ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

エカチェリーナ2世

5

えかちぇりーなにせい

18世紀のロシア帝国の女性皇帝。生没年1729年4月21日~1796年11月6日。在位1762年6月28日~1796年11月6日(いずれもユリウス暦・ロシア暦のため現在日本で使われるグレゴリオ暦より10日以上遅くなる)。

概要

ロシアの女帝。ピョートル1世と並び大帝(ヴェリーカヤ)と称される。数多くの愛人を抱えたことでも有名。

ドイツのアンハルト・ツェルプスト公の娘であり、ロシア人としての血は全くひいてない。出生時の名はゾフィー・アウグステ・フリーデリケ。ロシア正教に改宗した際にエカチェリーナ・アレクセーエヴナに改名。

ピョートル大帝の娘であるエリザヴェータ女帝の推薦で、女帝の姉の子(女帝の甥、ピョートル大帝の孫)であるピョートル3世に嫁した(エカチェリーナの母方の伯父カール・アウグストがエリザヴェータ女帝の若い頃に死別した婚約者だった事が推薦の大きな理由とされる)。息子のパーヴェル1世をもうけるも、性格の合わない夫との仲は最悪であった(そのためパーヴェル1世も実は愛人のロシア人貴族との子ではないかという風聞まであるが、公的には夫ピョートル3世の子とされている。近年の遺伝解析ではパーヴェル1世の三男のニコライ1世の遺伝子調査の結果、ロシア人にほとんどいないY染色体の持ち主であることが確実視されおり、父系祖先がロシア人でない確率が高いため、やはりピョートル3世の実子だった可能性は強まっている。ピョートル3世の父親カール・フリードリヒはドイツ人貴族だったため、この調査に合致する)

1762年、ピョートル3世の即位の半年後に近衛連隊のクーデタで夫を廃位・殺害して即位した。夫のピョートル3世もエカチェリーナ同様にドイツ生まれドイツ育ちであったが、彼はロシアの慣習を嫌って、ドイツを懐かしむ人物で、即位すると亡き叔母のエリザヴェータ女帝によって勝利しかけていたドイツ・プロイセン王国との戦争(七年戦争)を早々に中断し、プロイセン優位の講和を結んでしまった。そのためピョートル3世は軍はじめ国内の猛反発を招き、これが政治的致命傷となった。一方でエカチェリーナはロシアの慣習に積極的に馴染もうとしたため、人望を得ていた(これだけではピョートル3世が何ら情状酌量の余地がないようだが、一応、彼にもそうなる背景はあった。両親を早くに亡くした彼は教育係のドイツ軍人ブリュンマーから「良きドイツ軍人」になる事を叩きこまれる虐待に近い教育を受けて育ったため、ロシア皇帝となっても、まさにそう振舞ってしまったのである。エカチェリーナと不仲となるほどの性格の不一致も、この歪んだ教育によって人格形成に問題があった事が大きいとされる)。

30年以上にわたる治世の前半期は啓蒙専制君主としての姿勢を取っていたが、1773年に起きた大規模な国内反乱であるプガチョフの乱以降は反動化。約2年かけて反乱を鎮圧後、農奴制を極限にまで強化した。晩年になってフランス革命が起きた事は反動化を更に強めることになった。

ピョートル大帝に続き、ロシアの領土拡張に務め、オスマン帝国と2度に渡り戦い、クリミアを併合(露土戦争)。またポーランド分割にも加わり、更に領土を獲得。1792年にラスクマンを根室へ派遣し、江戸幕府へ開国を迫っている。

1796年脳卒中のため67歳で死亡。不仲であった息子のパーヴェル1世をとばしてお気に入りの孫アレクサンドル1世を皇帝に据えようと準備をしていた中での死だった。後を継いだ息子のパーヴェル1世は母の所業を嫌っており、エカチェリーナ2世を全否定する政策を打ち出したが、これまた国内の反対派の反感を大いに買い、数年後に暗殺されてしまった。ナポレオン・ボナパルトと矛を交えナポレオン没落に貢献したアレクサンドル1世、その後を継いだニコライ1世はパーヴェル1世の息子達である。

