概要
『星雲仮面マシンマン』に登場した悪の犯罪組織「テンタクル」及び「オクトパス」の主力となるロボット怪人。
オクトパス含め3種類が存在し、右腕のアタッチメントの武器あるいは能力から「○○男」と呼称される。
普段は人間に変身して悪事を遂行したり、犯罪を行う悪人に協力または命令を下し、マシンマンと戦ったり、犯罪のもみ消し、証拠隠滅を図る時には正体を現して実力行使に出る。
見た目は安っぽいが戦闘能力は高く、比較的チートヒーローな方のマシンマンと互角に渡り合えるほどの性能を誇っている。
情緒も人間と殆ど変わりがなく、主人であるプロフェッサーKとレディーMに忠実に従い、慕っている。
プロフェッサーK自身も幹部の鉄人モンス同様に彼らを息子のごとく可愛がっており、彼らがマシンマンによって倒されていくのを惜しんでいた。
なお、下記の呼称は公式のものでは無く3タイプの形状から呼ばれる便宜上の呼び方である。
Aタイプ
第1話から登場したタイプ。黄色い目と重厚な口パーツが特徴。
第12話登場のマジック男以降は姿を見せなくなる。(この間にAタイプのマスクをCタイプに改造したものと思われる)
- ドリル男(声、演:うえだ峻)
第1話に登場。右腕のドリルと自動車を持ち上げるほどの怪力を武器とする。
子供から教育を奪うべく、怪電波で教科書をすべて白紙化する作戦を実行。『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では直接小学校を破壊している。
人間態は黒い帽子を被った怪しい男。
- ハンマー男(声、演:頭師孝雄)
第2話に登場。右腕のハンマーによる打撃と地面を叩いて起こす振動攻撃を武器とする。
近代医科学研究所の所長に化け、金で買収した宇曽田博士と共謀して子供たちの涙から虹色のダイヤを作ろうと企てた。
- オノ男(声、演:きくち英一)
第4話に登場。右腕の斧と斧型の手裏剣を使い攻撃する。
プロフェッサーKのクシャミから抽出したエキスを混ぜた焼き芋の屋台を失業した男に与え、子供だけでなく大人もパニックに陥れた。
人間態は某フーテンの男を黒づくめにしたようなスタイル。
『ダイダルの野望』では「毒イモガス」という、放屁(ロボットなのに)する珍技を使う。
なお人間態・演者であるきくち氏は某光の巨人のスーアク、数年前の戦隊では敵幹部も演じている。
同怪人のスーアクを兼任していたかどうかは不明。
- バット男(声、演:潮健児)
第8話に登場。右腕に巨大なバットを付けており、打撃攻撃やバットそのものを射出する技を使う。
スペースシャトルが持ち帰った宇宙の塵を譲渡せよと滝口博士を脅迫するも断られたため、万年補欠だった博士の息子に特殊な薬品を仕込んだグローブを渡して、大活躍させたところでその不正を公表すると脅し、改めて宇宙の塵の譲渡を迫るという本作中最も回りくどい作戦を実行した。
人間態は黒いコートにステッキを持った怪紳士。Kとの2ショットでは、「死神博士と地獄大使久々の共演」と、特撮ファンを狂喜させた。
- ムチ男(声、演:加地健太郎)
第9話に登場。右腕に電磁ムチを備え、状況に応じて取り外し遠隔操作することや外した部分からの銃撃もできる。
黒マントの怪人の姿で次々に女の子を襲い、特製の毛生え薬で髭を生やさせて泣かせる作戦を展開。さらに医師に化け、被害に遭った女の子の父親を「あんたの娘だけでなく他の子にも髭が生えれば、娘は恥ずかしい思いをしなくて済む」と唆して2人目の黒マントの怪人に仕立て上げ、被害を拡大させた。正体がばれそうになるとその父親をスケープゴートにして始末しようとした悪辣な知性派。
人間態と声の演者である加地氏は昭和ライダーのTV放映最終作で最後の首領を演じている。
- マジック男(声:依田英助)
第12話に登場。手品に失敗して追放されたマジシャン・北野と共謀し異空間マジックゾーンを発生させる装置で子供たちを閉じ込める作戦を遂行した。人間態は存在しない。
シルクハットとマント、額にスペードのマーク、胸にダイヤ・ハート・クラブの入ったカードの意匠を付けている豪華仕様の怪人。武器はステッキと幻惑攻撃。
マジックゾーン内では赤い全身タイツと顔にダイヤorハートの模様が入った二人組、マジックダイヤとマジックハートに分身しマシンマンを翻弄した。
