概要
イタリアシチリア地方で食べられているお菓子。「カンノーロ」と呼ばれることもある。
菓子の名前はイタリア語で「小さな筒」という意味があり、筒状の見た目もそうだが、元々はその筒を形作るためサトウキビを使っていたからだとも言われている。
小麦粉ベースのパイ生地を専用の型に巻き付けて三角形の筒に丸めて揚げたものにリコッタチーズとワインやローズウォーターなどの風味をつけたクリームを詰め、砂糖漬けの果物をトッピングする。
カプチーノやエスプレッソと一緒に朝食やおやつとして食べられているが、本来は謝肉祭を祝うお菓子だった。
映画アイテム
イタリアンマフィア一族の繁栄と衰退をえがいた映画『ゴッドファーザーシリーズ』ではカンノーリがキーアイテムとして登場する場面がいくつかある。
特に有名なのが『ゴッドファーザー』の劇中で、ピーター・クレメンザが首領コルレオーネに頼まれて裏切り者を始末した際、「仕事」の行き側に妻から帰りの土産にカンノーリを頼まれていたため「銃は置いていけ。カンノーリは持ってきてくれ」という台詞を述べる場面。
二つめが、『PARTⅢ』で首領の娘コニーが、名付け親のドン・アルトベッロを殺害するため毒を仕込んだカンノーリを食べさせる場面。
どちらもカンノーリは「日常」の象徴として扱われており、マフィア(裏社会)と家庭(日常)が切り替わる瞬間と境目を表している。
また、コルレオーネのモデルなったシチリアマフィアの最高幹部、ラッキー・ルチアーノはカンノーリが好物だったと言われている。