概要
Fateシリーズに登場するキャラクター、巌窟王エドモン・ダンテス×天草四郎時貞のカップリング。
天草はFate/Apocryphaが初出作品だが、巌窟王はFate/Grand Orderが初出であるため、FGOでの邂逅となる。
巌窟王はアレクサンドル・デュマの著作「モンテ・クリスト伯」の主人公(もとい、そのモデルとして実在した人物)で、世界一名高い復讐鬼。復讐者クラスで現界している。
天草は江戸時代初期に島原の乱を率いた少年であり、FGOでは Apocryphaでの霊基を引き継いだ裁定者のクラスで現界。二騎とも人類存続のために「カルデア」のマスターに力を貸している。
FGOでは
初邂逅は期間限定イベント『監獄塔に復讐鬼は哭く』。その後は『ネロ祭り2017』等のイベントや亜種特異点『屍山血河舞台下総国』などで直接的・間接的に接点があり、『屍山血河舞台下総国』のある場面では巌窟王が天草との関係について「些かの縁」があると語っている。上記の亜種特異点のコミカライズでは、本編になかったオリジナル回で巌窟王と別個体の天草の接点が増えた。
2024年現在、彼らがFGO以外で邂逅したことはないはずで、無論生前の関わりなど一切なく、直接会話をしている場面も決して多くはないのだが、何故だか互いへの解像度と理解度と評価が謎に高い。2人揃ってやたら相手について詳しいのである。
それぞれの幕間やGrand Orderマテリアルでも互いへの言及があり、巌窟王の幕間1・2で天草が登場、天草の幕間1では巌窟王の話題が、幕間2で巌窟王本人が登場している。天草の幕間2では珍しく会話をしている様子が描かれたのだが、巌窟王のセリフは隠されておりプレイヤーからは見えない。
天草の姪が嫁の先輩アヴェンジャーからは、天草の幕間1にて「メンタルが同じ」「手段を選ばないとことかソックリ」などと精神面での共通点が多いことを指摘されている。
2020年末の特番「Fate Project 2021 大晦日」で公開されたFate/GrandCarnival第一話では、出番は一瞬ながらも同じ騎馬を組んでいる(メンバーは巌窟王、天草、ホームズ、騎手にジャンヌ)。ぜひ探してみて欲しい。
カルデアボーイズコレクション(CBC)2017で実装された礼装『探偵ヱドモン~春先旅情編~』では、大正風の舞台で異人の探偵と駆け出し書生として共演。この礼装はいわゆる「探偵ヱドモンシリーズ」としてシリーズ化されており、CBC2019、(2021)、2022でも共演を果たした。
余談だが、天草と共演している際、巌窟王の瞳は金色になっている(他は赤色)。テンションも高い。詳しくは後述。
- 本編では
巌窟王 「世界を救わんとするその強欲、まぎれもなく人間性の顕れである!」
巌窟王は、「全人類の救済」という途方もない大望を抱いた天草をいたく気に入っており、監獄塔で彼の話題が出たときは非常に饒舌。その様子を見た藤丸からは「楽しそう」と評され、「その彼(?)のこと、気に入ってる?」と突っ込まれた。
人間を嫌いながらも人類を深く愛し、地獄の如き光景を経て憎悪を抱きながらも全てを赦して大願を抱いた天草。同じく地獄を経た者である世界で最も高名な復讐鬼は、そんな彼が歩んだ人生を「世界で最も高潔な復讐劇」と称え、その在り方、その生き様にこの上ない敬意を示した。
巌窟王は、特に天草の生き様から強欲と傲慢、高潔という名の人間性を見出しており、マテリアルでは先述のセリフで高く評価している。
監獄塔では、天草がいるはずの場に忌み嫌っているジャンヌがいたため「違う、違う違う!!」と激昂したが、天草が出て来た、というより声が聞こえた途端分かりやすく機嫌がなおる(※激昂するあまり立ち絵が真っ黒になっていたのがすぐさま元に戻った)場面があった。
ちなみに、天草についての話題の中での台詞を見るにおそらく、巌窟王は彼が生きた生前の17年間だけではなくこことは違う並行世界で彼が辿ってきた60年間を何故か知っている。
天草 「貴方なら、私を運ぶくらい簡単では?」
対する天草は巌窟王を「問題児」の1人と称しているが、監獄塔では「この世の地獄を知る者」である彼のことをこの上なく信用しているとも言っている。
マスターの精神の奥底、“『廃棄孔』にいる巌窟王”の存在を認識している数少ない人物の1人が天草である。
2人が直接会話をしている場面を見れる機会は少ないのだが、マスターの知らないところである程度交流があるらしく天草は巌窟王の“仕事”や事情について何やら知っている模様。巌窟王の幕間に登場した際は彼の“仕事”について触れており、天草本人の幕間でも説明している。そのため、巌窟王が影で何をしているのかを知りたければ巌窟王の幕間だけでなく天草の幕間を通ることが必須になるといった不思議な事態になっている。
天草の二つ目の幕間ではとある存在に立ち会うために、巌窟王に直接頼み込んでマスターの意識下(廃棄孔)まで運んでもらっていた。そこで発したのが上記のセリフである。余談だが、後に公開された巌窟王の幕間2の一場面から、天草の幕間2にて巌窟王が天草を『運んだ』際に手を繋ぐ類の物理的な接触があった可能性が浮上した。
裁定者であるため、そして監獄塔で縁が結ばれたからか、彼が不調である時は見ただけで分かるらしい。
監獄塔や幕間での様子から、復讐鬼たる彼の在り方や“仕事”への信頼を持っているらしい天草だが、マテリアルⅢでは、己が捨て去った復讐の念を抱く彼に憧憬とも憐憫ともつかない感情を抱いていることが明かされた。