これのみ胸当てが従来のものとは別になっている。
Bタイプ
第10話から登場したタイプ。
赤い目と歯のような口パーツ、右耳のエアインテークにモールドされた「B」のようなマークが特徴。ボディはAタイプと同様。
第18話のテッキュウ男を最後に登場しなくなる。
- スパイ男(声、演:藤井洋八)
第10話に登場。初のBタイプにして両手が開いている怪人。
右腕にパラボラアンテナを装備し、それを射出しての攻撃、さらには投げたパラボラアンテナを操作し光線を放つ技も持つ。
超能力少年を利用してマシンマンの正体を探るため人間態で暗躍。
貧乏な剣術師範(&弟子)をも利用してマシンマンを足止めする、スパイ男の名にふさわしいクールな頭脳派。
Kのお気に入りでもあり、頭を撫でられて喜ぶ可愛い一面もある。
- ミサイル男(声、演:益富信孝)
第11話に登場。右腕から射出する大型ミサイルと4連装小型ミサイルが武器。
「ちびっこアルバイトセンター」の男に化け、子供たちに電子部品の組み立てアルバイトを行わせる。アタッシュケースに札束を満載し、法外な報酬を与えていたが、その部品は東京都内に撃ち込むミサイルのものであり、子供たちの手でミサイルのボタンを押させるのが真の目的だった。
- ボウトウ男(声、演:秋山武史)
第14話に登場。右腕にピッチングマシンを装備し、ボール爆弾を発射して攻撃する。
マシンマンのパートナーであるボールボーイに目を付けて捕獲、彼を人質にマシンマンの抹殺を図った。その際にボール爆弾をボールボーイに偽装(目を描いただけ)してマシンマンを動揺させるなど、芸が細かい。
人間態はボール型のヘルメットを被っている。
- カマ男(声、演:大谷淳)
第16話に登場。右腕は巨大な鎌となっており鎖分銅も内蔵。さらに姿を消すステルス機能も持つ。鎌の反対側からも銃撃を行う。
偶然Kの写真を撮った真紀の抹殺を図り暗躍した。人間態は神父風の男。
- ジシャク男(声、演:志賀圭二郎)
第17話に登場。右腕の磁石は警官の拳銃はおろかマシンマンの武器をも吸い付けるほどの磁力を帯び、結果的にマシンマンの右手を痛めつける大健闘を果たした。
鉄人モンスと共にマシンマン抹殺を図るべく、バスの運転手に化けて真紀たちを拉致し、マシンマンをおびき出すなどのサポートを行ったが、不運にもモンスの攻撃が誤爆して大破してしまう。
人間態及び声を演じる志賀氏は後のスーパー戦隊で奇しくも立場・理由に違いはあれど、組んでいた仲間の行動の結果皮肉にも戦死する幹部を演じる事となる。
- テッキュウ男(声、演:江幡高志)
第18話に登場。右腕が棘付き鉄球になっており、それによる打撃や射出攻撃を武器とする。
Kと共にスペインに行く予定だったが、寝坊して飛行機に乗り遅れてしまった。ドジな性格だが、Kへの忠誠と尊敬は深い。
Kの残したのっぺらぼう銃(対象に外せない白面を被せる)を使い、容姿にコンプレックスを持つ眼鏡の女を唆して悪事を働くことでKの帰還を願った。
Cタイプ
スペイン旅行中のプロフェッサーKが、レディーMへのプレゼントとして送った新型のアンドロイド兵士。これまでのアンドロイド兵士以上の性能を誇る。
輸送の際は男性型マネキン人形に偽装されて運ばれ、基地にある特殊な装置で起動する。
第27話のアンカー男から第33話のショットガン男まで7体が登場した。
Aタイプをベースに様々なパーツが追加されており、特に某迷惑な奴にそっくりな角パーツが特徴。
ちなみに腕がアタッチメントになっているのはカセット男、ショットガン男、両腕がグローブのボクシング男の3体のみ。
- アンカー男(声、演:田中洋介)
第27話に登場したオクトパス初の戦闘アンドロイド。 右手に持った錨を武器とするが、青龍刀も使いこなす。
トンチンカンのミスで左腕を紛失してしまったため、船員風の男に化けて左腕を探した。
左腕は独自の意志を持っており、外れて攻撃もできる。
- カメレオン男(声:丸山詠二)
第28話に登場。自由に姿を変える特殊能力を持つためか人間態は存在せず、武器も槍のみと戦闘力では他の同型機と比べて劣る。
誤って惚れ薬を飲んだトンチンカンが真紀に一目惚れしたため、彼と結婚させるべく真紀を誘拐した。健に化けて事故死したように見せかけて真紀を絶望させたり、逆に真紀に化けてマシンマンを不意討ちするなど攪乱工作に従事したが、今話のメインが敢えて変身せずに戦いを挑む健とトンチンカンの対決がメインだったこともあり出番は少なく、あっさり倒された。