人物

  • 多くの男性と関係を持っており、女帝を「娼婦」と揶揄する者もいた(孫にあたるニコライ1世もその一人)。しかし陸軍軍人のグリゴリー・ポチョムキンとは秘密結婚であったものの、彼とだけは生涯唯一の真実の夫と言うべき関係であった。ポチョムキンは自分の代役として「エカチェリーナの好みの男」を愛人として斡旋することさえしていたという。公的な子は第一子のパーヴェル1世のみだったが、生涯で数人の隠し子を愛人の貴族達との間にもうけた。これらの子達はエカチェリーナの元から離されて養育され、女帝の子ではなく貴族の私生児として扱われた。
  • 文芸に優れた才をみせるなど自らも文化人であるばかりでなく、女性教育に力を注いだとされ、近年再評価の傾向がある。
  • 日本人漂流者・大黒屋光太夫を日本へ送還した(開国を促すためでもあった)。

創作における主な登場作品

  • 女帝エカテリーナ:池田理代子による伝記漫画。史実通りとは言えないが概ねは沿った内容。
  • 最後のレストラン藤栄道彦のコメディ&グルメ漫画。現代のレストラン「ヘブンズドア」ではなくテレビ局のスタジオにタイムスリップした。
  • おろしや国粋夢譚:1992年の映画。大黒屋光太夫を描いた作品。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • AP ヘタリア 二次小説 背景解説

    Engels Flüstern (IV-2) 解説 その5

    前後してあげましたヘタリア二次小説「Engels Flüstern (IV-2)」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10404323 の解説です。 (※本編のEngels Flüstern (IV-2)は腐向けかつR18になっておりますのでご注意下さい※) 本編の文章内に出てくる語句についての解説になります。 (割と書いた自分個人の主観がバリバリ入っているので史実関連に関しては文中に挙げた参考文献なりをお読み頂ければ幸いです) ていうか、この解説文ですら、「当時の『当たり前』基準」なので、現代のモラルに照らし合わせると「この解説もR18じゃないのか」と書いてて頭抱えました(苦笑)。 がっつり史実ネタを使っているための備忘録程度に思って下さい。
  • AP ヘタリア 二次小説 背景解説

    Engels Flüstern (IV-1)  解説 その4

    前後してあげましたヘタリア二次小説「Engels Flüstern (IV-1)」https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10375109 の解説です。 (※本編のEngels Flüstern (IV-1)は腐向けになりますのでご注意下さい※) 本編の文章内に出てくる語句についての解説になります。 (割と書いた自分個人の主観がバリバリ入っているので史実関連に関しては文中に挙げた参考文献なりをお読み頂ければ幸いです) がっつり史実ネタを使っているための備忘録程度に思って下さい。
  • APヘタリア二次小説

    【イヴァギル】Engels Flüstern (IV-1)

    Engels Flüstern (III) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10292937 の続きです。 人名表記。がっつり史実ネタ。今回は第一次ポーランド分割の年(1772年)です。 あんま原作にはそこまで描かれていないエカチェリーナ2世が出て来ます。 つうか、エカチェリーナさん、愛人との間に出来た子供のデータがなかなか出て来なくて(アンリ・トロワイヤの著作でも愛人にはかなり触れてるんですが、生まれた子供の生年月日とかが出て来ない・泣)、結局ロシア語を泣きながら読む羽目に(泣)。 毎回、解説をつけておりますが、https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10374963 がっつり史実ネタだとホントに資料やらウェブデータやらがとっ散らかりまくるのを何とかしたいです(泣)。 さわりでユールヒェンが少しと、途中でウクライナ姉さんが出て来ます。 が、割かしがっつりユキウサタグ該当する上に、R18スレスレの表現も出て来ますので、そういうのが苦手な人は回れ右推奨です。 このEpisode8は、ある意味「子供時代のユキウサの伏線第一回収」の章で、無駄に長い為に、少しばかり切りが悪い場所ですが、この辺りで分割しました。 このエピだけで多分3回位は本編と解説が必要なので、続きはまた暫くお待ち下さい。(多分次回はがっつりR18ユキウサです。すんません) 続きその1アップしましたよ(R18なんでご注意下さい)→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10404323
    44,713文字pixiv小説作品

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

エカチェリーナ2世
5
編集履歴
エカチェリーナ2世
5
編集履歴