解説
相手の背中を取って持ち上げ、バックドロップとは逆に前方へ落とし、マットに立てた自分の膝に相手の尾てい骨を打ちつける技。日本語では「原爆尾てい骨落とし」「原爆尾てい骨割り」などと呼ばれるが、長い上に言葉のイメージが悪いため“原爆”を省略する場合も多い。
元祖はアメリカの元世界ヘビー級王者“野生児”バディ・ロジャース‥‥と言われるが、他説もある。自分より大柄な相手にはかけにくい技のため、長身パワーファイターの専売特許技と一般的には解釈されている(小兵同士の対戦なら問題はないが、やはり迫力には欠ける? ちなみに“元祖”のロジャースは約180cmと、当時のヘビー級レスラーとしても小柄な方だった)。
主な使い手はボブ・バックランド、アーニー・ラッド、坂口征二、ストロング小林など。
近年はめっきり使い手がいなくなり、現実のプロレス(特に男子)では殆どお目にかかれなくなった。脳天垂直落下や雪崩式等の「いつ誰がどうなってもおかしくない」ド派手技が喜ばれる(?)最近のプロレス界では、いまいちその痛さや凄さが傍目にはわかりづらく地味に映る技なのかも知れない‥‥が、実際の尾てい骨への直接打撃は「笑いながら死ぬ」と表した人もいるほど痛く苦しいもの(らしいの)で、2m近い長身を利したハイアングル式のそれを看板技にしていた坂口は対戦相手によって力加減しながら恐る恐る(?)用いていたと言われる程の強烈な必殺技である。
何にせよ素人が迂闊に真似すると間違いなくタダではすまない。実際にやってはダメ!
この技の類似技に、背後からではなく正面から組み合った相手にお見舞いするマンハッタン・ドロップ(アドリアン・アドニス、蝶野正洋、矢野通らが使い手として有名)があるが、こちらは尾てい骨というよりも股間への急所攻撃(的に見せる)技であり、悪役レスラーの定番ダーティー攻撃技として今も生き残っている。
また自分の膝ではなく、リングのロープや場外鉄柵などへ相手を落とす反則パターンもある。
いずれにしても素人は実際にやっちゃ絶対ダメ(大事なことなので二度言いました)!!
表記ゆれ
アトミック・ドロップ:pixivでの作品タグは「・」無しがほとんど。