- ボクシング男(声、演:増田英)
第29話に登場。両腕にボクシンググローブを装備しており、軽快なフットワークと強力なパンチを武器とする。グローブを放物線上に放り投げて爆発させるボクシング爆弾も強力。
海賊・フック船長の配下リトルジョンに扮して彼のサポートを行い、船長の祖先が100年前に隠した財宝を探す。元々フック船長に貸し与えられていたものと思われる。
- オニ男(声、演:遠矢孝信)
第30話に登場。Cタイプの頭頂部に青と赤の角が付いており、金棒、鬼面型の爆弾「オニ爆弾」、槍や水中銃など多彩な装備を誇る。
トンチンカンが伝え聞いた、映した者を美しく見せる鏡を狙うレディーMの作戦に伴い、猟師風の男に化けて、鏡が眠る山村に常駐。村人に鏡の発掘を強要したり、侵入者を排除するのが使命。
油断した健を吊り橋から落として瀕死の重傷を負わせ、そのことからマシンマンの正体を看破する鋭さも見せた。スロットルガンも金棒で跳ね返し、川に落下してもすかさずマシンマンも引きずり込んで水中戦に持ち込むというかなりの強敵だったが、敗れて川底の藻屑と消えた。
人間態と声を演じる遠矢氏は某宇宙猿人の科学者や怪奇の事件や深夜の事件の仕業である犯罪組織の幹部とその後継組織の幹部等など、こちらも様々な特撮に出演している。
- ソンゴクウ(サル男)(声、演:伊藤久二康)
第31話に登場。正式名称は「サル男」だが、終盤まで孫悟空を模した姿に変身して戦っていた。
拳法を得意としており、KがMに贈った西遊記の三大アイテム「如意棒(伸縮しないがマシンガンを内蔵している)」「返事をした者を吸い込む瓢箪」「芭蕉扇」を使いこなしてマシンマンを大いに苦戦させ、子供(&編集長)共々瓢箪に閉じ込めて爆殺しようとした。
筋斗雲に乗って飛行することもでき、雲の上でマシンマンとも激戦を繰り広げる。
ソンゴクウを演じた伊藤氏はスーパー戦隊を初めとした様々な特撮でヒーローのスーアクを演じており、その流れからサル男のスーアクも演じているものと思われる(要検証)
- カセット男(声、演:林田健二)
第32話に登場。右腕にラジカセを装備している。
クジャクの鳴き声を低周波に変えて子供に聴かせることで狂暴化させるように仕向けた。
ラジカセから破壊音波や銃撃、拘束テープを発射するほか、ヘッドホン型爆弾を投げる。
人間態はタンクトップにローラースケート、ヘッドホンステレオをつけているという、時代を感じさせる青年の姿。
結構おっちょこちょいでノリが軽くそれが災いた面もあった。
初期設定では「ハードロック男」という名称だった。
人間態、声を演じた林田氏は同年の一つ前の戦隊において敵幹部→ラスボスを演じており、実質直後の特撮出演となった。
- ショットガン男(声、演:加門良)
第33話に登場。最後のアンドロイド兵士。
象をも倒すという右手のショットガンでマシンマンを倒すと豪語したが、レーザーサーベルで斬られるとあっさり白旗を出して降伏…したように見せかけ、旗を剣に変えて攻撃したり、隠し持ったバズーカを使用したり、透明化の際に見つからないよう十字を切るなど情けないアンドロイド。
余談
所謂腕とごくたまに交換する頭や一部パーツを除けば同じである『使い回し怪人』の代表格として知られており、新路線ゆえに同時期及び近年の特撮と比較して低予算である本作の事情が垣間見えるものだが、その反面で人間態の演者&声優は生身で登場する同作の悪人たちと同様に様々な作品で活躍する俳優たちがチョイスされている。
また、平成ライダー中期から令和ライダーの一部や、平成後期のスーパー戦隊からは予算事情や怪人の役割や設定など様々な事情と逆に合理的かつ怪人の統一性を出せる有用性からアンドロイド兵士の製作コンセプトが取り入れられる事となり、実質現在においては後番組の怪人『デスターロボ』や最初の戦隊『仮面怪人』のコンセプトやデザイナーのセンスが加わり現在の怪人のスタンダードモデルとしてこの手法が定着している。
(ただし、これ自体はマシンマン以前の特撮からある手法であり、初期の戦隊の後半登場怪人等でも使われていた事を付け加えておく)