本名:渡瀬政造(1945年2月15日~)
概要
わたせの作品の特徴はグラフィックデザイン風のレイアウトや色彩感覚を用いたカラー原稿で、透明感に溢れている。
漫画作品は都会的でおしゃれな作風で、「背景はCMYKで色指定」「1話あたり4ページ」「B5サイズの大判、豪華本の装丁」という基本フォーマットをほぼ全ての作品で踏襲している。
自身のイラスト作品を展示する個展も度々開いている。
来歴
1945年、神戸市(兵庫県)に誕生。まもなく小倉市(現在は北九州市小倉北区)に移り、高校卒業まで過ごす。
1967年、早稲田大学を卒業し、学校推薦で同和火災海上保険(現在はあいおいニッセイ同和損害保険)に入社。休日に趣味で絵を描くようになる。絵を描いていることは社内でも知られ、会社のパンフレットのイラストなどを手掛ける。
1970年、永井路子(小説家)に会いに行った際、自分で描いた漫画を持って行ったところ、永井から「渡瀬さんは、漫画家になりたいんですね」と言われ、そうだったのかと自分でも気づく。
1974年、「新漫画昆虫記」で第13回小学館ビッグコミック賞を受賞。長野県に転勤になり一時漫画からは離れるが、3年後に再び描きはじめる。
1978年、『週刊漫画TIMES』(芳文社)で「おとこの詩」が掲載され、漫画家デビュー。足立区(東京都)の営業所の所長に昇進。全国の営業所でトップの営業成績とする。営業マンとして外見に気を配る中でファッション・センスも磨かれた。
1983年、代表作の「ハートカクテル」を『モーニング』(講談社)で連載。
1985年、企画課長への昇進を上司から示唆される。出世は非常に嬉しかったが漫画家との兼業はとても無理だったため、悩んだ末に退社。漫画家専業となる。
1986年、「ハートカクテル」がアニメ化され、日本テレビ系で放映。『漫画サンデー』(実業之日本社)で「私立探偵フィリップ」を連載。
1987年、「ハートカクテル」の単発ドラマが日本テレビ系で放映。「私立探偵フィリップ」が第33回文藝春秋漫画賞を受賞。
1988年、「ハートカクテル」の単発ドラマが日本テレビ系で放映。
1992年、『モーニング』で「菜(さい)」を連載。
2010年、神奈川大学で「日本文化論(表象)」特任教授となる。神奈川大学の広告イラストを担当。