アイ・シティ
あいしてぃ
ライデンが愛車のBMWで夜の街を流していると、ケイ、アイと名乗る一文無しの親子に助けを求められ、なすがままに愛車に乗せてしまう。
しかし直後に、額に数字のある謎の女から超能力による追撃を受け、逃走を余儀なくされる。サイキックバトルの熾烈な攻防の中、殺されそうになったアイの意識が暴走し、触れていたケイが強大な超能力を発揮、夜の街が割れて不気味な位相空間が出現するのだった。
フロア1983
本作の舞台となるフロア。1993年の東京を再現し、何度もやり直している。
『神柱』を中心に半径440kmの同心円状に広がるフロアが幾層にも重なった円筒形の構造物の中にあり、各フロアは進化の実験の場である。
創造者
人類。はるか上方のフロアで進化の袋小路に入り込み、絶滅を待っている。
プログラムアイとプログラムアロイを競わせ、どちらに進化のやり直しをさせるか決めようとしている。
ヨシオカ・ライデン
本作の主人公。現職のベテラン警官でアケミという妻を持つ。
レーサー志願であったが、視力の問題で断念。車の趣味が高じ、退職金を前借してアルピナ・チューンのBMWを購入。Kとアイの逃避行に巻き込まれ面倒ごとを嫌うも、人の好さからつい助けてしまう。
最初は敵対していたK2に惹かれるようになり、アケミとの板挟みになる。
K(ケイ)
元大学生。ある日校内での呼び出しに応じ、フラウドの施設で手術を受け『ヘッドメーターズ』という疑似超能力者となる。
試作品としてクゥ・ラグア・リーが自ら手掛けたヘッドメーターズで、チューンドマンの能力を併せ持つ。全身の主だったツボの108箇所がセンサーに包まれ、常時『急場のバカ力』を『普通のバカ力』にできる。センサーはヘッドメーターがレベル5以上で始動でき、発光する。
しかし同じ手術を受けた恋人のエツコが死に、そのショックからメーターが5までしか上がらない不良品となる。超能力としてはスプーン曲げもできず、カンが鋭くなる程度。
アイ(I2)に父親と名乗り、謎の施設を脱走。
I2(アイトゥー/アイ)
Kの元恋人、エツコのクローン。Kを父と慕う謎の少女。
他者の激しい感情に反応し、彼女自身が引き金となって強大なエネルギーへと増幅させてしまう。
そのため『伝説のトリガー』としてフラウドやアロイから追われることになる。
K2
Kの女性クローン体。ヘッドメーターズの一員で、半身同様であるKとひとつになりたいという偏執的な愛情を持つ。事故により一時的に記憶を失い、Kらと行動を共にするようになり、その際ライデンを愛するようになる。
アケミ・ライデン
ライデンの妻。
リー
猫
K2が吹き飛ばされた位相空間の近くにたまたま居合わせた野良猫。位相空間に尻尾を焼き切られ、アイに助けられる。
- 舞台設定は、ロバート・A・ハインライン著の『宇宙の孤児』に影響を受けたと思われる。
- 本作が連載を開始した1984年前後、類似した作品としてOVA作品『メガゾーン23』、成年コミック『いつまでもどこまでも』(亜乱霊)がある。