエッグ?
加えてこの会話は彼女と2度観覧車に乗らないと発生しない会話である。まさに上げて落とす。観覧車どころかフリーフォール並の衝撃を受けた主人公とプレイヤーの顔色がバオップ色からヒヤップ色、下手すればヤナップ色に染まったのは想像に難くない。バトル後の「きゃっ!すっごーい!」というセリフももはや違う意味に思えて来る。
夏の観覧車に近づいてはならない(戒め
その教訓を改めて思い知らされるイベントであった。
ただ、前回の山男に比べればビジュアル的な面での精神的トラウマは軽減されているし、逆に男性と知って「むしろそれがいい」と感じたプレイヤーも数多い。そう考えれば前回のトラウマの救済としてしっかり機能していると言えなくも無い……結局アレだが。
ただひとつだけはっきりしていることは、ゲーフリの病気はますます悪化していたということである。
忙しいトレーナーに代わって子供やポケモンの世話をしている。
そもそも女性しか採用していない仕事場にどうしても入りたいからと言って、無理やりな条件下の中でまでポケモンの世話をする仕事をこなしている辺りからは、ポケモンに対する愛情は非常に強いといえる。
しかし、遊んで怪我をしたポケモンに対して理由も聞かずにトレーナーから責められていたりと理不尽な責任を押し付けられており、それなりに苦労している模様。
ポケモンを大切にするとはどのようなことなのか教訓めいた体験話であるといえる。
女装した男性である方のインパクトがあまりにも強すぎるせいで忘れがちではあるが、エナツから聞ける仕事に関する話はこんな風に真面目だったりする。