カードテキスト
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
墓地のカードを対象にする、または墓地で効果が発動する
魔法・罠・モンスターの効果は全て無効になる。
概要
エジプト神話に登場する冥界の神「アヌビス」の名を持つ上級効果モンスター。アヌビスは犬のような頭部を持つ、言わば獣人のような姿をした神として描かれる場合が多いが、エンド・オブ・アヌビスは頭部こそ犬に似ているが、明らかに「神」と言うよりも「魔獣」などに近い禍々しい雰囲気を纏っており、しかも悪魔族に属している。
ちなみに原作の遊戯王は元々エジプト要素の強い作品であり、遊戯王OCGにも(特に古代の)エジプトを意識したカードが少なからず登場する。その中には当然「アヌビス」の名を冠するカードも幾つか存在するが、「アヌビス」の名を持つモンスターカードはこのエンド・オブ・アヌビスが初である(一応罠カードなどには先例があった)。
見た目は恐ろしい悪魔だが仮にも冥界の神の名を冠する存在、やはりと言うか効果も冥界、もとい墓地に関するもの。このカードがフィールド上に存在する限り、墓地のカードを対象にする効果や墓地で効果を破棄するカードの効果を無効化してしまう。
昨今の遊戯王OCGでは「墓地は第二の手札」と表現されるほどに墓地のカードを重要視する場合が多い。しかし、このカードはそのような墓地を活用するカードの効果を無効化してしまう。デッキによってはこのカード一枚で機能停止に陥る場合もあるほど厄介な存在であり、使いこなせるのであれば召喚時に1体のリリースが必要である点を差し引いても十分なお釣りが来る。
攻撃力2500は登場当時としてはレベル6以下トップタイであり、悪魔族で言えばあのデーモンの召喚に匹敵する打点を誇る。しかし、同じ悪魔族でもデーモンモンスターであり通常モンスターでもあるデーモンの召喚と比べるとサポートカードに差が出る……かと思いきや、エンド・オブ・アヌビスはデーモンの召喚より守備力が低い(というより「0」である)ため、こちらもこちらでデーモンの召喚では対応できないサポートカードが使える利点がある。悪夢再びやカメンレオンなどが好例。
その名に恥じない強力な効果と無駄の少ないステータスを兼ね備えた強大なモンスターであることは間違いないが、この怪物も決して万能で完全無欠なわけではない。実はこのカードで無効化できるのは、基本的に「墓地のカード1枚を対象とする効果」である。「墓地のカード複数枚を同時に処理する効果」や「墓地のカードをコストとして利用する効果」までは無効化できない。例として前者で言えばオーバーロード・フージョンなど、後者ではダーク・ネクロフィアの特殊召喚などはエンド・オブ・アヌビスの効果対象外である。また、手札やフィールドで効果を発動し、その処理のために墓地に送られたカードの効果は無効化できない。確かにこの手のカードは効果を発揮する時点では墓地に存在するが、「墓地で効果を発揮する」のではなく「効果を発揮するために墓地に行く」ためである。
また、戦闘面に関してもデーモンの召喚にとっての弱点である表示形式の強制変更や攻守逆転効果には更に弱いという欠点があり、力任せに暴れるだけでは手痛いしっぺ返しを食らいかねない。2500という攻撃力もあくまでレベル6の通常召喚可能なモンスターとして見れば高い部類だが、モンスター全体の中で見れば決して安心できる数値ではないし、現在の環境なら格下相手であってもステータス強化の魔法カード1つで逆転されかねない。フィールドに居座ってこそ効果を発揮できるモンスターなので、どのようにして維持するか、活用するかは重要な課題となる。このカードに限った話ではないが、常に過信は禁物である。
余談だが、このモンスターの名前「エンド・オブ・アヌビス」を邦訳すると「アヌビスの終わり」という意味になる。一応文法などにおかしな点は無いが、モンスターの名前としては何かが違うような気がする。ちなみに似たようなネーミングをされた先輩として「カース・オブ・ドラゴン」が存在する。