同時に、そのマテリアルでの因縁キャラの欄にて、アンリマユやナイチンゲールなど因縁キャラに巌窟王がいる他の人物全員が「巌窟王」表記である中、既刊14巻の中で天草のみ「エドモン・ダンテス」と表記されている。
正反対の似た者同士。
アヴェンジャーとルーラー、混沌悪と秩序善、西洋人と日本人、大人と少年。構成する要素のほとんど全てが対極に位置しているが、それぞれに人を憎み、嫌うような地獄を経験してもなお「人」を愛している2人である。
その他
ここでは二次創作でよく使われるネタと元ネタをいくつか挙げていく。
FGO発
- 探偵ヱドモン
先述した、カルデアボーイズコレクション2017で実装された『探偵ヱドモン〜春先旅情編〜』から始まった礼装シリーズ。名探偵ヱドモンを中心とした事件を辿る物語となっており、主人公のヱドモン以外はその年毎に登場するメンバーが変わるスタイルだが、天草のみ複数回登場している。
春先旅情編で天草が担当した“書生”とは、明治・大正期に他人の家に居候して雑用等をこなしながら勉学に励んでいた学生のことを指すため、二次創作では探偵ヱドモンの家に居候しつつ助手の役割もする書生天草、といった内容が多く見受けられる。
2017
『探偵ヱドモン〜春先旅情編〜』
探偵ヱドモンシリーズ第1作。エドモンは異人探偵、天草は事件に巻き込まれがちな駆け出し書生として共演した。
2019
『探偵ヱドモン〜真の黒幕編〜』にて2年ぶりの共演を果たす。
今回では、なんと書生の正体が事件の犯人であった怪盗だということが判明。探偵と書生という関係から、探偵と怪盗という明確に対であり因縁の関係へと変化した。
自身と対峙する探偵に、怪盗はその仮面を外して不敵な笑みを見せ……。
2021
『探偵ヱドモン〜蘇る悪夢編〜』。欧州に渡っていた探偵は、その地で怪盗を名乗る謎の男の事件に関与することになるが、その怪盗は探偵を嘲笑うかのように捜査網を華麗にすり抜けていく。
今回の話で、2019年に対峙していた怪盗は海に消えていたことが明かされた。どうやら生死不明という形だったようだが、欧州の怪盗事件に関わることになった探偵は身に覚えのある感覚に笑みを浮かべる。
2022
『探偵ヱドモン〜最後の事件編〜』
「おさらばです。名探偵さん………」
公式絵師発
※注意※
これは公式絵師の非公式絵であり、元はカップリングものではなく、こちらもカップリングものと推奨するものではない。あくまで元ネタであることを銘記すること。
天草の担当絵師である近衛乙嗣氏個人によるファンブックとして制作された同人誌『CHALDEA SKETCH』(2024年8月時点で全12巻)。そこでは1巻、2巻、3巻、(6巻)、7巻、8巻で巌窟王と天草(2巻以降はもう1人)がセットで描かれており、その描写を元ネタとしたものが二次創作でも多く見受けられる。
- サンタ一家
2016年末に発売された『CHALDEA SKETCH 2』から始まった巌窟王、天草、ジャルタリリィのトリオ。
サンタ一家誕生の経緯は、
近衛氏
「サンタ師匠(天草)にもトナカイは必要
→ なのでトナカイとしてエドモンを
→ リリィはリトルクランチするから娘なのでは?
→ 3人並べて描いてみたら偶然クリスマスカラーのペアルック一家に」
こうである。
ついでに、この流れでサンタアイランド仮面(天草)がママに任命されている。“ママ”に、任命されている。
そしておそらくこのサンタ一家(特にトナカイとしての巌窟王)を元ネタとして、2017年発売の『FGOコミックアラカルトVI』にて恩讐トナカイとブラックサンタアイランド仮面が登場した。
2巻以降の『CHALDEA SKETCH』でもこの3人の組み合わせは見ることができ、3人の浴衣姿や、探偵ヱドモン時空の3人、神主エドモンと巫女天草と巫女リリィな3人が見れる。
ぜひご覧になっていただきたい。
余談
- 些かの縁
「何、アレと同じ姿を有した別の男と些かの縁があってな」
些かの縁。亜種特異点『屍山血河舞台下総国』にて、妖術師について語る巌窟王が口にした天草との縁のことである。
直接的な接点が少ないにもかかわらず、何故だか互いの事情に詳しかったり、どこかで交流している気配があったり、相手の暗躍を認識している非常に数少ない人物の1人であったり、アンリマユに「似てる」と言われたり、ifの道を辿った相手が黒幕を務める亜種特異点に顔出しした上にifの相手についてやたら詳しくて村正に怪しまれたり、ifの方も相手を認知していたり、地獄でまた会おうと言ったり、互いの幕間にどちらも出ていたり、会話をチラ見せしておいて片方のセリフは隠したり、マテリアルで1人だけ相手の呼び名が違ったり、概念礼装内で因縁の仲になった上にそのシリーズが6年目を突破したりなどという“接点が少ないのに接点が多い”、ある意味『匂わせ』が多い2人。そんな2人であるため、FGOでなんらかの形で2人の絡みがあると巌窟王が口にした“些かの縁”というワードを用いて、「些かの縁って何?」といった内容のエドシロ歴数年もの猛者たちの動揺と混乱の悲鳴がSNS上にて数多く見受けられる。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder(腐) 腐向け 巌窟王エドモン・ダンテス 天草四郎時貞
エド天(表記揺れ)